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15歳のラノベ作家とイラストレーター  作者: 黒目 朱鷺
15歳のラノベ作家とイラストレーター 二枚目
9/9

その作家達は日常を晒すようです!?

(´・ω・`)予約投稿が上手く作動してなかったことに今更(12/24 2:55現在)気付いて…しっかりと最新話でてないじゃん!!となって…


ほんとうにごめんなさい!!なので、明日の夜ぐらいに番外編出します。

クリスマス特別回を出したいと思います…


「暁槻…まだ怒ってるのか?」

「別に」


 新作発表から一ヵ月。俺と暁槻は同じ高校へ入学し、何事もなく学生生活を送っているのだが、今日はある事件が発生した。

 それは、四講目から昼休みの時間に起きた。




「えー。~~~であるからしてーこの時はメタンになるから~」


 高校入学からそれなりに経ったが、授業はいつでもめんどくさく、気怠い。

 それは、隣に暁槻がいたとしてもだ。


「ねえ。表か裏かどっち?」

「はぁ?」


 突然隣にいる暁槻が声をかけてくる。


「いいから。表オア裏。どっち?」

「…ちっ。裏だ」


 これは、突然始まったことで日課のようになっているが、売店にどっちが行くかの運ゲーだ。

 ルールは簡単。一日一日交互にコインを飛ばし、裏か表かで負けた方が売店まで、相手の要望を聞いて買ってこなくてはいけない。ただそれだけ。


「無理。裏はボクが先に決めてた。だから依音は表ね」

「またか!!」


 ガタンと、大きな音が教室中に響き渡る。


「…ま~え~ば~し~?」

「…すいません!!」


 勢いよく、俺は教壇に立つ化学の先生に向けて大きく首を下げた。正確には腰から角度四十五度の角度で。


「寝てたんか?」

(うっわ。めっちゃ怒っとる…)


 先生の声色は顔と真っ反対に激おこであった。


「すいませんでした」


 スッと椅子に座り、何事もなかったかのようにノートに板書を書き写す。


「…前橋あとで来ような?」

「…は、はい」


 暁槻の方に視線を移すと、笑っているかと思えばなぜかふくれっ面だった。

 理由はわかないが、暁槻は先生に見えない机の下でコインを差し出す。その面は裏であった。


「…ごめんなさい。今日だけは許して」

「依音。金出して。だったら許す」

「いいよ。って、こうなったのは暁槻。お前のせいだぞ?」

「し~らない」



 

 そう。ここまではよかった。

 そのあと、要所要所のみだが、まず暁槻が売店争奪戦に負け、めっちゃ機嫌が悪くなる。その後、機嫌取りに編集社にあるコーヒーの店へ行く。

 まさかの暁槻が忌み嫌っている城鋼で最も重宝されているイラストレーター「峭腰沙羅」に出くわし、睨み合いからの陰湿空気が蔓延し、何とも気まずく…


 その間俺は紫先生と駄弁っていた。合わせてこの時初めて紫先生のペンネームの由来を聞き、一瞬二人の間で空気が沈んだ。

 まさか理由が本名からとかではなく、今の彼女の一目惚れした時のパンツの色って…ある意味、こんな変態だからこそ、いいお色気シーンが書けるのだろうか。


 と、そんな過程の果て暁槻は絶賛テンション最低のせいで、俺に当たってきているのだ。


 まさか編集社内のカフェで二大タイトルの作家とイラストレーター同士が出くわすなんて思ってもいなかったし、それが犬猿の仲同士の出会いであるってわかってたけど、防げないし…


 最悪である。




 住宅街へ入り、空はもう暗くなり始めているのだが、俺たちの仕事はこれからである。


 この空気のまま行くのはあまり気乗りはしないが、いきつけの会議室なるものが存在するカフェへ向かう。

 そのカフェは、城鋼文庫直属ともいえるようなカフェで、編集社内であまり作業が進まないときなどに気分転換がてらに行くことが多い。


 俺と暁槻もかれこれ常連客とも言えるほどに通いつめ、週六か週七で店へ出向いている。


「佐々流さんと連絡取れた?」


 先ほどからしきりに、スマホの画面に指を滑らせる暁槻に問う。


「まだ。既読もつかない」

「はぁ…仕方ないか」


 制服のポケットからお気に入りの絵師がデザインしたグッズカバーのついたスマホを取り出す。


 パスコードを入力し、Skypeのアプリをタップし、佐々流さんとのチャットを開き、通話ボタンを押す。


 ワンコール…ツーコール…


「はい!?城鋼の佐々流ですけど!?恋先生?!」

「はい。そうですけど、佐々さん…何してるんですか?」

「印刷所巡りです!!どーせあのカフェですよね!わかってます。行けたら行きますんで。じゃ!」


 ブツッ…ツー、ツー


 大変そうだな…なんだよ印刷所巡りって…初めて聞いたよ。


「佐々流さん、なんだって?」

「ある意味の聖地巡りしてるから行けたら行くってさ」


 暁槻は「なんでボクに対しては返信してくれなかったんだよ…」と愚痴をこぼしながら、カフェの扉を開ける。


 カランカラン。と味のある音が入店を知らせる。

 グラスを拭いていたマスターが扉の方を向いて、カウンターから出て近づいてくる。


「いらっしゃいませ。個室でよろしかったですか?」

「はい。大丈夫です」

「かしこまりました。飲み物はいつも通りでよろしかったですかね?」


 笑顔で頷くと、マスターは二階の個室の鍵をポケットから出し、俺の掌に載せた。


「今日はあまり機嫌がよろしくないのですかな?姫様は」

「あまり触れてやんないでください…あまり運がよくなかっただけ何で」

「さようですか」


 そういうと、「ごゆっくり」と一言添えてカウンターへと戻っていった。


「ほら、暁槻いこか」

「はぁ…奢ってね。夕食分まで」

「まじかよ!なんで俺ばっかりこういう仕打ちに会わなきゃいけないんだよ!」


 そんなことをよそに、暁槻はそそくさと店内へ入って二階への階段へと歩いていた。

 駆け足で、暁槻の隣にいく。




 入ってから三時間ほど。飲み物も四杯目に差し掛かり、俺も暁槻も集中度もピークに差し掛かっていたそんな時、部屋のドアノブがひねられる。

 二人の視線が扉に向けられる。


「お疲れ様です…」


 そこにいたの佐々流編集者。の疲れ切った姿があった。


「佐々さん。お、お疲れ様です」

「おつかれです」


 そのまま佐々さんはソファー型の座席に寝っ転がり、テーブルの上にある俺が書いていた二巻のプロットを引っ張り、目の前に持ってくる。


「これ、二巻のプロットですか?恋先生」

「そうですよ。飲み物頼みました?佐々さん」

「今から見ますね。まだ頼んでません。来たばかりなので」

「何がいいです?」

「コーヒーでお願いします」


 そんなことを、プロットの続きを書きながら話す。

 一度、席を立って佐々流さんのコーヒーを注文しに行く。




 戻ってくると佐々流さんはソファーにしっかりと座り直し、ペラペラとプロットをめくりながら多色ボールペンと付箋を使って修正を入れている。


 毎度のことながらたくさん貼れている。いつかこれが減ることはあるのだろうか…


 そして、佐々流さんの裏を回って席に戻ってプロットの続きを書く。


 ファンタジー系に転向したため、ネタを出すのに苦労し、ペンを口にくわえ天を仰ぐ。

 そうすると、静かな空間にボールペンの走る音とiPadにタッチペンを滑らせて描く(かく)音が広がっている。


 その音は、集中力を妨げることなくBGMのように作業効率を加速させるのだが、ネタの神様は降りてくることなく、時間がただただ過ぎていく。

 ふと時計に目を向けると、時刻は八時半を回り窓の外は暗くなっていた。


 言い忘れていたが、峭腰先生と紫先生の新刊との勝負は、優勢勝ちとして紫先生たちが勝った。


 なぜ優勢かというと、勝手に吹っ掛けてきていたせいで何を勝ち負けの基準にするか決めておらず、テキトーに初日と北海道に発売するまでの差を含めた三日間での売り上げ部数で決めることにした結果、初日は俺と暁槻の勝利。二日目に紫先生たちが勝利し、三日目も紫先生たち。

 その結果、一対二で俺と暁槻が敗北したのだが…まさかのその後、かなりの大差で売り上げ部数を俺たちの作品が伸ばし、最終結果は圧勝。だったのだが…




「おい!佐々流!てめぇなんで俺らの神レベル作品が今になって抜かされてんだよ!!」


 編集社の中にあるカフェに響き渡る怒声。その声の主は峭腰沙羅。城鋼のトップ作家なのだが…


「んなこた知りませんよ!単に恋先生の作品の良さが読者に広がってきただけでしょうが!」

「んだとぉ?あんなぼんっくずの作者と日陰女のペアが何で俺らより売れんだよぉぉぉ!!」


 その言葉に、俺のすぐ横に座っていた暁槻が突然立ち上がり、峭腰先生の目の前に立つ。


「人は見た目によらないってね。フッ!あ、先生にとっては二重の意味ですねぇ~ネカマの沙羅せ・ん・せ!」


 あんのバカ…。まさか煽りに行くなんて思ってもいなかった。


「いや~あの二人は今後も仲悪そうだ。ね?恋先生」


 そういって来るのは、いま俺の座る席の目の前に座る、紫先生。

 峭腰先生の作品のイラストを務め、城鋼の挿絵では絶大な人気を誇るトップ。顔もかなりいけている。

 つまりは万能なイケメン。であった。


「そうですね…まあ、放置するんですけどね。めんどくさいので」

「それが一番だよ…それはそうと、恋先生。そのPNの由来とかってある?」

「由来…ですか?」

「そう。例えば、前橋駅でイチャラブしてる絶賛恋愛して公然でやっちゃいます!みたいな人を見かけて、きたこれ!とかね?」

「そんなわけないじゃないですか!本名と友人の名前ですよ」

「友人?それっていいのかな」

「…いわれてみて思いましたけど…まずいですね」


 その友人とはもう三年程あっていないのだが。どこで何してんだろ…?


「そういう私はね!初めて恋した女性の下着の色だよ!」


 思考にラグが発生し、少し考えが遅れる…は?


「は?」

 おっと、思ったことが口から出てきてしまった。


「ふふん!いやー。今となっては懐かしいな…彼女となっては下着なんて見放題なもんだから…またあの新鮮さとスリルを味わいたいよ!!」

「……」


 絶句だ。

 まさか一大ラノベのイラストレーターのペンネームがそんな理由で決められていたなんて…

 

 ん?ちょっと待て!え?彼女って言った?!

「ん?ちょっと待て!え?彼女って言った?!」

「そうだよ。彼女のパンツを見ようと努力したら、見たその瞬間にバレてね~。彼女から、口止め料に付き合えって言われて…まぁ、そのままカップルスタートだよ」

「う、嘘だろ…」

「嘘じゃないよ?ははは」


 もう、引きに引ききった心は決して戻ってこようとしない。


「でーも!俺たちの勝利だバーカ!」

「はぁ?小説家なら結果で勝負でしょ!?何?売り上げ初日が十万なら後ゼロでもいいの!?ボクはだめだと思うね!」

「ちっ!でも今回の勝負は三日間のみなんだぞ!」

「両方ともすこし静かにしてください!ここどこだと思ってるんですか!!」


 佐々流さんらしくない怒った声がカフェに響く。

 と、同時に水が峭腰先生と暁槻に勢いよくかけられた。


「え!?誰?」


 誰もがそう思ったであろう…


 そこに立っていたのは…






最後までお読みいただき、ありがとうございました!!


感想、レビューに評価。お待ちしてます!感想にはなるべく回答もしていますので!よろしくお願いしますね!


次回は明日。合わせて、間に合えば「転生者は運送業(仮)を営む」も投稿します!

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