彼が愛される理由、僕が愛されない理由。
彼は愛されていると思う。
ゲームの中の住人の彼には、
親友のように語り合える人も、
悩みを打ち明けることの出来る人もいる。
彼の本当の姿である僕には、
親友のように語り合える人も、
悩みを打ち明けることの出来る人もほぼいない。
それは僕の外見であったり、動作であったり、何かしらの問題があるからだ。
僕は彼が羨ましい。
僕と彼は同じ存在のはずなのに、
そう思う時がある。
僕は好きな子に告白することさえ出来ないのに、
彼は想いを伝えることも、自信ありげに彼女を抱き寄せることだって出来る。
僕は彼が羨ましい。
いつだって、彼は僕に出来ないことをしてみせる。
そして、とてもいい笑顔をするんだ。
僕には出来ない笑顔を、彼は簡単にしてみせる。
けれど、いつか僕も笑える日がくると信じているから。
まだまだ先は長いかもしれないけど、
そんなに簡単なことでもないけれど、
でも、いつか絶対、
彼よりもいい笑顔をしてみせるんだ。
今はまだ、ダメかもしれないけれど。
信じていれば、いつか叶う日が来るはずだから。
僕は、いつか彼と肩を並べてみせる。
その時まで、走り続けてみせる。
「ひとひらの言の葉」の第二作目です!
これはもう一人の自分に追い付こうと頑張る少年の詩です。
少年はきっといつか彼に追い付くことが出来るでしょう。
少年の意思は今もどこかに残っています。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
小説の方も更新頑張ります!