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枕の下に 希望の上に(8)

春落ち

破り取ったカレンダー

ゴミ箱狙って

与一の弓

四月一日にピンク色

ふんわりしたカーディガンみたい

春が柔らかいって

春が優しいって

誰が決めたのだろう

優しい色が多いだけで

一番五月蝿い季節なのに




春雨の酢の物

蛸を入れて

食感を楽しむ

もうすぐ胡瓜の季節

時間は進むから

時間を軸にしては

早いとか遅いとか

並べて感慨に耽る

それを馬鹿みたいだと思って

前だけに

急いで進むから

忘れ物が多い

早さや速さで比べるなら

十代で一つを成して

十代で死んだ方が良いのだろうか




掛け布団の厚さを変えて

微妙な違いに落ち着かない

冬の間の感覚は

直ぐに溶けてはいかないから

これを当たり前にした頃には

夏になり

何も要らないような

暑さが来る

わかっていながら

慣れる事は

努力も同じで

わかっていながら

やらなければならない

到達や達成は

言葉の海で泳ぐ姿を

当たり前にしなければならないから




花弁が夢中になって

風に飛ばされている

春のベンチは

シューティングゲームのようで

ゆっくり話す時間に

茶々を入れる

春が柔らかいって

春が優しいって

誰が決めたんだろう

冬と比べた結果だけなら

盲目的な話だ




風に乗って

花弁が

僕の頭に乗った

あなたは

それを取って笑った

春の所為か

単純な思いを他所に

笑ったあなたを見ながら

優しい顔になる

だからか

わかったような

わからないような

感覚を覚えた

春の空は淡い水色で

僕は

あなたばかりを見ている

邪な春も

含まれているかもしれない

そうだとしても

好きなように描けば良いか





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