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ユーリの本音

「…よーし、これで全員かな。それにしても増えたなぁ。まぁ応援に呼びに行かせたのはわざとだけど。」

 ギルドの裏口、暗い通路では二十数人の男たちが苦痛に顔をしかめていた。共通しているのは全員既に戦意を喪失しているということ。最早立ち上がることが出来る者すらいない。そしてそれを成したのは2人の女。アネッサとユーリ。


「ユーリちゃんもありがとうね。街中走り回ってこいつらの仲間を集めてくれて。」

 ユーリは街中で冒険者ギルドがある商会の悪事の証拠を掴んだと風潮していたのだ。その噂を聞きつけて更に人が集まったのだ。


「いえ、私は集めただけでアネッサさんが倒したのですから…でも凄く参考になりました。後半ナイフを使っていたのは私に見せる為ですよね。」


「バレてたか、…ユーリちゃん、強くなりたいんでしょ。こんな私の技術で良ければ幾らでも見せてあげるよ。」


「これだけ集まれば商会も殆ど空っぽになるでしょ。オウギさんも楽になると思うよ。」

 アネッサのこの言葉は正解である。オウギがマーバラル商会の中に潜入したとき5人しか居なかったのは代官について行ったのとこの騒ぎに駆けつけていたからであった。


「あの、この人達どうしたら良いでしょうか。街の警邏の人は…その、代官と繋がっている可能性があるので…。」

 ずっとアネッサの戦いを見ていたタリーニャが地面に転がる男たちをどうするべきか尋ねる。本来住人の味方である警備兵も黒幕が代官である以上信用はしかねる。無理やり解放させてしまう可能性もあるからだ。


「うん?あぁ、もうその人達は動けないから放って置いても良いんだけど…」


「こ、殺したんですか?。」


「え、殺してないよ。オウギさんと出会って私は変わったから。無駄な殺しはしない。これだけ実力差があれば殺す必要なんてないからね。腕の1本ぐらいは諦めてもらうけど。毒で痺れているんだよ、1日ぐらいは動けないんじゃないかな。」


「だから…えーとこのギルドの倉庫に押し込んじゃって良いと思うよ。誰か手を貸してくれる人はいる?。」


「はい、ギルドの職員なら。」


「そっか、ならお願いするね。さて、粗方片付いたと思うけど…これからどうしようかな。まだ護衛しといた方が良いかな。」


「うーん、どうでしょう。オウギ様に加勢は必要ないと…、…グーちゃん⁉︎、なんでここに、オウギ様と一緒にいたんじゃ。」

 ユーリが突然現れたグーちゃんに気づき焦りを見せる。グーちゃんはオウギと共にいたはず。それが単独で行動していたことに危機感を覚えたからである。


「…あ、うん、そうなんだ。オウギ様はその転移紋?ていうので湖の底にいっちゃったんだね。そっか、…また置いていかれちゃったな。ちょっとは強くなれたと思ったのに。」

 グーちゃんを通してオウギの意思を確認したユーリ。またしても1番危険な所へは連れて行ってもらえなかったことに悲しげに尻尾を揺らす。


「オウギさんはユーリちゃんが邪魔だから置いて行った訳じゃないってことはわかってるよね。大事だから危険に近づけたくないんだ。」


「それは分かってはいるんです。でも…私はオウギ様と一緒に…その…横に並んで戦いたいんです。一緒だったら危険でも大丈夫なんです。」


「うーーん、可愛いなぁ。よし、それならオウギさんに直接言おうよ。もっと連れ出して欲しいって。実際、修羅場は潜れば潜るほど一気に強くなるからね。」


「そ、そんな我儘言えないです!。ただでさえ奴隷としてはあり得ないぐらい恵まれてるのに。」


「だめだめ、オウギさんもユーリちゃんがはっきり言った方が喜ぶと思うよ。」


「…ほんとうですか?。」


「うん、ほんとほんと。」


「分かりました。この事件が終わったらオウギ様と話してみます。アネッサさん、ありがとうございます。」


「うんうん、良いんだよ。私たちはオウギさんに救われた同士仲良くして行こう!。」


「はい!。」

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