雪の君。
雪が降る日には、君のことを思い出す。
大好きだった君のことを。
私のことを好きだと言ってくれた。
私のことが大切だと言ってくれた。
好きだった、本当に。
君といれる時間はとても幸せで、
よく響く低い声が私の名前を呼ぶ度に、
心臓がばくばくと脈を打って、頬が熱くなった。
幸せだった心に、段々と影が落ちた。
いつかは終わってしまうと分かっているのに、
別れを告げられることが怖かった。
君が遠い存在になってしまうことが怖かった。
けれど、別れはいつだって唐突だ。
それは、君と私だって同じこと。
君が褒めてくれた髪はまだ切っていない。
この髪を切ってしまったら、
君との繋がりが切れてしまうと思ったから。
君の声が聞けなくなって、
君への気持ちを忘れようとした頃。
君から一件の連絡がきた。
君からの連絡が来たとき、
私は本当に嬉しかったんだよ。
心の雪が溶けていくみたいに、
少しずつ暖かくなっていって。
でも、それと同時に気づいてしまったの。
君の心がやっぱり私の元には無いことを。
君の心に気づいても、忘れられなかった。
舞い散る雪の中で、今も君のことを想う。
そっと、てのひらの雪にキスをした。
『君にこの気持ちが届きますように』
『忘れられない、諦めきれないよ』
少女の想いは溢れ出す
想いはいつか届くはず
それでは、またいつか