ただいるだけ(番外編)
すんごくお久しぶりです。
ちょっと文化祭編で行き詰まったので番外編にとこの話を書き始めたのですが……
なんかこう、途中から番外編っぽくなくなってしまいました……
ー森長家(唯斗の部屋)
視点 明治響
今日は休日。
折角の休みだってなもんで遊びに繰り出すかと言ったらそんなことも無く、唯斗にお呼ばれして唯斗の家に遊びに来ていた。
誘う時の唯斗があまりにもさり気なくな感じだったから『抜き打ち』に敏感な俺は何故かデートのお誘いだと読んでしまった。
少しは考えて選んできた服を部屋の中で持て余しているのは言うまでもない。どう考えても友人の家にゲームしに来る格好じゃないもの。
あーあ、服装から勝手に察して『楽しんでくるのよぉ~♪』なんて言ってくれた母さんに帰ったらなんて言おうかな。
「『UAV online』」
わー、敵がレーダーに映んねぇっ!!
「くそっ」
そう、今俺はゲームの真っ最中なんだけど……。なんでまた唯斗ん家に来てまで俺の持ってるゲームをせねばならんのじゃ。
『あ、テキトーにMW3でもやってて。他のはダメね』じゃねーぞアホ!
久々にMW3に帰って来たはいいがレーダーに敵の誰1人も映んないじゃないか! なにこれハードコア? 荒れすぎ! サプレッサー使いしかいない! 凄い!
とまぁ唯斗の不可解な命令とガチプレイヤーまたはゴミの巣窟と化したこのFPSゲームに俺はだんだん苛立ってきていた。
「なぁ唯斗」
「どうした響?」
唯斗は少し嬉しそうな顔をしている。さっきからずーっとこの顔で俺がゲームをしているのを眺めてた。
闇と化したこのMW3の世界に苦しみ苛立つ俺を笑いたいのなら横槍入れてくるんだろうけど、そんなことはなかった。
唯斗が何を考えてこんなことしてるのかさっぱり分かんない。
「唯斗は何をしたいの?」
「ん~、色々?」
…………。ダメださっぱり分からん。
「ゲームしてる俺を黙って見てて楽しいの?」
「楽しいぞ」
「……。唯斗もやろうよ」
「いや、見てるだけでいい」
「このゲーム家でも出来るし他のやりt」
「ほらマッチ始まるぞ」
唯斗のその言葉に俺は慌てて画面の方を向いた。くそう。
……はぁ、このマッチが終わるまでに次にする問いでも考えなきゃな……。
3分後
…………。
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すッ!!!!!!
あーもう暖まっちゃった!! 俺を暖まらせちゃった!!! 許さない!!!
お遊びの装備はこれでお終いだ!! これでもうお前らには死以外の選択肢は無くなった!! 死ね!!
ふ、ふははははマッチが始ま……
「響、ゲームは終わりな」
不意にゲームを止められた。
俺はこれでもかという怒りを込めて唯斗を睨んだ。
パシャ
「………………んふふ~ありがとう。こいつは宝物になるぞ」
「なっ……!?」
唯斗の方を向いた瞬間、待ってましたとばかりにカメラで撮られてしまった。
「純粋な怒り。それとはまた別の憎い相手を憎むその感じが見たかったんだよ」
「な、何言ってんだお前」
「相手は相当強くてえげつなくて汚くて無駄に連携のとれた連中だったろう?」
「あ、あぁ……」
ゲームとしては合ってるかもしれない戦い方だけどやられた方はたまったもんじゃない面白くない戦い方。
まぁある意味スリルがあって楽しくはあったが、仲間が野良だと楽しむ前に負けて終わる。
すぐ鮮明に思い出せて一瞬どっかに行った怒りが帰ってきた。
「いや~しかし大収穫だなぁコレ」
何とも不機嫌な俺は何ともご機嫌な唯斗に詰め寄った。
「唯斗は良くても俺はよくない。溜まりに溜まったこの怒りをあの糞虫共をギッタンギッタンに潰す事でカタルシスに変えて気持ちよくなる筈だったのに! この怒りはどうすればいいのさ!」
……まぁゲームにマジになっちゃってどうすんのって話ですが。
「そいつは悪かった。是非俺を殴ってくれ」
「……なっ」
俺は一瞬フリーズした。しかしすぐに我にかえった。
「……よぉしよく言った。お望みとあらば俺の鉄拳を食らわせてやろう」
俺は右手でグーを作ってはぁはぁと息を吹きかけた。
「よい味付けだ。素晴らしい」
……なんか調子狂うなぁ。今日の唯斗はおかしすぎるぞ。なんというか気持ち悪い。
「せめてもの情けだ。顔ではなく肩パンにしといてやろう。…………せい!」
ゴン!
俺は力を込めて唯斗の肩を殴った。
なんか堅そうな音がした。実際堅かった。……あれ?
「いったぁぁぁい……」
痛い痛い痛いっ。
なんでこんなに堅くて痛いの!?
「ふむ、響には肩叩きの才能があるな」
「……な、なんでそんなケロッとしてるの……?」
「ふふ、女の子の拳一つ受け止められないようじゃ響の彼氏なんて務まらないだろ?」
唯斗はそんな訳のわからない事を言いながら俺の頭を撫でてきた。
「どうだ? 少しは気も紛れたか?」
「……しらない」
実はよくわからないけどもう怒りなんか無くなってた。
けどなんかしゃくに障るから言わなかった。
それから少し経ち、俺は唯斗のベッドの上で寝転がりながら読書に勤しんでた。
なんだか趣のある内容の本ばっかりで、読んでる主人公の大体に親近感が湧く。
ちょっとフィクション効き過ぎてんなぁとは思うけど突然女の子の世界へ放り込まれたらまぁ色々取り乱すよね……
「ってこれ俺と境遇同じじゃん!?」
「ん? ああそれ? なかなか良いだろ。女の子になった途端に男共から言い寄られてあたふた。取りあえず女の子のように振る舞うが男なんかに言い寄られても嬉しくも何ともない」
「でもなんかこいつレギュラーから昇格しそうだなって男がいるんだけど……」
「そう! 気付かぬ間に芽生えていく恋心! やがて2人は……」
「わーわーわー!! すんごく聞き覚えのある話だけにもう酷いネタバレ!」
身に覚えがありすぎて結末が見えてくる。なんつーことだ。
「ふふふ、いいだろ」
「いいだろって……」
お先が見えてしまったものの読まずにはいられないので読み始めようとしたら、ふと思った事があった。
「よくもまぁこんな滅茶苦茶なジャンルの物語があるなぁ」
「響、知らないだけでその手のジャンルの物語は昔からあるんだぞ。日本にも平安だか鎌倉時代にあったはずだ」
「えぇっ!?」
な、なんと……!
こんな何とも言えないジャンルは昔からあったというのか……! 先人恐るべし。
「……男が女になって男と恋愛だなんて、作者の脳はどうなってんだろう? 元男も何を考えて男が好きになったんだろう」
「おいおい、自分を否定すんな」
「あっ、そうだったね。えへへ」
「まったく。……ふふ」
~少しして~
俺は再び読書に勤しみ始めていた。
唯斗は俺に近い境遇の人達を描いた物語の本をだいぶかき集めていたようで、俺はその本の中の主人公にちょくちょく共感しつつ楽しんでいた。
……せっかく恋人の家にお邪魔してるってのに本読んでるだけなんてやっぱりなんかおかしくね?
なんて思ったけど、そもそも恋人の家で恋人同士がする事ってなんだ?
………………うーん、キスくらい……かな?
「響ぃ~っ」
がばっ
「わっ!?」
突然唯斗に後ろからのし掛かられて俺は見事に唯斗の下敷きになった。
「あぁ、小さい……響だ……」
お、重い……。
流石にこの身体で唯斗を受け止められる訳がない。
「……ゆ、唯斗……どうしたのさ……?」
「……すまん響。禁断症状だ」
「き、禁断症状?」
俺が前にやったアレみたいな?
「今日はな、普段誰にも見せないような、家にいる時のラフな響を見たかったんだ。ゲームをする響、殺意の波動に目覚める響、怒った響、寝転がった響。それらを端から見て普段得られない響成分を補給したかったんだ」
そういう事だったのか……。それより重い……。
「……そ、それで何で唯斗は今俺に覆い被さってるの?」
「我慢できなくなった。一度は耐えて気を紛らわそうと恋愛モノを漁ってたら隠れNTRモノにぶち当たって居ても立ってもいられなくなった」
「自爆ですか……」
「情けない限りだ。抱きしめたくて仕方なくなった」
「嬉しいけど……重いよ唯斗」
胸が全然無くてよかったよ。あったら圧迫されて大変な事になってたもん。
実際どうなるかは知らないけど。
「あ……悪い」
唯斗は俺をそのまま抱き起こし、胡座を掻いてその上に座らせた。
「やっと……やっと恋人らしいことしてくれた……♪」
「お、お前はホントに……。本当に卑怯な奴だな……」
「……? 言ってる意味が分からないよ。それに卑怯なのは唯……あっ」
そういう事か。
唯斗がすぐ俺を良い意味で困らせてくるように、俺も唯斗を知らず知らずの内に困らせてたんだな。
「……ふふっ、お互い様♪」
そう言って後頭部を唯斗の身体に預けると速い鼓動を感じた。
自分の胸に手を当ててみると、俺も唯斗と同じだと分かった。
「ねぇ唯斗」
「な、なんだ?」
いつものペースを崩せている事にほくそ笑みながら唯斗の両手を俺の両手とで合わせた。
「抱き締めてほしいな」
正直、こんな事を言うのは恥ずかしくて堪らない。いつもの俺だったら言わないもの。そもそもおねだりなんてしない。
だから、たぶん俺は今かなりどうかしてる。
「(響にとっては意地悪な事だったのかもしれないな……)」
唯斗はゆっくりと優しく俺を包み、最後には強く抱きしめた。
「響……ごめんな」
なんで唯斗が謝ってきたのか分からなかった。けど、取りあえず許す事にした。
「……気にしてないよ。それより唯斗、分かる?」
「……!」
唯斗の右手を俺の胸の辺りに当てた。すると唯斗の鼓動がさっきより少し速くなった気がした。
「えへへ……俺、今凄くドキドキしてるでしょ。唯斗といるだけなのにこんなに緊張しちゃってる」
「……俺と……同じだな。なんか変だよな」
「うん……♪」
学校にいる時やみんなの前だって恋人っぽい事は沢山している筈なのに、その時とは比べ物にならない程のこの沸々と煮られるような感じ。
こんな気持ちになるって事はやっぱり俺は唯斗の事が好きなんだなぁって……。
「響。お前たまに恐ろしい程に色っぽくなるよな」
「そ、そう?」
色っぽく……。同年代から見ても圧倒的に発育が足りなすぎるこの身体からどうやって引き出すんだそんなもの……。
「ああ……正直どうにかなっちまいそうだ。今すぐにでも手に掛けたいくらいに」
唯斗の鼓動がどんどん激しくなってきている気がする。それもこのままじゃ破裂しちゃうんじゃないかというくらいに。
「……? 手に掛ける?」
不思議と俺もドキドキが加速していた。
俺の知らない何かが起こる前兆のような……良いとも悪いとも取れない予測不能な何かがこれから起きるかもしれないという不安と期待がそうさせているんだと思う。
唯斗の抱き寄せる力が強くなり、俺達はまさに密着する形となった。
「…………」
俺は唯斗の方を向いた。けれど話すことはなかった。
唯斗も俺の横顔をじっと見てるだけで何も話しかけてこなかった。
密着したことによってさっきよりも唯斗の鼓動がよく感じられた。
その鼓動はなんだか荒々しくて、何かと戦っているような、抑え込んでいる反動のような、そんな気がした。
「響、俺達はそろそろ……」
「……?」
「そろそろ一線を超えるべきだと思うか?」
「……!」
一線を超える。
その細かい意味は分からない。でも俺はその言葉の意味をなんとなく分かったような気がした。
そういうのに疎い俺でも多少は唯斗からなら意図を汲む事くらいできる。……こういう雰囲気なら尚更だ。
「……唯斗、俺はどうしたらいいの……?」
「どう思ってるかを教えてくれたらいい」
どう思ってるか……か。
どうすればいいのかはさっぱりだけど……唯斗になら何でもしてあげれると思うし、何でもさせてあげれると思う。
唯斗が言えば……何でも捧げるし、喜んで捧げると思う。
でも……
「そういうのって……上手く言えないけど……初めは大切さとか気持ちとか他にも色々大変だと思うんだ。唯斗がその初めてを今使いたいと思うのなら、俺は喜んで全部あげるよ」
「響……」
★ ★ ★
ー森長家
今日はお昼になっても家に帰らず唯斗の手料理を振る舞ってもらう事になった。
そんで出てきたのは唯斗特製のたまごサンド。きっちり耳も切ってある。
「ふふん、レタスを挟むことによって旨さ倍増だ。葉っぱの癖によくやるだろう」
「コンビニのたまごサンドもたまにレタス入ってるしって言ったらそれまでだけど、このシャキシャキ感は最高にマッチしてますな」
「だろだろ~?」
……さっきの事。唯斗は結局何もしてこなかった。何もしてこなかった癖に何故か少し落ち込んでいるように見える。
元気に見えるから普通の人は気付かないと思うけど、唯斗は確かに少し落ち込んでいる。
俺だって……俺だってさっき唯斗が俺の全てを奪って滅茶苦茶にしてくれたら楽になれたのに……。もう! 唯斗のヘタレ!
……って、唯斗を狼に出来なかった癖に俺も後になってこんなこと考えるもんじゃないな。
「唯斗」
「なんだ?」
「空元気はやめよう」
「響もさっきの事ずっと考えているように見えるぞ」
「……だ、だって……よくわかんないけどずっと残るんだもん……」
「(軽く火をつけちゃったって事になるのかな……)」
寂しがってるって言うのかな? 身体が、心が。唯斗に思いっきり愛されたいって泣いてる気がして仕方ない。
……って、なんでこんな訳わからんこと考えてるんだ俺は。
気を紛らわす為か、俺はたまごサンドをガツガツ頬張って牛乳で流し込んでいた。
「おいおい、ゆっくり食べろよ」
………………。
「……ダメだ」
「へ?」
パンに牛乳。優雅っぽい昼食を全く優雅じゃなくしても気が紛れる事はなかった。
たぶんフラッシュバックとか聞く、映像が頭に飛び込んでくる現状はどんどん強くなってきて俺を苦しめていた。
何かが足りない。枯渇している。補給源はすぐそこ。
俺の我慢は限界にきていた。
ガダッ
俺は椅子の上で膝立ちして横の椅子に座っている唯斗に身体を向けた。
「……?」
唯斗はこちらを向いてキョトンとしていた。
その隙に俺は片手をテーブルに置いてバランスを保ちながら唯斗の唇を奪った。
「……ッ!!」
「んっ……」
唇を重ねるだけではダメだったみたいで、舌を侵入させて唯斗の口の中を貪った。
うっ苦い……。さては唯斗、コーヒーに砂糖も牛乳も入れない派なのか?
「ん……ちゅ……んむ……」
「…………!」
「…………ぷはっ」
散々貪り、息が辛くなってきてやっと離した。
「…………!!?」
唯斗は言葉も全く出ないようで、俺から目を反らした。
ふふ、クールさは何処へやr…………………ッ!!!?? お、おおおおおお俺はなんて事を………………。
「ゆ、唯斗っごごごごごごめんなさい。きゅ、急にこんな……しゅご……あぅ……」
「(……さっきのは響の理性のタガが外れた結果だったのか。す、凄かった……じゃなくて! 今度は混乱してるぞ)」
自分でも分かるくらいにバカになりつつあった俺の頭にポンと手が置かれた。
「……ふぁっ」
頭を撫でられただけなのに、まるで身体中を何かが駆け巡ったかのような感覚が俺を襲った。
でも不快じゃない。逆にとても良い感じ……。なんだろうこれ……。
「……落ち着いたか?」
唯斗の優しい声。俺をなだめるその声はこれまた凄い刺激で、また俺の身体を何かが走った。
こんなの初めて……。
「ゆ、唯斗……あ、あのっ……ひゃうぅっ……! 俺……へん……っ」
俺は唯斗から後ずさる事しかできなかった。
そんな俺に唯斗はすぅっと近づいて……
「~~~~っ!!?」
抱き寄せてきた。
「…………!! …………っ!!」
もう色々と滅茶苦茶だった。
頭だけじゃない。肩からお腹から顔から色々、唯斗に触れてしまった全ての部分から何かが発信されたみたいで……
凄まじい感覚に思わず黄金水な粗相をやらかしそうになった。というよりなりそう。耐えてる。助けて。
唯斗は何も言わずに俺をただ抱きしめていて、その上に頭を撫でてくる。
その度に解き放たれそうな何かを俺は必死で抑える。
親友であり恋人であるからといって見せちゃいけないものだってあるんだもの。
「……ゆ、ぃ……あふぅっ」
「大丈夫だ、安心しろ」
今安心なんてしたら一気に飲まれる。波がそこまで迫ってるのっ。……波? な、なんか母さん的なデジャヴ感が……。
「……くるしい」
「あっ、すまんやりすぎた」
何とか脱却せねばと放ったその一言は唯斗によく効いたみたいで、すぐに解放してくれた。
そして俺の状態は非常によろしくなくて、何かの禁断症状かのように息を荒げていた。
「だ、大丈夫か?」
「……はぁ……はぁ……だいじょ……ぶ。でも……体調がだいぶ悪……みたい」
「大丈夫じゃないじゃないかっ」
「……今日はもう……帰るね……」
まずはここから離れなければ。
と、まだ一緒に居たいんだけど仕方無く放った一言は地獄だか天国だか行きの切符だった。
「よし、それじゃあ届けてってやる。ほら、乗れ」
唯斗はそう言っておんぶの体勢になった。
俺は渋った。多分悪化するから。
「どうしたんだ? まさか歩けないほどに体調が悪くなったのか……?」
唯斗が心底心配そうにそう聞いてきた。
俺は意を決して唯斗に身を委ねた。
「…………っ……!」
唯斗が俺を背負う為に触れている俺の太ももから凄まじい刺激が流れてくる。唯斗の背中に触れている部分からもじわじわくる。
俺は必死で耐えた。
「……ごめんね」
「ん? あぁ、気にするな。今日ダメだった分、今度目一杯遊ぼうな」
「……ぁ……うん♪」
家につき、迎えてくれた母さんは唯斗におんぶされてる俺の状態を見て凄く驚いていた。
『まさかもうしちゃったのかしらぁ?』なんて訳の分からない事を唯斗に聞いていきた。
唯斗は首を横に振り俺をお姫様抱っこして母さんに渡して、最後に俺の頭を撫でて帰って行った。
その後、あろうことか母さんはまだ収まりがつかず抵抗も出来ない俺を散々弄んだ。
最初は酷いとは思ったけど気がついた唯斗と居たときのあの変な感じは消えていて、ちょっとだけ母さんに感謝した。




