編集者はやっとひと段落着けそうでつけないようです!?
新作発表と共に続編も公開。
我ながらよくやったと思いますよ?w
え?文字数少ない?忙しかったので第八部はかなり元々の構成からストーリーを省いています。
まぁ、本線はここからですので!ここまではプロローグみたいなもんだったんです!というわけで!一枚目ラストどうぞ!
気が付けば眠っていたようだった。
重い体を起こすと体には毛布がかけられていた。
視線を左へ移すと、自分の仕事机の上にはまだ湯気のたつコーヒーカップ。
ゆっくりとソファーから立ち上がり、机の前に行くと、コーヒーカップの下にはメモ帳が挟められていた。
小さな紙切れを手にする。
『親愛なる我が弟よ。
仕事に熱中し過ぎるあまり、大事なことを見失っていないかい?
響也は昔のように作者の思いをもっと感じなきゃいけない。初心に帰るようにね。
各所へ連絡するよりも早く作者の意向を手に入れなきゃ行けなかった。
各所への残り連絡は終わらせた。あとはやること分かるよね?起きた時間は分からないけど、非常識でもいい今すぐ連絡しな。」
そのメモ帳を手に、一度コーヒーカップに入ったコーヒーを飲む。
そのコーヒーは、昔姉がよく作った甘すぎるコーヒーではなく、酸味の効いたコーヒー本来の味だった。
一息付き、Skypeを開いて今回の連載終了を宣言した城鋼文庫一のラノベ作
「峭腰沙羅」へ電話をかける。
ワンコール…ツーコール…
一回一回のコール音が鼓動を早くさせるのを感じる。
「…はい。峭腰です」
三回のコールを経て、繋がった。
とりあえず、息を整えて声を出す。
「峭腰先生。佐々流ですけど」
「知ってますし、要件も知ってます。でも、あなたは何もわかっちゃいない」
その声には光がなく、暗くどんよりとしていた。
「待ってください。なら、分かるよう説明してください。峭腰先生は多く語らない方ではないです。だから、話してください。前作のようにだらっだらと設定を駄べるように」
「……張り合いがなくなった。ただそれだけ。城鋼にはもう、競ってくれるような作品は存在しない」
「そういうことですか。なら、今から現れる新人作家の姿を見ても悲願しないでくださいよ?フッ」
峭腰はこう見えてもプライドの高い作家で、こういうふうに煽ってやるとすぐに食いつくのは、長年一シリーズ通して付き合ってきたからこそできる、佐々流だけの火の付け方だった。
「つまり、この後佐々流さんが出す新人がいい作家であると?それは、私を超えると?」
「はい。確実にあなたよりもいいセンスがありますよ。比べ物にならないほどね」
「チッ。また連絡する」
ブツっとSkypeの連絡が途切れる。
これでよかったのかとSkypeの通話終了画面にため息をつく。
「ふふっ、危険な交渉をするんやね〜響也くん」
その声とともに部屋に明かりがつく。
ハッとして編集室の入口を見るとそこには、城鋼文庫編集長の米倉碧が立っていた。
「編集長…」
「で?これで引き止めれるの〜?」
そう言ってくる顔は、昔の茶化すような顔ではなく、信頼し、「いけたんでしょ?」と言わんばかりの顔であった。
「きっと。確実とはいえないけど、これで峭腰はまた書くっていう。かな」
「じゃあ、イラストレーターの方は?どっちかっていうと私は彼の方が失いたくないんだけど」
「ああ、それは大丈夫。あの人は僕以外の所へは行かないよ絶対に」
ハハっと苦笑いを浮かべる。
なぜイラストレーターの紫先生はそこまで言えるのか、それはちょうど一年ほど前に飲み会である契約をしているからだ。
十七巻の発売後、順調に売上を伸ばし続ける峭腰先生作、紫先生イラストの「白き翼は羽ばたいて」の打ち上げとして、三人で編集社からほど近い位置にある行きつけの居酒屋へ行っていた。
二時間ほどで酔いが周りはじめた峭腰先生が退場し、二人だけとなった時のことだった。
「うきゃうしゃん?おれね?この先、城鋼以外のところで仕事しねぇ〜ら〜」
「えぇ〜ほんまっすか〜ぜてぇれぇすよぉ、言いましたかんねぇ〜ほら、この紙に書いといてくりゃせぇ。紫は今後ほかの文庫で仕事はしゃ〜せぇ〜んってら」
「ええですええです。おやっさん、ペンあるか〜?」
という、酒の勢いで書かせたのがここで効いてきた。
その紙は、おやっさんと言われた居酒屋の大将、秋元公康が所持している。
この紙をおやっさんが捨てていなければ、紫先生はどこへも行けない。
酒って怖いなと改めて感じながら、またソファーに横になって深い眠りにつく。
何か忘れている気がするが、気の所為だろうと、思いっきり恋のことを忘れているが、気にしない。
それから数日後、佐々流が恋のことであたふたするのは決定事項であり、同時に峭腰の新作発表が決定した。
新作タイトルは「竜王の思うがまま」峭腰沙羅作、紫イラスト。
その大物と同時の発売決定完全新作タイトル「夢の先には龍がいる」前橋恋作、紅月イラスト。
二作両方にりゅうの要素が含まれることは、城鋼文庫愛読者では、発売前から様々な意見が飛び交っていた。
伴ってこの二作には一大タイトルを飾った二人の天才作家とイラストレーターに、十五歳のラノベ作家とイラストレーターによる戦いが隠されていた。
いや。争っていたのは正確に言うと峭腰先生と紅月先生の二人だけで、紫先生と恋先生は仲良くしているだけであったのだが。
かくして、城鋼よりまた一大タイトルとなる作品が生み出された。
とうとう、一枚目が終了し第九部からは二枚目へと入っていくわけですが、一枚目、いかがだったでしょうか。
ちょうどいい区切れですので一枚目通しての感想や評価など頂けると光栄です。
また、レビューなども受け付けております!また、感想などにはなるべく返信するようにしていますので、良い点悪い点よろしくお願いします!!
では、また次回。二枚目第九部でお会いしましょう!以上、黒目でした。