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黒幕を暴き出す為の策

次回更新はお休みします。

次の更新は2月10日になります。

 水深百メートルのライオレイクの中に突如現れた白亜の城。高さは約二十メートル程で大きな本館と三棟の槍のような屋根を持つ建物に分かれている。そして驚くべきことに城の周囲にはオウギたちの顔の周りにあるのと同じ空気の膜が張られていた。


(…昔本で読んだことがある。遥か昔には存在していた今とは次元の違う魔導具。あの城自体が強力な魔導具でもあるのか。…何かの拍子にあの城を発見した誰かが悪用しているんだろうな。)


「…許せないな、太古の昔の技術を独占しそれで富を得るなんて。開示すれば一気に暮らしが良くなるかもしれないのに。」


「…オウギ様、あのお城は何なんですか?。」


「うん、多分だけど今よりずっと前、ここが湖になる前にあった城なんだと思う。昔は今より魔法が凄かったから、多分…防壁の魔法が張ってあってそれで中に空気があるんだよ。そうだ、ユーリ、その子にあの城のことを聞いてみてくれないかい?。」


「はい、わかりました。…うん、うん、…最近なんだね。…うん、…え!人がいるの!。出て来て魚を獲っていく。…城の周りにだけ魚が集まっているんだね。」

 オウギに促されテイムしたグランドシャークに城のことを尋ねるユーリ。サメはとても大事なことをつぶさにユーリに伝えていく。


「オウギ様、あのお城には人がいるそうです。そして魚を獲っているそうです。何故かあの城の前には魚が集まっていて逃げないそうです。」


「確定ですね。この深さなら普通の漁師が獲れないのも納得です。ただ…あの城からどうやって運び出しているのかが分かりません。…何か特殊な適性でもあるか…それとも…」

 ユーリの話を聞いたオウギはこの城がカラッサスの事件の元凶であると断定する。しかし解せないのはその先。思い浮かぶのはオウギ自身と使える転移の魔法。しかしその魔法がかなり希少で使い手が少ないことも理解している。どうにも引っ掛かりを覚えてしまう。


(まだ何か…気付いていないことがあるようですね。…これからどうするか、…ここで待機するのは現実的ではない。輸送の秘密を探る方が先ですね。)


「ユーリ、1度陸に戻ります。その子のテイムを解いてあげて下さい。」


「分かりました。…お話をありがとうございます。はい、お元気で。」

 ユーリがテイムを解くとグランドシャークは泳いでどこかへ行ってしまう。それを見送った2人は転移の魔法でその場から消え去った。オウギが消えた瞬間城の姿はまた消え何もない水中の幻影がその場に出現したのだった。

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「湖の底にお城ですか?、いえ、そんな話は聞いたことありません。本当なら王都に使いをやって調査団を送ってもらわないといけませんからね。古代遺跡の技術は凄いらしいですから。」

 陸に戻ったオウギ達はギルドのタリーニャに城のことを話す。しかしタリーニャは城の事など聞いた事がなかった。


「…ただまだ城をどう使って魚を独占しているのかが分かっていません。それと誰が黒幕かも。」


「うー、じゃあ下手に応援を要請しない方がいいですよね。逃げられちゃいますから。」


「…逆じゃない?。もし私が黒幕だとしたらさ、いきなり自分の秘密が明るみに出たら焦って確認に動くと思うんだよ。その情報の確かさと弱点を。」


「…もし冒険者ギルドで湖底に城を見つけたと噂を流したら黒幕はいの一番に確認に来ると?。」


「うん、そしてそれが正確な情報だと分かるとマーバラル商会に向かうと思うんだ。その二つの行動をとった人物が黒幕で間違いないと思うよ。」


「…確かにそうかもしれません。しかしこの方法はタリーニャさんに危険が及ぶ可能性があります。僕達がついていたとしても完全ではありません。尾行と護衛に別れますから。」


「…だ、大丈夫です!。その作戦でいきましょう。私だけ何もしないなんて嫌です。早く街を元に戻したいんです!。」


「…分かりました。では噂を流すのは一時間後。護衛にはアネッサさんとユーリ。尾行にはグーちゃんの力を借ります。噂を流してから1時間の間に来た人物全員を疑って下さい。」

 こうしてタリーニャの身を張った作戦が開始した。

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