双子の秘密
なんとなく、息抜き。
ねぇ、依頼が来たよ。
今度は女子だよ。
じゃあ、光の番だからね。
ふーん、でもまだ光でも大丈夫だわ。
あのなー、役割分担したのはお前だろ?
ええ、でも可愛いかも知れないし。
これって、もしかして勿体無いかも?
とあたしは思うわ!
いえいえ、僕には間に合ってます。
えーっ、ひかる君、ひかる様、誰か出来たの?
でも、悪いけど私、今日は女の子の日。
だから、お昼一食でお願い。
二食で了解。
……わーった。二食だけど、ハグ付きだかんね!
ハグ付きなら、三食だ!
いーえ、二食にハグ付きよ。
わーった。
今日は誰?
あ・た・し・の親友なのだ!
なら、OKしてもいい?
ダーメ、私があとで痛い目に会っちゃうからね。
「てるてるー! 早く起きなさーい」
「はーい。お母ちゃんおはよー!」
ひかるとひかりを併せてテルと呼ぶのは母者だ。
この人だけが僕達に一歩も引かず、応対してくれる。
そっくりな身長に顔立ち、手の長さに華奢な身体。
違うのは、ひかりが女の子でひかるが男の子という所だけ。
それって、大きな違いだけど僕らには関係無い。
トントントントンと2人で並んで元気よく階段を降りりと、いつもの様に洗面台の取り合いっこが始まる。
それから、僕は少し躊躇しながらセーラー服を着た。
いつもの風景の中、僕は坂道を登っていたら、ぽんっと音が鳴りそうな感じで肩を叩かれた。
「おはよ。ひかり」
「なーに? つばさ。そんなに慌てて、私もびっくりしちゃうわよ」
「あっ、ごっめーん。んで、ひかる君はなんて?」
僕を見る瞳がキラリと光る。
やべーっ、つばさなら俺ってバレても仕方ない。
「あっ、ごめんね。ひかるは昨日、ブン太君の家に寄るって言って帰らなかったから、まだなの。本当にごめんね」
「あっ、そ、そうなんだ。ひかる君、男子にも人気あるから、仕方ないよね」
「つばさっ! あなたは可愛いから、ちゃんとひかるに言っとくね! たぶん、大丈夫だわ」
「えへっ、そ、そうかな? ひかり」
勿論だろう、本人が言ってるのだから……。
1限、2限と簡単に過ぎてから、ひかりとバトンタッチする。
生徒会室には、僕らの他は誰もいない。
会長のひかりしか鍵を開けられ無いからだ。