移動の手段
ギルドで依頼受注できました。
裏技…とゆうほどでは無いんだけど、問題なく受注したわけですよ。
アニスが受注した依頼の同伴者としてならギルド登録があるとゆう確認だけで「パーティー」として手続きができたのだ。
主な手続きはアニスが行うので、俺はそばで立ってるだけで無問題でした。
「ま、簡単な依頼だし問題無いでしょう。
ウチはランク2だけど兄さんはランク1だし、こんな依頼なら旅の指標にもなるんじゃないかな?」
アニスと相談し、受注した依頼は「カダルファへの手紙の配達」だ。
「カダルファ」は「キャメリア」から馬車で4日程の場所にある港町との事。
馬車で4日って…歩いてどれくらいだ?
てか馬車って1日どれくらい移動できるんだ?
まぁだいたい5〜6日では着くかな?
結構ザツな考えだけど。
「キャメリア」の運河を辿って船での移動も考えたのだが、
この運河は「カダルファ」には続いていないとの事で移動は歩きだ。
「一応、キャメリアとカダルファの間に「アルマナ」とゆう町がありるので、そこで旅の物資の補給ができると思うよ。
まぁ途中で魔獣は出るだろうけど…兄さんなら問題ないよね?」
アニスの笑顔が微妙に怖い。
まぁその理由も何となくわかります。
「ビスマルク武具店」で武器を購入したその夜、改めて能力の確認をしようと自分のステータスを見たところ…
・「大剣」10
・「長槍」10
・「ランス」10
・「戦斧」10
・「棍棒」10
・「双剣」10
・「双棍」10
・「ハンマー」10
とゆう項目が増えていた…。
つまり、武具店で軽く振ったり構えたりしてみた武器だ。
気付いた時はハッとしたが、まさか「電子遊戯感覚」の追加項目「スキル習得率増大」の効果…なのか?
増大にも程がある…。
アニスには依頼受注の時にバレた。
「反則どころか狂ってる」と言われました。
ちなみに確認のために、灯りを消した状態で本を読んでみたところ「暗視」スキルが増えた…。
即効性があるね…。
「まぁアニスもレイラも戦闘スキル無いからね…」
「どこかの反則兄さんと違ってね?」
苦し紛れに言ってみたが、ブーメランだった。
いや、戦闘スキルあるからって実戦経験は無いんですけど…。
〜〜〜
ギルドからの帰りにまた焼き鳥を買った。
アニスが言うにはカダルファには無いかもしれないとの事だったので、何となく買ってしまったのだが。
ちなみに、この世界では15歳で成人扱いとの事だったが飲酒は14から可能だった。
正確には「14歳」「16歳」「18歳」毎に飲める酒が増えるのだとか。
「14歳」だとチューハイに近い…と言うかほぼジュースなお酒。
「16歳」でビールは飲めるらしい。
「18歳」以上は制限が無くなりアルコール度数高めの物も飲めるのだとか。
20歳以下の飲酒を完全禁止していた世界出身からすると「14歳で飲酒可能なのか!?」と驚きはしたが、
正直中身は20後半に差し掛かっていますので少し得した気分だ。
まぁ現状チューハイ的なのしか飲めないが。
カトリーンさんにも焼き鳥を5本ほどお土産で購入し、帰宅時に渡した。
何かご馳走すると以前言っていたんだが、まさか焼き鳥5本でOKになるとは。
「いや、ご馳走してくれるって言ってたけどまさか鶏肉だとは…」
と眼を輝かせていた。
「一生大事にするよ、少年!!」
いや食べてくれ。
腐るから。
〜〜〜
出発は明日の夜中となった。
なぜ夜中かと言うと、単純にレイラの外出時間が故だ。
カトリーンさんの采配でかなり例外的に亜人奴隷を止めて貰ってるわけで、
レイラの外出は夜中か明け方という事になっているからだ。
他の宿泊客に見られて問題になったらマズイからな。
「おおっぴらには言えないけど、あんまり奴隷制度って好きじゃなくてね」
とはカトリーンさんが言っていた言葉だ。
その為か、レイラの分の宿泊代も受け取ら無いのだが、食事は用意してくれている。
外出時間の限られるレイラの為に、わざわざ料理を部屋に持ってきてくれる。
さすがにそこまでして貰うと申し訳ないので「せめて」と料理代は払っている。
言っても一食2銅貨くらいだ。
「どっかの貴族様なら馬車とか持ってないの?」
「持ってないよ。「騎乗」スキルはあるけど、馬車とは違うでしょ」
「…そうなの?」
「…え?」
「だって馬車も含めて乗り物全般を操れるのが「騎乗」でしょ?
馬だけなら「乗馬」スキルだし」
ちょっとまて、初耳だ。
そもそもこの世界観で馬以外に乗り物ってあるのか?
「スキルで「騎乗」があるなら馬車も扱えるんじゃ無いの?
少なくとも馬と地竜、あと竜馬とか1人乗り用はいけるんでしょ?」
地竜と「竜馬」ってなんだ。
てか地竜って「アルキウス」が死んだ一因じゃなかったか?
「正直スキルは持ってたが得意じゃないんだ。薬でレベルは上がってるけど…」
「じゃいけるんじゃない?」
雑かこの猫耳娘!
「兄さん「騎乗」スキルあるなら馬車でも買えばいいじゃない?」
こいつかなりサラッと言ってるけど、
どうなのよそのセリフ。
日常じゃまず聞かないぞ「馬車でも買えばいいじゃない」って。
俺が金持ってる事とスキルレベルがカンストしてるのを知ってて言ってるのが何とも…。
「いや、そもそも馬車なんて何処で買うんだよ…」
「商人市場に行けば売ってるはずだよ?」
おおっと…そんな市場があるのか。
てか、さすがにお金使いすぎじゃないかなぁ…。
今手持ちの金貨は90だし銀貨でも98だよ?
最初150くらい持ってたのに…。
あ、いやギルドに王金貨があるわ…。
その事に気付いた時点で思考が「長期的な旅を考えると馬車は買っておくべきかも知れない」という方に傾いていた。
「それに依頼受注の時は歩きで良いと思ってたけど、さすがに面倒じゃない?」
「確かに…」
「そうそう!それにレイラちゃん!
この国じゃ、亜人はまず宿が取れないし、そう考えると寝床にもなる馬車は必要じゃない?」
こいつ…「商売」スキルでも使って俺に「売り」に来てないか?
「交渉」スキルは…持ってないよな。
やっぱ「商売」スキルからくるオススメ文句か…。
だが、的を得ているし一理ある。
検討は必要かな…。
「分かった分かった。取り敢えずさすがに即決はしない。でも有用性は感じたよ。
その商人市場って何処でやってるんだ?」
〜〜〜
闇市が行われていた場所から少し進むと、キャメリアの中央通りとは違うが、それなりに大きな通りに出る。
そこは主に商人や飲食店の人が素材を買いに来る、いわゆる卸売市場となっていた。
馬車はすぐ見つかった。何せ物がデカイからな…。
「よぉアニス、馬車と馭者のレンタルかい?」
「いや違うよゴルドーナさん。
実はこの人と一緒に旅をする事になってね」
「ゴルドーナ・ストレンダ 48歳 Lv19 人間」
馬車を取り扱っている人もアニスの顔見知りだった。
アニスっめ何気に顔が広いよな。
顔隠してるくせに。
粗方の説明はアニスがしてくれた。
どうやら馬と荷台部分は別売りになるらしい。
「長旅を予定でしたら、こちらなどいかがでしょう。
馬2頭で引くもので、幌が特殊な樹皮、布、革の三重構造で、他より丈夫に作られています。
4輪ですので安定しておりますし、衝撃吸収様にバネが仕込まれた最新式です。
荷台の床は収納空間があるので、ある程度の荷物も積めます。
あとは…あ、そうそう。
この様に椅子を折りたたむことで、更に中を広く出来ますので寝ることも出来て、野営にも使えますね。
ただ、やはりそれなりに高額にはなりますが、どうでしょうか?」
やっべ…ちょっとこれ良いんじゃね?
正直馬車なんて身近じゃないし良く分からないんだが、キャメリアまで乗せてくれた馬車も荷馬車だったから居住性はあまり無かったことも作用して、この馬車は良いと思う…つまり買おうか悩んでます。
それとちょっと驚いたのが、馬車にサスペンションが付いていたことだ。
意外だったな。
まぁ俺が馬車知識皆無だから、知らないだけで元の世界にもあったのかも知れないけど。
一応他の馬車も見てみたが、やはり1番最初にオススメされたものが結構良いものだった様だ。
続いて馬も見せてもらった。
商人への卸売が基本とゆうことで、主に「ライバック種」とゆう馬が揃えられていた。
この「ライバック種」とやらは、乗馬用の馬よりは速度に乏しいものの、かなり悪路でも走破性が高いとの事で商人の基本的な馬車馬として優遇されているらしい。
それより数は少ないが「フラスト種」とゆう舗装された道を得意とする乗馬用の馬も居たが、やはり旅のお供なら「ライバック種」の方が良いらしい。
取り敢えず栗色と灰色の2頭を選んだ時点でハッとしたが、完全に買う流れになっていた。
アニスとゴルドーナさんもノリノリだし…。
〜〜〜
えっと…馬車。購入しました…。
馬車の方は最新式という事もあり35金貨。
馬の方は意外と安く、栗色が32銀貨、灰色が14銀貨だった。
なんか、今まで「経験値薬」を基準に考えてたけど、あの薬が異常に高額だった気がする。
商人市場からは、運転の練習も兼ねて馬車で帰宅した。
いやぁ「騎乗」スキルって本当に乗り物全般なのね…。
感覚で運転するとゆう、元の世界じゃ一発で捕まりそうな行為だったが、思ってた異常に馬車を引く2頭とも言うことを聞いてくれた。
この2頭が優秀という可能性もあるけどな。
あとで名前つけてあげよ。
帰宅時に気付いたが…馬を選んでいたせいだろうか、「鑑定」スキルが追加されてた…。
そんななんでもポンポンスキル追加しちゃダメだと思うんだけど…?




