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旅立ち

作者: 長月李穏

饕餮主宰『言葉選び企画』


花;彼岸花

言葉;電車、青空、飛行機雲

薄汚れた白地に太く青い(ライン)の入った二両編成の車体が田舎の小さな駅に駆け込んでくるのが見える。


ホームに立っていた若い女性は軽く改札口の方に視線を向けるが、何かを諦めたかの様に溜め息を吐いた。


「やっぱり見送りにも来なかったか……」


彼女は小さく呟いたが、誰の耳にも届く前に到着した電車のブレーキ音にかき消されていった。


女性はもう一度ため息を吐くと、彼女の傍らにあったキャスター付きの大きな旅行鞄に手をかけ開いた扉から車内へとその身を滑り込ませる。


ホームにベルが鳴り響き電車の扉が閉まると、車両は静かに動き始めた。

田舎の路線だという事もあるのだろうか?


車内は客の姿も疎らで想像以上に静かだった。


誰もいない向かい合う様な席を見付けると、腰を下ろし窓から見える後方へと流れていく様な風景を眺める事にした。


水色の絵の具を塗ったくった様な深みのない青空をキャンパスに、飛行機雲が長く白い線を描くのが見える。


その視点を下方に向ければ、焔の様な独特な形の赤い花を咲かせた彼岸花が線路を挟む様に整列し揺れていた。


……その時、彼女のポケットに入っていた携帯電話が振るえメールの受信を伝えた。


それは昨夜まで、彼女(娘)が家を出て行く事を反対し口論にまでなっていた母からのメールだった。



[Subject]頑張れ

情熱を持ち決意したのなら貫き通しなさい

そして心身に疲れを感じたら何時でも帰って来なさい

貴女が私の娘だという事は幾つになっても変わらないのですからね




「素直じゃないんだから……」


小さく呟く彼女の頬には、何時の間にか一筋の滴がつたっていた。

短編とはいえ久しぶりに書きました

やはり普段から何かしら書かないと、書き方を忘れてしまいますね

しみじみと思い知らされましたよ


拙い文となってしまった事をお詫びしまして、あとがきに代えさせていただきます

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