ラヴ・セカンドマス
キマシタワー! キマシタワーは要らんかね?
っとと、今回はキマシ要素は無いようです
でもいつかは女の子どうしのラヴちゅちゅモノとか書いてみたいですね……(おい
それはそうと、最近また文法的なものを変えました。
いままでは改行で合間を表現していたのですが、今回からは★を活用します。
しかし、ほんの少しの合間は改行で表現することがあります。
それと文末にはほぼ句点『。』がつくようになりました。
-森長家(唯斗の部屋)
-視点 明治響
今日はクリスマス。
彼氏彼女の関係がアホみたいにイチャイチャとまるで周りの悲しき人達をあざ笑うかのように見せびらかす聖なる日とは思えないくらいにドロドロした日。
もちろん俺達はそんな見せびらかすだなんてやましい気持ちでこの日を過ごす訳がな……いのかな? まぁ例によってデートするわけで……。
しょ、しょうがないよね! クリスマスなんだもの! 聖なる日にデートするのは恋人の特権ってやつですよ! それに俺も唯斗もそんな汚らしい人間じゃあないし!
「うふ、うふふふふ……。クリスマスに彼女とイチャイチャ……。周りの奴らはぐぬぬのぬ……。さいっこうだよなぁ……」
あかんよぅ……。ワタシの彼氏あかんよぅ……
クールで身も心もイケメンで優等生の唯斗さんは何処へいったのよ……。
「なぁ響、そうは思わないか~?」
「……い、いやぁ、そりゃちょっと不純な考え方じゃないかな……。うん、凄くきたない」
「さすがは響。可愛いだけじゃなく超いい子ちゃん」
そう言って唯斗は俺の頭を撫でてきた。
………………。
「~♪」
「響、平常心を装ってるようだが表と裏があべこべになってるぞ」
…………はっ!? ホントだ!
ふ、ふふふ。別に平常心だし? 喜んでないし?
「ーーーー///」
「(ああ、全然直ってないや♪ なんて素晴らしいんだろう……)」
★ ★ ★
「ねぇ唯斗、そういえば今回は何処行くの?」
遊びに行くとき、いつもならそこら辺ぶらぶらしたりゲーセン行ったりカラオケ行ったりと女の子になる前とあまり変わらない感じ。
月に何回かオシャレな洋服店とか普通のファッションセンターとかで唯斗が色んな服を俺に着せさせ、その中から唯斗が悩みに悩んで厳選した組み合わせを買ってくれたり。
そんでその服で遊園地やらに行ったりって感じだ。
今回はクリスマスだからいつもとは少し違った過ごし方をするかもしれない。
「よし、じゃあ行くか」
「え? ちょ、ちょっとどこ行くの?」
「それを教えたらつまらんだろう」
うーん、確かに……
「うん、わかった。唯斗に任せる」
「ああ、まかせとけ」
なるほどねぇ、知らないってのもいいかもね。
じゃあ俺は唯斗に任せて着いて行きますかな。
『メールがきたよっ! もう……響以外の人と連絡とっちゃやーや!』
……!?
「えふっ! ごほっ! かほごほっ!」
……な、なななっ。それは唯斗の頼みでお遊びで録音した恥ずかしい着メロじゃないか!
「な、なんでそれを使ってるんだ!?」
「ん? ああ、この着メロ? いいだろ~。俺だけの神着メロだぞ」
「いや、それ俺が唯斗に頼まれてお遊びで録ったやつじゃん!? 普通使うかそんなもん!?」
「使う使う。超使うよ」
うわぁ、こりゃあ……
俺はすぐさま唯斗に飛びかかった
「唯斗っ!」
「おうおう、そんなに嬉しいか」
違うよ! どう考えても口調が違うじゃん!
「消せ! 今すぐに! ハリーアップ!」
「え~。そんなアホみたいな事出来ねぇよ~。第一これ録ったの響だぞ~?」
「うぐ……た、確かにそうだけどさ。そこら辺で流れてみろ? 周りの人は『あらら、あの人彼女にあんな恥ずかしい着メロを使うことを強いられているんだ。束縛する人ってやだねぇ』って思われちゃうじゃん」
「大丈夫だ。俺は響以外の女の子と自ら関わることなんてしてないから束縛されても困らない」
「もう! それ流されると恥ずかしいの!」
「いいじゃんか。恥ずかしさに悶える響を見るのもまた一興。やっぱ問題ないぞ?」
「もう! もう! とにかく消して! じゃないと俺、街中なんて歩けないよぉ! …………うぅ」
せっかくの日なのに……
「あわわわ、それは困る。悪かった、消すよ! だからそんな悲しそうな顔すんな」
「本当?」
「ああ、モチロンダトモ! (PCのHDDの中にあるし大丈夫だな。残念だがこれからは使えなさそうだな)」
★ ★ ★
「うぅーん、やっぱり外は寒いなぁ……」
唯斗の家から出ると途端に寒くなった。
クリスマス=デートだと察していた母さんは事前に俺用の服を買ってきてくれたのだが、これがまた少し胸元が見える服でございまして……。俺の身長だと小さい子が背伸びして着ているようにしか見えなくてしかたなかったんだけど、せっかく母さんが用意してくれたんだし着ようって決めたんだが……。
こりゃ風が吹いてたらやばかったな。胸元からつめた~いのが入ってきて凍えていただろう。
「大丈夫か響?」
「……うう、ちょっと寒い。でも大丈夫」
「いや、無理するな。今からお前用の可愛くて暖かいやつを持ってきてやるからな」
そう言って唯斗は家の中へ入っていった
はは、母さん涙目だね。まぁ風邪ひいたら大変だし仕方ないよね
ん? 俺用の服? そんなもんなんで唯斗が持ってるんだ?
★ ★ ★
ー一原商業集中地区
唯斗の持ってきてくれた服はトレンチコート? とか言うヤツで、少しゆったりした着心地のする服だ。名前じゃイマイチ想像がつかないけど、見たら分かるくらいの知名度のアレだよ。
「なんかゆったりしてて暖かくていいねコレ」
「ああ、そのゆったりしたトレンチコートは最近微妙に流行ってるんだ。それに幼女ならゆったりした服が一番だろう」
「うむ、ゆったりした服が幼女に似合うってのは同感だ」
でもさすがに自分が着るとは思わなかったよ
「響はこういうの着るの嫌か?」
「いや、嫌って訳じゃないけど、前はピシッとみせる為にゆったりした服は避けてたからね。なんだか不思議な感じがするんだよね。こういう服着ると」
「あぁ~、そういう服着ると急に女の子っぽくなっちゃうからなぁ、前の響は」
懐かしいなぁ。そうそう、油断して優しい感じの服着ちゃうと女の子っぽく……
「今思えばあの頃から響は可愛かったのかな」
「……げぇ、そりゃないよ」
「ははは、冗談だって。半分」
半分?
★ ★ ★
クリスマスに異性と仲良く外をぶらぶら。女の子の方は彼氏に歩幅を合わせられて配慮されているような気分になって何処かにこやか。
以前では想像するだけで不快な何かがふつふつと溢れてきたもんなのだが今は違う。
……まぁ自分が配慮される側になるとは全くもって思ってなかったのだが。これはこれでと思っている俺が怖い。
ここ数時間、そこらをぶらぶらしたりカラオケに行ったりオサレな喫茶店に行ったり。気付けば時刻は3時頃。
そして今、俺は公園に居た。
「おーい響ぃ~♪ アイス買ってきたぜ~♪」
そう、唯斗はというと俺にアイスを買ってきてくれた。
……べ、別に俺がパシった訳じゃないんだからな!? 唯斗が買ってきてくれるって言ったから甘えただけだからな!?
「ってあれ? アイスは1つ?」
「あたぼうよ! 何故なら……」
何故なら?
「俺と響でこの1つのアイスを仲良くペロペロするからだぁー!」
ええええええ!?
「ゆ、唯斗!? そ、それって……か、かかかかか間接キ……すぅ……?」
あわわわわ、恥ずかしくて言葉になんない!
全くこのアホ唯斗は! ホントろくでもない事を考えるな……///
……う、何恥ずかしがってんだ俺はっ!
「なーに恥ずかしがってんだよ。いつも間接どころか……」
「あーわわわ! わーわーわー! こっぱずかしいわ!」
「(顔赤くしちゃってもう……。超素晴らしいじゃねーか!)」
ここはおっさん公園と違って人も多い。もちろん腐れカップル共も湧いてる。でも……。
「……せ、せっかく唯斗が買ってきてくれたんだ。仕方がないが食べようじゃないか。ふ、2人で……」
うううううううう!!
「(……ぬおぉぉぉぉぉ!? なんつー破壊力だ! なんだか唯斗さん、イジワル系紳士になっちゃいそうだ)」
唯斗は俺の座っているベンチに腰掛けた。
「じゃ、じゃあ食べようか……」
「ん? 何言ってんだ響? 俺は1人で食べるぞ?」
「え!? な!?」
「んー! ペロペロ……うんめー! 冬に食べるアイスもなかなかマーベラス味だなぁ~」
ど、どういう……事だ!?
あぁ~、俺も! 俺も……!
「可哀想だなぁ響は~。アイス、こんな美味いのに~。でも仕方なく食わせるわけにもいかないからなぁ~。(チラッチラッ)」
ぐぬぬぬぬ……! お、俺もっ……! 俺も……!! 俺も!!
「俺も唯斗のアイス食べるぅ~!」
「おわっ!」
俺は無意識に身を乗り出し、小さな舌を出してアイスをペロペロした。
「……!!! (お、俺の目の前で!! 響が!! 舌を出してペロペロ!!! うおおおおお!!!)」
「……あまい♪ ……はれ? もっとあまそうなかおりが……」
「……ひ、響?」
ペロペロペロ
「(な、なななな!!? 俺の口元が響に舐められてる!!? え、エロいッ!! 幸せ!!)」
……はっ!! 俺は一体……!? 目の前には唯斗。なんだか凄く幸せそうな顔をしている……。
「……ゆ、唯斗?」
「あはは……俺はしわ寄せものだぁ……。もう死んでも悔いは残らないぜ……」
しわ寄せもの……?
★ ★ ★
時刻は6時手前頃。辺りはもう真っ暗だ。
公園を出てから唯斗はずっと俺をおんぶしている。
なんか唯斗からおんぶさせてくれと頼まれたからこうして唯斗におんぶされているのだ。
俺としては嬉し恥ずかしの不思議な感覚なんだが……。それと唯斗はこんなにおぶってて大丈夫なんだろうか。
「(この抑えきれるか分からない爆発寸前の感情は常に響に触れていねぇと収まんねえ……)」
それにしても唯斗はなんでこっちの方(学校の方)に向かってるんだろう?
「唯斗?」
「へへへ……。ん? なんだぁ響ぃ?」
突っ込まないぞ。もう突っ込まないぞ。
「こっちは学校だよね。というかもうほぼ学校の敷地内だよね。なんか用事あったっけ?」
「……ん、まぁな。すぐに分かるさ」
「……?」
それから程なくして唯斗が波頼高校の丘エリアへの階段を登り始めた時、俺はようやく気付いた。
……そう、前のクリスマスに来た時にはまだ彼氏彼女の関係にはなってなかったっけな。
「唯斗……」
「…………」
俺が声を掛けても唯斗は何も言って来なかった。ただ、小さく笑っていることしか俺には分からなかった。
唯斗は丘エリアの手すりの近くのベンチに俺を座らせると、トイレに行くと言って何処かへ行ってしまった。
「前も……去年もここに来たっけ……」
程よい高さの丘から見える一原の夜景は相も変わらずとても綺麗だった。下から優しく吹いてくる少し冷たい風は俺の心の何処かを寂しくさせた。
やっぱり、1人はイヤだ。
「いつも通りだったけど、今日はスッゴく楽しかったな……」
俺はそう呟いてベンチの上で仰向けになり、静かに目を閉じた。そして両手をなだらか過ぎる胸の前で閉じた。
さしずめ、眠り姫といった感じかな。
……やばい、超恥ずかしい。
少しすると靴の音が近づいてきて、唯斗が来た事が分かった。
俺は目を閉じたまま寝たフリをかますことにした。
「…………」
すると小さな鼻息が俺の顔に掛かり、唯斗の顔がすぐそこまで近付いてくるのが分かった。
俺は抵抗せずに従った。
「…………」
唯斗の顔が離れていくのを感じると、俺はゆっくり体を起こした。
唯斗の方を見た。唯斗は少し慌てているような表情を見せた。
「……す、すまん。つい……」
「……なにがすまん?」
ちょっと困らせてやろうととぼけてみせた。
「あ、いや……その……。凄く可愛くて……」
「……それで?」
「……ほら、その……チューしちゃって……」
唯斗が想像以上の反応を見せてくれたもんだから言わせた俺までもが恥ずかしくなっちゃうじゃないか……。
「す、素直でよろしい」
ああもう! ほら、顔が熱くなってきちゃったじゃないか!
「……響、覚えてるか?」
「……うん、去年の事だろ?」
「……覚えていてくれたんだな」
「あ、当たり前だろ?」
そう簡単に忘れたりはしないさ。
「今日のデートで感ずいていたとは思うが、今回のデートは去年の再現デートだ」
特に凄いところに行くわけでもない、ただ2人で歩くだけのデート。うん、去年と同じだ。でも、それを覚えていたから今日はなんだか凄く楽しかった。
「だ、だから俺は今からすることは分かるな……?」
俺は黙って頷いた。
俺、もしかしたら学校の方へ向かってる時点で薄ら気付いていたのかもしれない。
だって、今凄く期待してるんだもん。
「響、俺は響が好きだ。大好きだ」
「うん」
だって、こんなに嬉しそうに返事するんだもん。
「元男なんて関係ない。それすらひっくるめて大好きなんだもの」
「うん」
だって……。
「女の苦手な俺が、女の心をすぐ探ってしまう俺が、唯一心を開けるのは響だけなんだもの」
「うん」
だって…………。
「……響は、俺の事どう思ってる? 好きか? 嫌いか?」
「うん! 大好きだよ、唯斗っ! ずっとずっと、ずぅぅぅぅっと大好きだよっ!」
だって、こんなに唯斗が好きなんだもん!
「……そうか、そうか。……好きで居てくれるんだな……ありがとう」
唯斗はすぅっと近付いてきて、俺を優しく包み込んだ。
俺も両手いっぱいに唯斗を包んだ。
★ ★ ★
-住宅街
時刻はもう7時手前。
俺は唯斗におんぶされながら帰っていた。
「あはは、暗いな」
「ああ、だがたまにはこんな時間に外にいるのもいいもんだろう?」
「うん、嫌いじゃない。でも……」
「でも?」
「お腹すいた」
「……ふふ、俺もだ」
俺達は去年と違い和やかな雰囲気に包まれていた。でも、それでもこの時間が俺達には愛おしかった。
俺は唯斗にいつもより強く掴まり、唯斗はゆっくり歩いていた。
そして、俺達を今の関係にしてくれたありがたい公園の門が見えた。
「この公園には感謝してもしたりないな」
「ああ、今の俺と響の関係はこの公園があったからだもんな。あ、寄ってくか?」
「いいや、大丈夫だ。それより俺は早く唯斗の手作り料理が食べたいな♪」
「ほほぅ、美代さんが聞いたら大変だな」
「いいのいいの! それにクリスマスは彼氏さんと過ごす日なんだもん」
「はは、今の台詞、去年のお前に聞かせてやりたいよ」
「……えへへ」
俺達は公園に向かって合掌したのち、再び帰路についた。
☆下らない悩み☆
ガチャ
「おじゃましまーす。えーこほん、お前の彼女がさんじょーしたよん♪(はぁ、唯斗の家に来たとき毎回これをやらにゃならんとは……)」
「おーうよくきたマイハニー!! 俺の悩みを聞いてくれろー!!」
「ど、どうしたの悩みって」
「まずはこの画面を見てくれ!」
「んー……? これってぎゃるげーなるもの?」
「そうだ。今回はZも18も付かない15のギャルゲなるものだ(まぁエロゲの『ゴト』シーンオールカット版なんだがな)」
「それでどうかしたの?」
「これな? 響にはエロゲよりギャルゲをやらせようと思って俺が買ってきたんだ。それでテストプレイをしていた訳だが」
「(そもそもぎゃるげーは彼女にやらせるものなのか?)」
「俺は気付いたんだ。この世の理不尽さに!」
「う、うん。え?」
「見てくれ画面に映る乙女達を!」
「……うーん、自分が言うのもなんだけど日本の学校でこんなに髪色のバリエーションがある所って普通無いよね。緑とか青とかピンクとか。……俺の髪もそうか」
「純粋というか天然な響に聞くのが間違いだったか……。それじゃあ見たまえ響! 彼女達の胸を!」
「……凄いよねー。こんなの豊胸手術でも受けなきゃなれないよ」
「そう! あり得ないのだ! ……まぁ二次元にリアルを求めるのは間違っているが。それでもこの胸のラインアップはおかしい! 少なくともD以上、やばいのでF、それら全てを凌駕するG……。おかしいだろ! なんでこんなにでけぇんだよ!」
「需要があるからじゃないかな(唯斗、テンションがおかしいな)」
「それを言ったら響さん……あかんでしょ……。ああ、なんでどいつもこいつもきょぬー教なんだ……」
「唯斗……どうしたっていうの……」




