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手枷をはめ、さらに指も固定されて、指は第一関節までしか動かない。肩と腰も固定されて、椅子の足に両足も固定されて、全く動けない。手枷のはまった両腕は両足の間に入れて、力を抜いていた。黒い金属で目隠しをして、全く光を受け付けていない。口だけは唯一自由で、いつでも自殺はできる。
しばらくして、温かみの無い部屋に、声が響いた。その声に、椅子に座っている人物は一切の反応も見せなかった。
『名を』
短い言葉に、目隠しをされて耳でしか状況を覗うことができない人物はすぐに口を開いた。なかなか素直な反応だった。
「ロリヴァ。性は無い」