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[中止中]伯爵の次男に転生したけど旅に出ます。  作者: 椎茸 霞
「長いチュートリアルは面倒だと思う」
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二人の手合わせ/シスターの視点

この方は恐らく、私が出会ったどの人間よりも、どの亜人種よりも強いです。


それに、

さっきからコレだけ私は攻撃しているのに、彼からはいっさい害意を感じない。

まさか…本当に敵意がないというのですか?


アレだけ攻撃されているのに?

少しも報復の意思がない?


そんな人間が居るんですか?

考えられません。


〜〜


腑に落ちません。


全くもって腑に落ちません。


確実に、そこらへんの人間なら千切れるか潰れるか…少なくとも頭蓋が陥没するくらいには本気だったのですが…。


この蹴りが全く効いていないどころか…わ、私の下着をまじまじと見るほどの余裕…。


そこから全く殺意のこもっていない手刀。

気が散っていたので、避けるのがギリギリになってしまいましたが…その次に来た掌底。


そこで初めて、過去最大音量で脳内が警鐘を鳴らして来ました。


なんとか掌底は防ぎましたが、それでも通常ならまずありえないほどに身体が後ろに飛ばされました。

あの威力…本人からは敵意も殺意も感じないのに。

今までにないダメージですし。


今も適当に手首をプラプラと…。


それより、さっきの警鐘…としか言いようのないあの感覚はいったい?

魔獣との戦闘でも感じた事のない…


・「危機感知」3


スキルが…増えている?!

それに…あの一回でスキルレベルが3に?!

本来スキルは順当に1から成長していくものなのに…。

それに「危機を感知しよう」と周囲を警戒する事がこのスキルを取得する条件です。

正直、音や匂いや空気感でそんなものはいくらでも感じます。

わざわざ自ら感知しようとする必要も無い。


なのに…まさか…無意識のうちに私はヤマトさんから発せられる「危機」を「感知」しようとしていた?


〜〜


不意に勝敗について聞かれましたが、そんなもの死ぬまでに決まっています。


気絶?


可笑しな事を言う方ですね。


そもそも手合わせなんて名ばかりです。

元からそんな生ぬるい事をする気はありません。


この人間の実力が見たい。

それだけです。


それ故に私が死ぬ事になっても悔いはありません。

私を殺す程の人間がギルドに登録しているのなら、近いうちに魔獣は滅び邪神は鳴りを潜めるでしょう。


それに私はヤマトさんからの本気を受け止めたい。

先ほどから…いえ、出会った時から感じるヤマトさんという人間の底の深さ!

今まで出会った人間が私に向けていた意思とは全く異なる「何か」を感じますし、

そもそもこのデタラメ過ぎる身体能力!

防戦一方を自ら進んで行っているヤマトさん…その本気の「攻撃」が見たい!!

それが見られたなら私は死ぬでしょうね。

だってあの蹴りでさえ涼しい顔で耐えていましたし、一発の掌底があの威力です。


まぁ…良いです。

傷を治して頂いた恩があります…。


ですが、

そうなると絶対にヤマトさんは手加減を辞めないですよね…。


あ、そうです。


〜〜


武器の使用を条件にだすと、少し考えた後に了承してきました。


あぁ…これで更にヤマトさんの実力を見ることが出来る…ッ!!!


武器を私が使えば、ヤマトさんは自ずから手加減なんて言っていられなくなりますからね。

ヤマトさんに限らず、相手が殺傷武器を持っていれば油断は出来なくなります。


まぁヤマトさんも武器を持つとゆうデメリットもありますが、

昨日といい一昨日といい、彼は珍しい形の片刃の剣…恐らくジパニアに広く知られる「刀」ですかね?…をよく使っています。


対して私の得手は「手斧」。

魔獣を殺す事のみを追求し、改良に改良を重ねたこの「月黄泉(ツクヨミ)」と「月蝕(げっしょく)」の2本。

どちらも固有スキルが付与(エンチャント)されているくらいですし…犬っころの群れで、ヤマトさんも威力を見ています。


さぁ!

ヤマトさんはどうするんですか…!!!


あれは…「竜甲虫」の尻尾から飛ばされる針?

…まさか、武器ですらないとは。


ですが、そんな事は些細な事です!

ヤマトさんが本気を出してくれるというのなら!!!!

私はそれを受け止めたいのです!!


さぁ私にヤマトさんという個人の実力をーーー


ッ!!??


ヤマトさんがこの距離を一瞬にして…そう本当に一瞬にして詰めてきたかと思うと、

残像がハッキリと見えるスピードで私の腹部に「尾針」を振るいました。


私でも集中してやっと見えるかどうかの速度で行われたその行動。

加えて不可解なのが、寸止めされた事です。


…そう思った直後に「危機感知」の警鐘が一瞬だけ最大音量で鳴り、


ヤマトさんが途方もなく巨大な魔獣をも凌駕する「何か」に見えました。


「ヒッ・・・ぅグ!?」


急に私の内臓が、まるでそこだけ巨大な地震が発生したかのように上下左右前後無造作に動き回り、骨は軋み、肉は千切れるのを必死で耐えようとしました。


当たっていないのに…?


まさか・・・風圧?

いや、まさか…それだけで私の身体がこうも言う事を聞かなくなると言うんですか?


到底理解できない力。

一騎当千を容易く行うであろう力。


何故…何故ヤマトさんが1番驚いた表情をしているんですか…?


戦いの中で生きていた私が反応できない速度で繰り出された攻撃(?)は、児戯も同然であるかの様に私の意識を刈り取っていった。


この子偶に支離滅裂ですが「戦闘狂」であるので文字通り狂っています


既に過去話について考えがまとまってるキャラでもあるくらいには気に入っているので邪険にはしないであげて下さいwwww


てか、そろそろ普通のヒロインみたいな子を出したいです…

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