体育祭(?編)
この回…というか体育祭編ですが、まだ完成してないので2部なのか3部なのかそれとも4部なのか判りません
ので、今回はあらかじめ改行含め5000文字分を投稿することにしました
―明治家(玄関)
―視点 明治響
午前7時
ついに体育祭の日がやって来た
今日は早起きしてランニングをして朝風呂も入って絶好調
これはもう勝ちパターン入ったハズ!
「じゃ、頑張ってねぇ♪ 2人を連れて応援に行くからぁ♪」
「お姉ちゃんの勇姿、しっかり見届けに行くねっ」
「兄さん、僕も応援してるよ」
「うん、ありがとうみん……って来るの!? 初めて聞いたんだけど」
「去年は都合が合わなくて行けなかっただけ。今年は運良くみんな行けるのよぉ。向こうに着いてからのサプライズのつもりだったんだけど、それじゃあ響が混乱するって博樹が言うから今言うことにしたのよぉ♪」
な、なんという気配り……。流石は博樹だ、名前負けしない賢さを持っていやがる……。ありがとう……
「に、兄さん? なんで行く前から泣きそうなの?」
「あ、あはは、泣いてなんかないからな? ……い、行ってきまーす!」
別れた身内に振り返ることなく玄関のドアを開け、男は旅立つ!
もはや男でもないし立派な背中でもないが気にしない! 元男は細かい事は気にしないのだ!
ドカッ!
「わぶっ」
「ぬ? どうしたんだ響、突然飛び出して」
なんだ? 何かにぶつかったぞ…?
「って唯斗? えっと、おはよう」
「ああ、おはよう(うっ!?)」
「じゃあ行こっか。……ってなんで回ってるの?」
唯斗は俺から一歩二歩下がり、その場でぐるぐる回り始めた
「いやぁ〜はぁ〜、紳士にはぁ〜色々ぉ〜あるのさぁ〜(昨晩生まれた超絶素晴らしい妄想が妄想の対象である響を見た瞬間に爆発しやがった! なに? なんなのその風呂上がりにちかい血色の良いお肌様は!? あーやっべぇ超やっべぇ、こうやって回転する事でしか紳士エナジーを消費出来ねえ!)」
うわぁ、ポーカーフェイスだったはずの表情がズタズタになってるのが回転しながらもチラチラと見えるよ……
「そんな事してないで行kにょわわわっ!?」
唯斗を置いて歩き始めようとした時、俺は唯斗に回転しながら捕獲されてしまった
「まわれぇ〜まわれぇ〜俺の愛〜。延々と永遠にぃ〜。己の愛を抱きながらぁ〜」
「〜〜〜〜っ!!」
変な唄歌っていないで降ろせぇー!
「紳士ぃ達よ立ち上がれぇ〜。サツがどうしたどんどこど〜ん。タイーホなんてへのかっぱぁ〜。幼女抱いてヘルスピン〜。これこそ真の紳士道ぉ〜」
「め、目が……」
「あぁ、しあわせぇ〜!」
・・・・・・・・・・・・
―午前10時過ぎ
―波頼高校
体育祭はスポーツ祭の時と同じでポイント制の組対抗となっている
今回も上位3位までには景品が用意されている。
3位の組にはZuoカード1000円分という結構嬉しい景品
2位の組には1人ノート20冊分という誰得景品
そして1位の組は『スピンシャープ』5本組とナノダイヤが入っているシャー芯だ。ちなみにHBからBまで30本ずつ全部揃えいるとか
(※『スピンシャープ』とは芯が回って芯の先が尖る事で有名なシャーペンです。ちなみに今回は高い方のスピンシャープが景品です。作者が買った時は確か1050円くらいしました)
俺的には3位の景品が普通に欲しいところだが1位のスピンシャープは300円前後のシャーペンしか使ってない俺にとっては結構嬉しい景品だ
……まぁ、頭の悪い奴の欲しがる物じゃないけど
体育祭が始まってどんどん競技を消化し、少し経った今の状況はこんな感じ
暫定1位B組団
暫定2位E組団
暫定3位C組団
暫定4位A組団
暫定5位D組団
このままだとノート20冊がもれなく押し付けられる
C組に頑張ってもらうかB組に手加減してもらうかしないとヤバい!
「ノート20冊かぁ、うぉぉぉ! なんだかみなぎってきた!」
唯斗はこんなだ
ここに来て唯斗は優等生だって事を忘れていたのを思い知らされたよ
だって最近の唯斗はなんか優等生というより変な人って感じ立ったんだもん
「ねぇ藤崎」
「ん? どうしたの響ちゃん?」
「ノート20冊ってどう思う?」
「……そうだなぁ、再書用のノートが減ってきてたし丁度良いって感じかな。最近オンゲの課金を覚えちゃってノートを買いだめする金がなかったし」
「再書?」
「ん? ああ、再書って言うのは誰かが作った学生御用達の造語だよ。意味は一度授業で書いた内容を綺麗に詳しく丁寧に書き写す事だよ。響ちゃんもしてるでしょ?」
「え? ああ、うん。もちろんしてるよ」
…………藤崎は悪くない、奴はこの高校の生徒として当然の行いをしているだけなんだ。藤崎は悪くない、悪いのは再書をしていない俺の方だ
……ああ、藤崎うぜぇ
「高橋はどう思う?」
「俺? 去年の体育祭で2位だったクラスの奴に1冊分けてもらって書いてみたんだけど、あのノートはかなり書き易かったよ。もしかしたら1位より2位の景品の方がコストが掛かっているかもしれないし、俺的にはノート20冊でも良いかなと思うよ」
さ、流石高橋……
経験を挙げて結論を出すとは……
高橋らしいっちゃらしい回答だったな
「三島さんは?」
「そうねぇ、私なら今年のノートが去年と同じあのノートならちょっと微妙かな」
「……? どうして?」
「あれね、私がいつも使っているノートと同じなの。ストックもいっぱいあるしあんまり景品って感じがしないのよね」
高橋の推測が正しいとすると、三島さん……あなた、わりと裕福なのね……
「藤矢さんはどう思う?」
「私ですか? ……え、えっとぉ……ノーコメントで……はい、なんかすみません……」
「「あっ……」」
社長令嬢の藤矢さんからすればどの景品もカス同然なんですねわかります
みんな察した顔してるよ
……これがブルジョワァか
「で、でもっ、皆さんがこの体育祭をエンジョイできるならそれが私にとって一番の景品ですよっ?」
「「(良い人だ……)」」
……で、アキタ……陸手はどうなんだろ?
あ、なんかすっげぇスタンバっていたっぽい
だって陸手の方向いたら直ぐ様顔向けてきたんだもん。くるんって
ミディアムで! ミディアムでお願アーキタファイヤーもぎゃあああああシュウゥゥ……
……なに頭ん中で下らないパクりネタやってんだろ
「一応聞くけど陸手はどう思う?」
「ウェルダァン?」
「ミディアム! 寧ろレアでお願いします!」
な、なんか考えが繋がっていた!?
「……俺、なんか普通にこの高校に入れたけど勉強はあんまし好きじゃないんだよね。俺の本筋はゲームだし。だからノートもシャーペンも要らない。Zuoカードが一番かな」
おおおおおおお!
この高校にも俺と同じ考えを持った奴が遂に現れた!
「陸手…俺はお前を気に入った!」
「「(な、なんだと!?)」」
「な、なんと!? 時に響ちゃんよ、それはまことか!?」
「うむ、まことじゃて」
「イヤッホゥゥゥゥ!」
「(とことん気に入った! とか言われたら明治に、いやクイーンヒビキーにヒビキー星にでも連れていかれるのかな。……イイ!!)」
「(……羨ましいわね)」
「(残念ながら彼氏は一生俺だがな!)」
「(ずるいです陸手さん)」
「響ちゃん、俺は?」
「藤崎? ……うーん、普通?」
「……。しょうなの……」
「ぶ、ぎょわっははははふふ!!」
唯斗……。そんな馬鹿笑いしちゃってクールは何処へ逝ったの……?
ぐぬぬ……
「(こんな子いたっけ? つか可愛い!)」
「すんすんすん、くんかくんか(超良いにほいだぁ)」
俺は組対抗の綱引きに出場していた。1年枠で
何故かは解らないけど竹中先生が絡んでいると俺は思っている
『明治の体格なら1年のところじゃないとあまりにも可哀想だと冗談半分で無茶苦茶な論を出したらなんか通っちゃってな。まぁ、その体に秘めたそこそこの力で暴れてこい』
って言われたら、ねぇ?
という完全に竹中先生のせいだよねこれ
「ねぇ君」
はぁ、言われたら通り本気出してさっさと勝っちゃいますか……
「ねぇ君」
ツンツン
不意に背中をつつかれた
あ、もしかして俺のこと?
取り合えず振り向いておこう
「……おぉ」
急に固まっちゃった
取り合えずさっきの仕返しに目の前の男子の額をツンツンとつついた
「……はっ、ごめんごめん。つい見とれちゃった」
……なるほど、目の前の幼女が気になって仕方ないから声を掛けたんだな
そして残念1年坊、男であった俺にその台詞は効かないよ。勿論返信はしない
ここは黙りを決め込む
「ねぇ君、名前は?(な、なんか解んないけど可愛い! しゃがみ込んでる女の子に黙って見られるのイイ!)」
そうだ、忘れていたクールモード。復活させよう!
「……明治」
「明治ちゃんって言うんだ。下は?(明治? どっかで聞いたような……)」
初対面でちゃん付け!?
藤崎以外にも居たのか
いや、親しみやすいと見られてると思えばいいんだ
……あれ? クールモードなのに親しみやすいってどうなのよ?
「……響、です」
「響ちゃんか、良い名前だね(明治響、明治響……)。あっ! も、もしかして!?」
なんで『です』なんて付けたんだろう……
いや、逆にクールっぽくて良いかも
「去年波頼に舞い降りた神に愛されし天使、その容姿はとても小柄で愛らしく、白銀の髪を背まで流し、そのエメラルドの瞳は人々を有無を言わさず魅了する。この世界での仮の名を明治響とする超絶美幼女!?」
な、なんぞそれ……
それに神に愛されていたら普通手放さないと思うんだが……。あ、まさか唯斗が言っていた放牧プレイとかいうやつ?
「おーい、もう始まるぞー! 綱握ってろー!」
「やべっ、ま、また話そうねっ」
男子がそう言ったそれと同時に俺は元の向きに戻って精神的なものを集中させた
「よーし始めるぞー! よーい!」
ちょ、ちょっと待って!
まだ集中してるん
ぱん!
ズザザザザ!
「「うおぉぉぉぉ!」」
ぬぉぉぉぉ!
重いぃぃぃぃぃ!
敵強すぎぃ!
どんどん引っ張られていくよぉ……
いやいや諦めちゃだめだ
もっと力を入れな
ぱん!
『おおっとぉ! この熱き綱引きを先に制したのはD組でーす! 尚、同時進行で行われているB組対A組ではいまだに譲らない戦いが繰り広げられられています!』
1年坊の皆様やりまするなぁ……。俺、1年グループに加担して負けたんだよね……。これは泣ける
というかこの実況の声どっかで聞いたような……
「響、お疲れ」
退場門を抜けて水道で手を洗っていると唯斗がタオルを持ってきてくれた
「ん、ありがとう」
「残念だったなぁ」
「うん……。Eはシード枠だから決勝に行きやすくはある筈だったんだけど力及ばずだったよ……」
綱引きはリーグ戦を行わずかっ飛ばしてトーナメントで行われる
まぁこれは体育祭であって綱引き大会じゃないからね
一回戦目はAとB、CとDで行われ、二回戦目はCとDのどちらかとE、そして決勝へ……といった感じ
ちなみに波頼のグラウンドは結構広いから全学年同時進行できる
……ん? とすると唯斗達は?
「唯斗」
「ん? ああ、俺達なら勝ったよ」
「そうなんだ……」
「響」
「……!」
唯斗はしゃがみ込んで俺と目線を合わせた
「俺はな、響と同じ競技に出るのもいいが、響と同じ競技に出ないのもいいと思うんだ」
「……?」
言ってる意味がわからん
「……うん、あれだよ、俺達が違う競技に出るとお互いに応援しあえるだろう?(あああ! フォローしてないし自分で何言ってるかもさっぱりわからん!)」
お互いに応援……
「とにかくだ! 今日は俺を応援するのを頑張ればいい。必ず応えてやるから。もちろん俺も響を全力で応援するから応えてくれよ?」
「う、うん。応援だな? わかった」
「(あ! 『俺はお前の彼氏、お前は俺の彼女。彼女ってのは彼氏の勇士を見届ければそれでいいんだ。お前の分は俺が頑張るから』って言えばよかった。ああもう、今更言えねえよなぁ……)」
紳士は今日も何を思う
という訳で勝手に人の夢に入って質問しちゃおう!
<森長唯斗ことユイトスのQ&A>
Q.結婚するならいつ?
A.嫁確定の人物はいるから今からでもいいぜ!
Q.結婚式の形式は?
A.和式でビシッと厳かにやるのもアリだがやっぱ洋式だな。だって白いハトとかブーケとかカンカン車とか明るいじゃん? 明るいって良いじゃん?
Q.初夜は迎えましたか?
A.……ま、まだです
Q.……え、えと、じゃあいつ迎えたいですか?
A.俺的にはいつでも良いんだけど響は本当にそういう知識が無いからなぁ。ギャルゲ(Rー18)を与えたから多少は解るかもしれないけど、あいつならギャルゲよりゲームに夢中みたいで……はぁ。早くしたい……
Q.随分と性急なんですね
A.し、仕方ないだろう!? 響と初めてキスしてからずーっとずーっと、ずぅーっとそういう事を脳内再生でのみ行っているんだから! アレやソレの種類ばっかりが増えていくんだ!
Q.ち、ちなみにアレやソレの内容とは?
A.口手脇股足胸。響ならどの部位でも既に妄想済みだ
Q.ぜ、前戯は征服欲を満たすものがお好きなようですね……
A.ああ、言われてみればそうかもね。情けないとは思うが俺って結構女々しくてね。響が俺の知らない奴と話してるのを見ると凄く不安というか焦りというかそんな感じのやつを感じちゃうんだ。例え相手が女性でもね。……というか女性と話してる時の方がそう感じちゃうかな
なるほどなるほど
唯斗さんの愛、微妙に伝わりました! ではまたいつか夢の中でお会いしましょう! バイバイ!




