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ノージョブです!。

多重魔法とは違ったなんか強い系を目指して頑張って書いていきます。よろしくお願いします。3日間連続で更新します。その後は…週二回ぐらい更新します。

『ガラガラガラッ‼︎』

 豪華な荷台を引く馬車。


「おっと、止まってもらおうか。わかってんだろ?。俺たち盗賊に目をつけられたんだよ。こんな豪華な馬車に護衛もつけねーなんて貴族ってのはバカなのか?。狙ってくださいって言ってるようなもんじゃないか。取り敢えず降りな。」

 その馬車の前に20人ほどの集団が躍り出る。汚らしい姿に抜き身の剣を携えいやらしい笑みを浮かべている。一目で堅気ではないとわかる姿であった。


「…ひっ!。」

 馬から伸びる手綱を持った御者が短く悲鳴をあげ、馬車を止める。


「…………」

 馬車の中からは返事はない。


「黙ってても無駄だぜ?。何なら引き摺り出してやろうか。」

 そう言い集団から男が1人馬車に近寄りドアを開けようとしていた。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「早く、急がないと。お母様が大変なの。」

 通信の魔法で母が病に罹ったと連絡が入った。その連絡を聞き私は護衛を集めますと言った者の意見を無視し御者1人を連れて飛び出した。


(お母様…どうか…)

 今の私に出来るのはお母様の無事を祈る事のみ。お願い早く着いて。


『ガラガラガラッ』

 馬車が急に停車する。


「きゃっ⁉︎」

 何?何が起こったの?。外から声がする。…どうやら盗賊に襲われているみたい。…どうしよう私が使用人の話をちゃんと聞かなかったから…。


「……取り敢えず降りな。」

 外から降りるように声がかかる。どうすればいいの?。神様どうか助けてください。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー


 集団の中から出た1人の男が馬車のドアに手をかける。


「ひっひっひ、まぁ恨むんなら護衛もつけずにこんなとこを通った自分の無能さを恨むんだな。なぁ!お前ら。」

 仲間たちに向けて下卑た表情を浮かべながら語りかける男。


「……………」

 しかし一向に返事らしきものはない。それどころか音がしない。


「…?。どうしたってんだお前ら。返事くらい…」

 振り返った男であったがその目に飛び込んできた光景に言葉をなくす。


「…な、なん、なんじゃこれは⁉︎。どうなってやがる。おい、おめえらどうしたんだ‼︎。」

 先ほどまで自分と同じく今日の獲物に舌舐めずりして同志。それが全員地に伏していた。立っているのは見たことのない男1人。短い黒髪、中肉中背の平凡な体型の男だった。


「て、てめえがやったのか!。この…クソ野郎が。殺してやる。」

 頭に血を上らせその手に持つ剣で男に斬りかかる。盗賊の男は冷静になるべきだったのだ。自分の前にいる男は自分の仲間20人を音もなく制圧した男なのだ。普通にやって勝てるわけはなかったのだ。


「ん?何?危ないよ、」

 自分に斬りかかる盗賊を見た男はその視線を盗賊に向ける。


「…ぐっ…な、何…を」

 男と目があった途端盗賊は全身から汗が噴き出し戦意を喪失する。


(な、何だこの男は?、バケモンじゃねーか。下手をすれば聖騎士よりも…。何でこんなところにいやがる。だ、ダメだ…意識が…)


「っか…は…」

 そのまま意識を失い倒れる盗賊。


「これに懲りたら真っ当に働くことだね。…俺に言われるのは恥ずかしいと思うけど。」

 盗賊を倒した男はなぜが自虐する。


「あの、…ありがとうございました。さぞや名のある騎士様とお見受けいたします。この度は本当にありがとうございました。」

 御者が御者台から降りてきて男に礼を言う。実際男がいなければ御者は殺され自分が仕えるお嬢様は盗賊に攫われどうなっていたかわからない。


「モリス。私も挨拶をするわ。」

 そう言い馬車から女性が降りてくる。金髪の髪を腰の長さまで伸ばし、軽くカールさせている。涼やかな瞳と10人に聞けば9人が美人と答える顔立ち。(答えなかった1人は多分特殊な性癖を持っている。)その女性は気品のある仕草で男に語りかける。


「この度は誠にありがとうございました。貴方様はあたくし達の命の恩人でございます。あの…お怪我などは大丈夫でございましょうか?。」

 感謝の言葉とともに男を安じる言葉をかける。女性は馬車の中にいたため男の無事を知らなかったのだ。そんな言葉に男は


「ノージョブです‼︎」

 と答えた。

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