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[中止中]伯爵の次男に転生したけど旅に出ます。  作者: 椎茸 霞
「長いチュートリアルは面倒だと思う」
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森の中

キャメロット邸…

この身体…つまりは「アルキウス・クロード・キャメロット」の実家って事か。


これは…向かうべきか?

向かうべきなんだろうなぁ…はぁ。


ただ、目的地のキャメロット邸よりは、少し方向はズレるがちゃんとした道の方が近い様だ。

よし。まずはこの道に向かおう。


数メートル進んだところに弓が落ちており、その横には散らばった矢と矢筒があった。


あ、コイツ保有スキルに「弓矢」があったな。

てことは崖から落ちた時に落としたのかな?


俺は弓矢を拾った。

試射は問題無かった。壊れてはいない様で安心した。


さすがに丸腰で森を歩くのは怖いわな。

初期装備が弓矢ってのも何とも言えないけど、贅沢が言えない状況だしな…。


とぼとぼと歩き出したわけだが…異変にはすぐ気がついた。


森の中ってこんなに静かなもんかね?

鳥すら鳴いてない。


うん。


これは異常だろ。

さすがに静か過ぎる。


たしかこの身体のコイツ(アルキウス)は地竜?に追われてたって言ってたし。

どんなヤツかは知らんが、竜だろ?


立ち止まり辺りを見回す。

「索敵」スキルは確か4だからな…なんとも微妙なんだけど…。


少なくとも視界に映る範囲には居ないみたいだな。


改めて「マップ」を確認する。

んん〜。


近いって言っても…数キロはあるぞ。

なんならその道からキャメロット邸まではもっと距離がある。


地竜とやらを警戒しつつ、それ以外のモンスター的なヤツも警戒しつつ、

そのくせ装備は弓矢。

現状使えないチートアイテムと、便利っちゃ便利だが持て余し気味の能力。


一瞬でもあの自称死神を親切だと思った自分を殴りたい。


〜〜〜〜〜


結果から言おう。

森の街道に出たのはやがて日も沈むかと言うギリギリの時間。

さすがに森の中で野宿じゃなくてよかった。


ちなみにマップでは「キャメロット領:街道」とあり、

少なくとも道をたどれば何処かしらの街に出るのはわかった。


問題はここからだと思う。

なにせ、そろそろ日没だ。

森の中ではなんとか地竜とやらに出くわさずにいられたが、舗装された道とは言え、ファンタジー世界の夜なんて…ねぇ?

まぁ贅沢は言ってられないか…。


森の中を歩いている間に、自分の能力は粗方理解できたので良しとしよう。


俺は街道の端っこの方に座り、森の中で見つけた幾つかの果物を口にした。

思ったより美味しかったね。


ただ…やっぱ寂しいね…。

あの自称死神と話をして以来、誰とも会っていない。

「1人」と「独り」は違うと言うが…確実に現状は「独り」なわけで、

スマホも無いので誰とも連絡はつかない。


てかそもそもこの世界ってやっぱファンタジー世界な感じで、中世ヨーロッパな雰囲気なのか?

文明レベルもそんな感じかね?


いつの間にか日も沈み、辺りは月明かりでかろうじて物の認識が出来るくらいだ。


いや、まぁ木とか見てたら不意に「ガザーナの木」とか出てくるから何処に何が有るかは分かるんだけどね。


粛々と…夜は過ぎて行きますね…。


なんかなぁ…イベントとか発生しないものかね?

…起こらないよねぇ。


そろそろ寝ますか。

多少地面が硬いとかは良いんだよ。今だけだと思おう。


体勢を横にし、転生してからの自分の順応性の高さを思い返し「あぁ、これも死神さんの加護的何かかなぁ?」と曖昧な予想をしていたところで、意識は夢の中に落ちていった。


〜〜〜〜〜


異世界で見る夢と言うのも乙なもので、

夢じゃなくて、元の世界の出来事を覗いている様な気分だった。


執り行われる俺の葬式。

まぁ頭パッカーンは事実だったらしく、来てくれた人たちには見えない様になっていた。


参列者の中にはバイク仲間やアニメ仲間、会社の同僚など、思ったよりいろんな人が居るのが見えた。


正確には転生先から覗いている様な感じなので、死んだ実感はやはり薄い。

ま、自分の葬式を見ればなんとなく実感はあるんだけど、それでも薄い。


ふと、参列者の1人に目が止まる。

確か会社の後輩の…サキちゃんじゃない?

なんとなく懐かれてたんだよねぇ。


『私…先輩の事…好きだったんです…』


あぁやっぱなぁ・・・え?


なんだと!!??

そのフラグは知らん!!!!

懐かれてたのは分かるがそこまでてはないと思っていた!!!

ドチクショウ!!!

ちょっと生き返らせろ死神!!!


〜〜〜


そこで目が覚めた。


最悪だ…。

サキちゃんのフラグを回収してなかったのか…てかフラグ立ってたのか…。

もはや見たくもない元の世界を見てしまった…。


辺りはうっすら明るくなっており、日の出直後のやんわりとした光が森の向こうに見えた。


はぁ・・・一気に戻りたくなって来た。

何が悲しくて弓矢持って野宿しないといけないのか…。

こっちの世界じゃ絶対バイクも無いしなぁ…。

良くて…馬とか?

微妙な気がする。


ある程度日が昇るまで頭を抱えて軽いホームシックに陥っていたが、

「異世界ならハーレムもあり得る」

とゆう下らない最終着地点を見定めて、無理矢理自分を納得させた。


いけるか?異世界ハーレム?

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