恋日常
案外携帯がなくても生きていけている今日この頃。PC様様ですね
最近、今回のような日常回(いつも日常回なんですが……)のサブタイなかなか決まりません
ちなみに今回はちょっとイチャラブがあるのでこんな名前です
「またですか」
「……そうみたい」
何が『また』なのか、それは俺が授業中にディザーリィに会いに来るという事だ。これがまぁしょっちゅうあって、事ある毎にディザーリィに軽く説教を食らったりしている
そしてここに来るのっていい感じに数学の時ばっかりなんだよね
「数学、苦手なの?」
「別に苦手って訳じゃないよ。計算自体は楽勝」
「じゃあ何故に?」
「公式覚えるのがなかなかしんどくて……」
「なるほどねぇ。オレ、数学は結構得意だったから今響が受けてる授業の内容、教えられるよ?」
ディザーリィって数学得意だったんだ。言われてみれば数学に限らずどの教科も得意そうな雰囲気を出してるねディザーリィって
と言うか俺の今受けてる授業の内容が解るって事はディザーリィって結構年上?
「今更気付いた?」
「って、俺の考えてる事読めるの?」
「読めるもなにもここは一応響の頭の中だよ?」
そうだった……
「響の考えてる通りオレは響より年上。しかも……ん? 年齢忘れちゃった。まぁ成人はしてたんだよ」
へぇ、ディザーリィって大人だったんだ。まぁ確かにどこか大人っぽい感じはしてたけど
「取り合えず勉強しよう勉強。本当は起きて授業を受けた方がいいんだろうけど……まあいいや。マンツーマンなら身に付くでしょ?」
「うん、それじゃあお願いしようかな」
「これがホントの睡眠学習って奴だね。みんな驚くよ~? ふふっ♪」
―波頼高校
―2年E組教室
―10時40分
視点 三人称
キーンコーンカーンコーン
授業の終わりを知らせるチャイムは学校中に鳴り響き、静かだった廊下からはガタガタと椅子を動かす音が聴こえてきた。授業の終わりの挨拶だ
そして当然ながらこのクラスでもその挨拶が行われようとしていた
「おっと、もう終わりか。それじゃあ高橋号令頼む」
「起立、r」
「待った! まだ起きてないフトドキモノがいるぞ」
竹中は窓際の優等生……の1つ前の席まできて、そこで気持ち良さそうに眠っているフトドキモノの様子を見た
「……の成分が……で大きさが……」
そのフトドキモノの寝言はクラスを和ませた
「「(ああ、ヤバすぎるよ響ちゃん……)」」
「辛うじて俺の授業は受けていた……のか? だけど寝ていた事には変わりないな。誰か寝ている明治を驚かせる事が出来る奴はいなあか?」
「私めが!」
待ってましたとばかりに立ち上がったのは藤崎だった
しかし竹中は首を横に振った
「お前は駄目だ」
「そんなぁ~」
「森長、なにかいい案はないか?」
「ありますよ、一応。実は響は女性に弱いんです。不本意ですけどこの中の女性の誰かが響にベッタリくっつけば響もびっくりして起きるんじゃないでしょうか?」
唯斗のその発言の瞬間、このクラス中の女子がざわついた
その瞬間から女子達の思考は『先生はどんな起こし方をするのかな?』から『どんな起こし(抱きつき)方が一番良いかな?』に切り替わった。自分で起こす気満々である
「……なるほどな。それじゃあ誰か明治を起こしてくれる女s」
「「はい!」」
「……ちょっと多すぎるな。2人一組に分かれてジャンケン。勝った奴らでまた分かれてジャンケン。わかったか?」
竹中の指示を理解するやいなや女子達は我先にと組を作りジャンケンを始めていった
勝った者の喜びの舞、負けた者の悲痛な叫び。その壮絶なる光景を見ている男性陣は唖然としているだけだった
「いーなぁ女子はー。なぁ高橋」
「仕方ないさ。明治は女の子であって1人の男の彼女でもあるんだ。俺達が触れていいシロモノじゃあない」
「高橋の発言は正しい。だが俺は藤崎と同じ気持ちだ」
「流石は陸手リア。転校数ヵ月にして『myエンジェル響ちゃんクラブ』副会長の座に着いただけあるぜ」
「……ネーミング酷いな」
「これまた高橋の言っている事は正しい。こう正すべきだ。『myワイフ響ちゃんクラブ』ってな。あとリア付けんな」
「嫁すっ飛ばして妻ですか。せっかちだな」
「流石にキモいと思う」
「藤崎にだけはキモいなんて言われたくねぇよ」
虚しい3人がベラベラと話している内に壮絶なるジャンケンも終わり、1人の女賢者が選ばれた
「それじゃ藤矢、どーんとおどかしてやれ」
「はい♪(ドキドキ……)」
「なるほど藤矢さんか。やや金髪に白銀髪。良い組み合わせじゃないか」
いいな~いいな~と周りに言われながら藤矢は響に寄った。そして身を屈めて響の顔を覗き込んだ
「……すー……すー……」
「……ごくり(な、なんだかしてはいけない事をしているみたいです……!)」
そして耳元に口を近付け、ふぅっと息を吹きかけた
「……んみぅ……」
くすぐっいようなもどかしいような声を漏らす響にクラスメイトやEクラスの出入口付近にいた生徒の脳内はカオスと化した
「「(これはあかん!)」」
そして藤矢は響をギュッと抱き締めた。藤矢のそこそこある胸(C)に顔ごと埋もれた響はほどなくしてもがき始めた
「むもももも……むもももも……」
「(ぐぬぅ、響に胸を埋めさせていいのは俺だけなのに……)」
すこしして、響は限界にきたのか息が続けるのを阻害する丸い物体を鷲掴みにして藤矢を切り離した
「ぷはぁ! ……はぁ、はぁ、……ふぅ。一体だれ? 俺にいたずらをした、の……は?」
半ボケの響の頭は自分の両手の位置を見た途端、あっという間にショートした
そして男性陣の脳内テンションは最高潮を迎えた
「ご、ごめんなさい!」
口では謝っても響の両手はそこから離れなかった
その時の響の脳は普段のボケっとしている脳とは思えない程にフル活動していた
「(離さないと……でも今離したらこんな出来事は二度と起こらないだろうし、でも女の子同士なんだから成長の確かめ合いを兼ねていつでも揉み合え……だめだ! 俺の胸は成長というものをしらない! 辛うじて膨らみはなくもないけど揉み合える大きさじゃない! じゃあ『揉むと膨らむ』という都市伝説を信じてお互いに成長を促す訓練って事で堂々と……だめだぁ……俺はそんなキャラじゃない……。そもそも女の子の胸を揉むこと自体が出来ない! あれ? じゃあなんで俺は藤矢さんの胸を……? ――――――)」
考えたに考えた末、響は考えるのをやめ、フリーズした
そして揉んだ方の響は何故か顔を真っ赤にし、本来真っ赤になる方の筈の藤矢はというと頬を軽く染めているだけだった
「藤矢、起こせたはいいが頭ごとまた眠らせたら意味がないんじゃないか? それにやり方も純粋無垢な青少年諸君らにはちょっと過激だし」
「ご、ごめんなさいです……」
「「(森長様とキャッキャウフフしたいと考えて響ちゃんになりたいって思った事はあったけど、それと同時に響ちゃんに攻められる為に藤矢さんになりたいって今は思う……。攻めの響ちゃん……。ああ! すばらし過ぎる!! まてよ? 森長様になれば夜には響ちゃんの熱い攻めが――――――)」」
なにやら考えていた女子達も少ししてフリーズした
「す、凄い。響を含む女子達をみんな飛ばすなんて……。流石は帰国子女だぜ……」
皆唖然として声も出なくなり静まり返った教室に唯斗の呟きが漏れた
「(こりゃ挨拶も出来なさそうだな……)」
視点 明治響
お昼になった
12月ともなると昼でも流石に外は寒い為、屋上で食べるのは諦めて温室庭園で弁当を食べる事にした
ここは校内にあるわりと広い部屋(一般的な学校の体育館くらいの広さ)で、季節ごとの綺麗な花からどの季節でも咲く綺麗な花など色々な花が植えてあり、ガラス張りの天井も相まって部屋全体的な見た目は最高。寒くもなく暑くもない人に優しい温度調節の為適当に過ごすにも快適と、結構良いところだ。その為かここを好んで弁当を広げる人も多い
正直知り合いだらけの学校内で唯斗とベタベタするのはアレなんだが、外は寒いし折角施設の豊富な学校なのに教室で食べるのもなんか勿体無い。そんな訳で今回はここで食べるのだよ
まぁ施設うんぬん言ってる癖に屋上で食べるのはなんなんだって話になるけどこの際気にしない方向で
しかしまぁ、アレだね
中学までは普通の学校に通ってた俺が今では校内庭園とかいうトンデモオシャレ施設で彼氏さんとお弁当とはね。こんな未来誰が想像しただろうか……
「どうした響?」
「あ、いや、なんか感慨深い何かがあるなぁって」
「言葉の意味ちゃんと理解して使ってるか?」
「ごめん、適当」
適当に言ったけど多分合ってる……よね?
「それで何が感慨深いって?」
「いやね、正直頭が良いとは言えない俺がこんな超エリート学校に受かってさ。オシャレな空間でカレシと弁当広げてさ。こうなるとは思ってなかっただろうなぁって」
「なるほどなぁ。確かに自分が身体ごと変化するだなんて夢にも思わないもんなぁ。そんでそれまで同性だった奴と付き合うだなんて尚更思わないもんなぁ。まぁその点に関しては俺も同じだがな。……卵頂き!」
「あっ!」
俺が唯斗の話にうんうんと頷いている隙に唯斗は素早く俺の弁当から厚焼き玉子を綺麗に取り、素早く口に放り込んだ
「もっちゃもっちゃ……ごくん。うむ!」
何が『うむ』だと言いそうになったが、満足そうに笑みを浮かべているのを見てやめた
そして俺も自然に笑みをこぼした
「上手くなったな響。80点」
80点……
テストではあまり良い点数を取れない俺に取っては十ニ分十八分とも言える点数だった
「おお! 遂に80点台か!」
「ああ、もうすぐ響は俺を超すかもな」
そうそう、唯斗は料理に関してはメチャメチャ辛口採点で、自分で作ったベスト料理ですら90点を越えないそうだ
つまり唯斗の80点はかなりの高得点。そして90点台を出せば免許皆伝。神という訳だ
「せめてこれだけは女の子らしくないとな……」
そう、どうしても俺は完全な女の子にはなれない。いや、きっとまだ心から女の子になるのを嫌がっているのだろう
だからせめて女の子らしく料理くらいは上手くならないといけない
「何言ってるんだ響。もはや俺はもう今の素の響だって大好きなんだ。無理に女の子らしく振る舞わなくたっていい。俺は今の響が大好きだからな」
「ゆ、唯斗……!」
ありがとう唯斗……
「まぁ人前でがに股歩きと胡座だけは勘弁な? 幼女の……響の黒いパンツがしょっちゅう見えてちゃみんな廊下を前屈みで歩かなくちゃいけなくなるだろ?」
「……まじか、まだがに股になったりしてる?」
「たまーにな。いやぁ、それで気付いたんだが響っていつも黒い下着なんだな」
たまーに……か
もう治してたつもりなんだがなぁ……
☆亡霊さん(仮)とお話☆
「……ん、ここは確か」
「こんばんはーっ!」
「こんばんはディザーリィ」
「寒くなってきたね~」
「うん、この時期は辛いよね……」
「まぁ今のオレは意識的な存在だから寒さも暑さも感じないんだけどね」
「へぇ、なんだか羨ましいなぁ。こっちは寒くて寒くて仕方ないのに」
「ああ、スカートなんて履いてたらそりゃ寒いだろうね」
「そうなんだよね……。制服、下もズボンタイプだったらよかったのに」
「だめ! それだけは絶対にだめ!」
「え、ディザーリィ?」
「スカートはJKのひちゅ、ず品? ……なんだから! ズボンなんて外の道だよ! 乙女の秘密を守る頼りない薄い生地。これは大事! 超大事! 程よく短ければ尚OK!」
「……ディザーリィ?」
「そして寒さに震える白い脚! すれ違う男共にむしゃぶりつかせたくさせるその脚! 冬における女の子の武器はそう、脚だよ!」
「お、俺にはよくわかんないけどそうなのかな?」
「うん、響の彼氏さんはそう思ってるみたいだよ。『寒さに震える響を独り占めしたい~! そんで脚ぺろぺろしたい~!』って。ちなみにオススメの靴下またはニーソの色は黒ね」
「ゆ、ゆゆゆゆ、唯斗が俺の脚を舐めたいって!? ~~~~~~っ!! は、恥ずかしいよぉ……」
「……なかなかな事言ったのに何処か嬉しそうな顔して話すね響は」
「そっ、そんなことっ……!! …………♪」
「こりゃあ相当お母さん達に仕上げられてるな……。お母さん達がうらやmげほっげほっ……」
「……む、ディザーリィってもしかしてそういう感じ(レズ)な人?」
「ち、ちがうよ! オレは正常! たぶん正常! ……あれ、正常?」
「まずいな……。俺の敵がまた1人増えたかも……」
「違うんだよ~! 響はなんかこう、いじめたくなっちゃうんだよ~っ!」
「それ、認めてない?」




