北の大地へ 5(終)
あれ? 夏の始まる前に始まったこの北の大地へ編。
終わる頃には夏はとっくに終わってました……。
これはいかん。
ー飛行機の中
視点 明治響
修学旅行最後の日。
本当にあっという間だった。
ホテルを出る際、ホテルの人達のあまりにもオーバーな見送りに流石にリアクションくらいしないとと楽しい事を思い浮かべて笑顔を作って手を振りホテルを後にした。
そしてその後色んな所を観光して回って昼食をとり、その後で空港へ向かって今は大空の旅の途中だ。
うん、こうして振り返ってみると……
いや~修学旅行って良いもんっすねぇ。ポテト食べ放題でしたよ~♪
「ヒビキ、大丈夫?」
ふと、あかりちゃんがそんなことを聞いてきた。
「なにが?」
「いや、なんでもない」
急に引っ込まれると気になる。
「何か俺に聞きたいことでもあったの?」
「いや、大丈夫そうだったから良いんだ」
「……? わかんないよ……」
「ヒビキの彼氏さんの事だよ。今日はまだ会ってないんでしょ?」
「……なっ、そ、そんな俺を唯斗中毒みたいな……」
「ふふ、そうじゃん」
あながち間違ってないかもしれないけど……。参ったなぁ……。
「……もしかして客観的に見て俺って唯斗にゾッコンに見える?」
「実際は彼氏さんの方がヒビキにベッタリなんだろうけど、確かに最近はヒビキの方が良く懐いてるように見えるかも」
「あちゃー……」
本当に参った。
唯斗が俺にベッタリなのは全く問題がない。……むしろそれで良い。
でも俺が唯斗にベッタリなのはあまり良くない。
女のワガママは男を殺すとか言うしね。
俺は唯斗を縛りたくない。
ようは唯斗に頼らなくても大丈夫な彼女になれば良いんだ。出来れば逆に唯斗に頼られるようになることが望ましい。……多分無理だけど。
腐っても俺は元男。恋人を支えたい気持ちは唯斗にだって負けないよ。
「そうそう、向こうで買ったお菓子があるんだけどヒビキも食べる?」
そう言ってあかりちゃんはカバンの中をごそごそし始めた。
「えっ、でもそれってお土産でしょ?」
「あ、いや、忘れたのヒビキ? オレがいられるのは今日まで。残しておく意味もないんだよ」
「なるほど……」
そういえばあかりちゃん……いや、ディザーリィが今の姿でいられるのはこの修学旅行の期間だけだったね……。
「な、なんでヒビキがそんなに落ち込むのさ」
「だってさ、寂しいじゃん……」
「ヒビキ……。……ありがとう」
あかりちゃんはそう言って微笑み掛けてくれた。
目の前の俺と鏡写しみたいな容姿の子は本当に可愛くて……なんというか説明し辛いんだけどお手本にしたいくらいの優しくて美しさも感じられるような笑みだった。
★ ★ ★
ー住宅街
校長の話やら先生の話やらも終わり解散となり、みんなそれぞれの家へ帰っていった。
それは俺達も同じで、今は電車を降りて徒歩で帰宅中だ。
ちなみにディザーリィは目を離している間にどこかへ行ってしまったようだ。
もう夢だけで会った存在じゃない。次からは忘れないぞ。
「唯斗、どうだった? 修学旅行」
「ん? そうだなぁ……。普通?」
「ふーん」
俺は大して驚かなかった。俺も旅行当時はとっても楽しいが終わってしまえばなんか普通に感じてしまったからだ。
きっと唯斗も同じ気持ちなんだろう。そう思ったから大して驚かなかった。
「家に帰ったら明後日からまた学校だ。新天地も良いものだけど、なんだか今は明後日からが楽しみなんだ。響もそうだろ?」
「うん。俺は学校どころか今から家に帰るのが楽しみなんだ。久々に母さん達に会えるから」
「はは、一週間近くしか会ってないのに久々だなんて全く甘えん坊だな響は」
「……ち、違うよっ! 男女比的に博樹が心配なだけだよ」
まぁ俺がいても男女比は1対3なんだけども……。とっさに出た言い訳だから仕方ない。
正直なところ、やっぱりなんだかんだ言って母さん達に会えるのは嬉しい。
「わかってるって。ホント響は恥ずかしがりだな」
や、やっぱり見透かされてる……。
「……しかしまぁ、一週間近く家空けてた訳だから明日は掃除で消えそうだなぁ」
そう言えば唯斗の両親は仕事の都合とか両親2人のプライベートとかでたまにしか帰って来ないんだっけ。
「明日、手伝おうか?」
「いや、大丈夫だ(響ははりきり過ぎちゃうから可哀想だしな)」
「もし俺の事を気にかけてくれているならそれは間違いだ」
なんとなく明日は唯斗と居たい。だから掃除であれなんであれ唯斗と居られるならそれでいい。
それに俺は唯斗の彼女なんだから彼氏である唯斗のお世話くらい出来ないとな。
「響がそう言うなら……(こりゃ今日中に大半を終わらせとかなくちゃな)」
ー明治家(玄関)
唯斗と別れ家に着き、インターホンを押すと程なくしてドタドタと音がして勢いよく扉が開いた。
「響ぃぃぃ!」
「わっ? ちょ、母さん?」
俺は飛び出した母さんに思いっきり抱きしめられた。
「あぁ響、響だわぁ! この数日間、妙に長く辛い闘いだったわぁ~!」
「母さん、苦しい……」
「あらあら、ごめんなさぁい♪ なにしろ響はギューッと抱くのが一番いいんですものぉ~」
相変わらずな母さんに呆れながらもちょっと微笑ましくなっていると、もう2つの足音が聞こえてきた。
「わーいお姉ちゃんだー!」
「……っ!」
母さんに負けず劣らず勢いよく七海は俺に飛び込んできた。
なんとなく予想していたので押し倒されずにすんだ。
なんせここは玄関だもんね。勢いに負けて倒されたらコンクリ一直線だ。
「~♪」
七海は何も言わず、ただただ嬉しそうに俺に引っ付いていた。
俺より背が高いとはいえ七海は小学生で妹だ。やっぱり可愛い。
「おかえり、兄さん」
「おう博樹、ただいま」
なんだか博樹がもの寂しそうにしているような気がした。
「博樹も飛び込んでくる?」
「い、いいよ僕は。そろそろ高校生なんだし」
「そうだな、もうお兄ちゃんからお兄さんって年だもんな」
博樹はまだ俺に甘えたいのを我慢している。年を考えてのこともあるが妹の前ってのもあるんだろう。
やっぱり博樹は可愛いヤツだな。今度母さん達がいない時にでも甘えさせてやらないと。
「ささ、上がりなさい。今日はご馳走よぉ♪」
「な、なんか悪いなぁ……」
「良いのよぉ。我が子の無事を祝うのは当然よぉ♪」
ーリビング
時刻は6時を過ぎた。
台所から聞こえる綺麗な鼻歌と良い匂いに期待が高まる中、俺は七海と博樹の3人でババ抜きをしていた。
「そう言えばお姉ちゃん、スキーはどうだった? 上手く滑れた?」
「兄さんの事だ、きっとあっさり滑れたんでしょ?」
「うーん、いつの間にか滑れてたから分かんないや」
「「(やっぱり)」」
「でも3日目に滑ってる時にどういう訳か体調崩して迷惑掛けちゃったり……」
「「えっ!? 兄さん(お姉ちゃん)が!?」」
2人とも身を乗り出して俺にずいっと近づいてきた。
驚くのも無理もない。なんせ俺は生まれてこの方そうそう体調を崩したことがない。流行り病だって俺を避ける程だったんだ。
そんな俺が体調を崩したと聞けば大事件だろう。
「だ、大丈夫だったの?」
「兄さんも遠征には適わなかったんだね……」
「今ピンピンしてるんだから平気さ。当時は辛いとかそういうのじゃなくて力が出ないって感じだったし。多分博樹の言うとおり遠征で疲れたかはしゃぎすぎたのかも」
辛くないし節々が痛いというわけじゃなかったってことは病気とかじゃないよね、多分。誰にも移らなかったし。……あれ? 移ってないよね……?
学校行ったとき誰も休んでないことを祈ろう……。
「それでね、休憩所みたいな暖かい部屋で横になって休ませてもらってたら唯斗が駆けつけてくれたんだ。そのあと俺が回復するまでずっと寄り添ってくれてたんだよ」
「なんだかロマンチックだねぇ~」
「……おぉ、流石は唯斗さん……」
あの時の嬉しさと安心感と言ったら……。思い出すだけで嬉しくなっちゃうな……。
「…………♪」
「「(お、乙女だ……! なんかすっごく乙女だ……!!)」」
七海からカードを引いた博樹の表情が変わった。
ふふふ、やっぱり唯斗とやるより読みやすいな。
「…………」
「…………!」
博樹は手札の中から一枚だけぴょこんと出っ張らせた。あからさまに怪しい。
な、なんてマネを……。俺は心理戦にめちゃくちゃ弱いんだぞ……。
「どうしたの兄さん。早く引かないとダメだよ」
可愛げのあることしやがって……。
よ、よし! その心理戦、受けて立とうじゃないか!
ふふん、魂胆は見え見え。出っ張ってるのはダミーで他のところにジョーカーがあるんだろ? 少しでも相手にババを引かせる確率を上げる上手い策だ。
だが相手が悪かったな博樹。そのダミー、逆に引かせてもらうぞ。
「残念だったな博樹。俺はこんなしょうもない手に引っかからな……い? な、ななななっ……」
俺はダミーを引いた。引いた筈なんだ。
でも俺の手札にはジョーカーが混じっていた。
「そ、そんな……」
「ありがとう兄さん。これで僕も肩の荷が降りたよ」
「もう、お姉ちゃんったら。せっかく博樹お兄ちゃんに引かせたのに」
「ぐぬぅ……」
左を見やると博樹はにこやかに笑った。くそぅ。
「あっそう言えばお土産は? お姉ちゃん」
「んー……それならー……。あぁ、おやつ系のは近い内に配達されるよ。キーホルダーとかそういうのはご飯を食べ終わった後で持ってくるよ」
「ありがとうお姉ちゃん! だーいすき!」
「う、うん。ありがとう……」
面と向かって大好きなんて言われるとこそばゆいなぁ。やっぱり七海は可愛いや。
「あ、博樹の分もあるからね」
「ありがとう兄さん」
博樹は素直で良い子だなぁ。
「ふふ、でも特別にババなんて引いてあげないからね♪」
「なにを、ババってのは引いてしまうもんなのさ。イヤでも引いてもらうぞ」
ふふん、七海が気を抜いている内に四枚の内二枚を重ねておいた。手札は三枚に見える。これでババを引かせやすくなった。
そしてババと重なった二枚以外の一枚を出っ張らせた。カンペキだ!
「あれ? この出っ張ってるやらしーカードは私への貢ぎ物?」
「……え?」
「よし、ありがたく頂いちゃうねっ」
ま、まずい!
俺は情けなくも出っ張らせたカードに力を入れた。
引かれそうになったカードが止まった。
「ふふ、どうやら抜かれたくないカードみたいだね。えーい!」
「あっ」
そのカードはあっけなく抜かれた。
「お姉ちゃん力よわーい♪」
「な、なんてことだ……」
いくらこの体とはいえ、何歳も年下の七海に負けるなんて……。
「私だってお姉ちゃんの妹だもん。運動神経は良い筈だから今のお姉ちゃんに勝つくらいわけないよ♪」
……俺……我が家で最弱……?
「ふ、ふふん。ならば年の功というモノを見せてやる。経験から生まれる巧みな戦術、とくと味合わせてやろう」
「楽しみー♪」
そう、いくら七海が女性といってもまだ小学生。高校生の俺の方がたぶん頭が良い。
博樹もなんだかんだでまだまだ子供っぽいから気をつければ勝てるだろう。
……勝ったな。
「はい、兄さん」
「……ん」
博樹からカードを引いて手札確認。
一組被ったので捨てる。手札残り二枚。
……あれ? これ七海にジョーカーじゃない方引かれたら終わりじゃない?
(※ 手札がジョーカーだけになっても負ける仕様です)
「隣り合わせの天と地だね、お姉ちゃん」
「うぐ……」
「七海、うまくいけば兄さんの負けだよ」
「うん」
「お、俺は恐れないぞ。どんとこい……!」
「よーし♪」
七海の手が俺の手札へ迫る。
「…………」
七海がフェイントで引こうとする度に手が震えた。
「お姉ちゃん反応が可愛いな~。こうしてるだけで楽し~♪」
「は、早いとこ引いてよっ」
向こうは良いかもだけどこっちは緊張で壊れそうだ。
「じゃあこっち~」
七海がジョーカーを引こうとした。
ふふふ、兄で遊ぶから痛い目をm
「掛かったね。そっちをいただきー♪」
しまっ……
「にゃ、にゃんでそっちぃーっ!」
「可愛いけど慈悲はないよ♪」
俺は見事にお手玉されてジョーカーじゃない方を引かれてしまった。
途端に全身がへなへな~っとなった。
「しょ、そんな……」
「さーて、負けちゃったお姉ちゃんには後で何か言うことを聞いてもらおうかなー」
「……え? な、なんだよそれ?」
これは楽しい楽しいトランプのハズ! そんなギャンブルなんてしたおぼえ無いよ!
「勝者はなんでも後付けでルールを設けられるのー♪」
「そ、そんなムチャクチャな……。そ、そう思うよな、博樹!」
「え……えーと」
最後の良心博樹さん! あんたも勝者ならなんとか言ってくれ!
「博樹お兄ちゃんも何か頼めるんだよ? 同じ勝者なんだし」
「……うーん。じゃあ僕も何か聞いてもらおうかな」
うわーん! 最後の良心がぁー!
「お・ね・え・ちゃ・ん♪」
「……はい」
「何か異論は?」
「……ないです」
どうせ逆らっても無駄なんだ。余計なこと(母さん乱入的な意味で)にならない前に従おう……。
「あらあらぁ~♪ なぁんだか面白い事になってるわねぇ~♪」
ひぃーっ!?
「なによ響ぃ~そんなあからさまに怯えなくてもいいじゃなぁい? それよりご飯の支度が済んだわよぉ。ちょっと早いけど夕飯にしましょ~♪」
「「はーい」」
「……は、はーい」
どうやら余計な事にはならなかったみたい。
俺はほっと胸をなでおろしながら食卓へ向かった。
やっぱりなんだかんだ言っても家って良いよね。
★ ★ ★
ー響の部屋
夜。九時くらいの頃。
風呂を出て少しした後で部屋に戻って荷物の整理などをしていると、なんだか不思議な感覚に襲われた。
窓の外で誰かが呼んでいる……。
そんな気がしたので窓のカーテンを開けてみるとそこにはディザーリィがいた。
「あ、あれ? 錯覚かなぁ……」
訳がわからないが凄く気になるので窓を開けてみることにした。
するとディザーリィらしきものはまるで浮いているかのようにスーッと俺の部屋へ入ってきた。
「ふぅ、やっと気づいてくれた。こんばんは、ヒビキ」
「ディザーリィ……だよね?」
「それ以外に当たる人物っている? ……あ、そういやあかりって存在があったね」
どうやら目の前の俺に似た黒髪の女の子はディザーリィのようだ。
「にしても、ヒビキの部屋って……綺麗というか生活感が無いというか……雑誌でよく見る部屋みたいなサッパリした感じがするね。初めて見たけどとても女の子の部屋とは思えないよ。メルヘンが全く感じられない」
「そんな事言ったって散らかす要因となるモノなんて全然ないし仕方ないじゃん。唯斗が貸してくれた大人な本やDVDはまとめて母さんが捨てちゃったし」
「そ、それは災難だったね……」
実はその件に関しては既に唯斗に謝ってたりする。何故かあっさり許してくれたのが地味に申し訳なかった。
なにかしらの償いはしたいところだけど、この体じゃとても買い直してやれそうにないし今は保留ということにしてる。
「そういえばディザーリィは窓から入ってきたよね? まさか屋根を登ってきたの?」
俺の問いにディザーリィは笑って答えた。
「何言ってるのさ。飛んで入ってくるとこ見てた癖に」
「……うん?」
「自分で言うのもなんだけどオレは摩訶不思議な存在なんだよ? 飛ぶくらい難しいことじゃないよ」
「……あー……うん。深くは考えないよ。そういうものなんだよね」
「そゆこと。といっても飛べるようになったのは響達が下校し始める頃からなんだけどね」
「どうして?」
「響は学校に着いた辺りからオレを一度でも認識した?」
「ううん」
あんまり話が見えてこない。
確かに下校するとき俺に着いてくるんじゃと思ってたら一切見かけなかったけど……。
「調整が始まったんだよ。オレは人に見えてちゃいけない存在だからね。まず普通の人からはオレは見えなくなった。そして世界との深い干渉が無くなって身軽になった。だから多分飛べるようになった」
「難しいなぁ。それって何を意味するの?」
「うーん、簡単に言うならば、消える準備かな」
……あっ、そういえばディザーリィが栗鼠あかりとして存在できるのは今日までだった。
「やっぱり……みんなディザーリィとの思い出を忘れちゃうの?」
「バカだなぁヒビキは。そもそもそこまで誰とも深く関わってないよ。悲しむことなんてない。でもヒビキとヒビキの彼氏さんだけはオレが修学旅行の間存在していたのを覚えていられる。それだけで十分さ」
「やっぱり寂しいもんだね……」
「そう? 元に戻ってもオレはヒビキの夢の中で会えるんだよ? 今回の事でヒビキがオレの事を覚えてくれただけでも大収穫だよ。なんせ毎回毎回会うたんびに思い出させる必要がなくなるからね」
「スミマセン」
ディザーリィは可愛いらしく笑った。
「まぁ気にしないで」
「うん、ありがとう」
ディザーリィは正座しながら宙をくるくると回った。
「ヒビキのお陰で楽しい思い出ができたよ。トモダチと遊ぶってのも久しぶりで新鮮だった。……でもこの期間、ちょっと濃すぎて疲れちゃった。オレはまたヒビキの夢の中でゆっくり休むことにするよ」
「そっか……。じゃあ今日は安らげる夢を見ないとね」
「ちょっと、変なフラグ建ててバイオレンスな夢に飛ばされるとかイヤだからね」
「任せといてよ」
「不安だなぁ」
こうしてディザーリィと談笑しているとだんだん睡魔が迫ってきた。
意しきもだいぶ朦ろうとしてきた。
「もう10時過ぎか。いつものヒビキならとっくに寝ている時間だよ。そろそろ寝ないと」
「ねたらディザーリィ……もういない……まだおはなしする……」
ディザーリィが俺のあたまをなでた。
「ヒビキは良い子。可愛い子。オレももっとお話したい。でもヒビキはオレと違って一応人なんだから眠くなったら寝ないとだめ」
「でも……」
「明日は彼氏さん家に行くんでしょ? だったら備えなきゃ。ね?」
そうだった。
「……ディザーリィ……また出てこれる……?」
「そうだねぇ……。まぁまたテキトーに気が向いたら出てくるよ」
「そっか……」
「ほら、布団に入って」
おれは言われるまま布団へもぐりこんだ。
ディザーリィの方をみると、体がうすくなってるきがした。
「……まだ……いて……」
「ヒビキが寝るまでいるから大丈夫。もし今日夢を見たら、そこで会おう?」
「……うん」
優しく微笑むディザーリィに見られながら、俺は睡魔に身を委ねた……。
ちょっとここで最近の成果ミサイルを
ちなみに作者のの画力はまだ発展途上につきリンクを踏む際は被爆を覚悟してください
http://6605.mitemin.net/i127497/
以前にもあげた表情集です
そして今回はデジタルなパワーを生かしたいわゆる判子絵です
描いていた時は大変テンションが上がっていたのですが、こうして見ると理想の幼女を描くのは険しい道のりであることが分かってしまい泣けます。




