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響さんの日常  作者: ZEXAS
彼氏彼女になってから
49/91

夏祭りデート



今回は恋愛回です

一応キャッキャウフフです


後半は完全に深夜のノリなのでお気をつけ下さい



ちなみに今回はちょっと展開が足りないなぁと感じていますので後編を書く事を考えています






明治家(リビング)

PM5時手前




「〜♪」


俺は今機嫌が良い

今日は近所の神社で祭がある

そこへ唯斗と2人きりで行くんだ

嬉しくて仕方ない


「兄さん、なんだか機嫌良いね」


「えへへ、そう見える?」


「うん、すっごく(女の子してるね)」


わりと鈍感な博樹にすら見抜かれるとは…

そんなに顔に出てたのかなぁ…?


「響ぃ、浴衣着させてあげるから部屋まで来なさぁい」


「はーい」


…実はまだ1人では浴衣に着替えられないんだよね

だから母さんにやってもらう羽目になるのだが…


心配だ…


前回の七五三みたいな着物という件もあって母さんのセンスに任せるのはどうにもこうにも気が進まない

でも俺1人じゃ着替えられないしやっぱり母さん任せとなっちゃうんだよね…


…うん、ちゃんとしたヤツだと期待するしかないね





―明治家(響の部屋)





「はい、完璧よぉ♪」


「うわぁ〜」


凄い!凄くいい!最高だよ母さん!


「響も気に入った?」


「ああ、最高だよ。俺、正直母さんの事馬鹿にしてたよ。ありがとう」


「…なんだか聞き捨てならないような言葉が出た気がするけどまぁいいわ。これなら唯斗君もイチコロね」


うん、確かに俺自身も今鏡の前にいる浴衣姿の女の子にドキドキしてる

これほどの攻撃力なら唯斗も喜んでくれるかな?


ピンポーン


「あら、王子様のご到着ねぇ♪ふふふ♪」


「か、からかわないでよぉ」


「ママが出てくるから階段は焦らずに降りてね。正月みたいに転ばないでね」


「…あれは痛かったよ」




(視点を唯斗氏に移します)




インターホンを押した時からドキドキが止まらない


これはデート。いつもと変わらない2人きりのデートだと心に言い聞かせてるのにこの浮かれようだ。全く我ながら情けない


だけど仕方ないよな?

可愛い可愛い彼女との初お祭りイベントだろ?

夏最大のイベントだろ?

年二回の大イベントよりよっぽど大事なイベントだろ?


落ち着けないのが当然じゃないか!


あんな可愛い彼女をお祭りに連れ回せるなんて最高に最高だろ?


何週間も前から妄想しては何回お腹いっぱいになったことか…


ガチャ


お、美代さんか


「あらぁ、いらっしゃい♪(唯斗君は深い青でビシッと…あれ?なんだか王子様というより旦那様?)」


「どうもこんにちは美代さん。響はいますか?」


「響なら…ちょっと待っててね。見てくるから」


美代さんはそう言うと戻っていった


見てくる?


取り合えず俺は耳を澄ませて会話があったら聴こえるようにした


お?響の声だ!

ああ、いつ聞いてもいい…


「…さん、も、もうちょっとゆっくり…」


「何言ってるの、もう旦那様が見えてるのよ?まだ4段しか降りてないなんて」


旦那様?

もしかして俺の事?

いやぁ参ったなぁ♪


「…そ、そんな事言ったってぇ…。正月の時のトラウマがまだ…」


「…いいから早く…ってあららぁ?」

「わぁぁぁぁ!?」


ガダガダガダガダ!


あちゃー…

大丈夫かなぁ?


ここは駆けつけるべきか?

いや、それは響に恥をかかせる事になる…たぶん


…お、 ついに彼女と彼女の母がやってきたぞ


響は無傷…あれ?

美代さんの方が怪我してない?


というか響がやばい、可愛い過ぎる…


爽やかな水色の浴衣とか凄まじく俺好みだ

紫陽花(あじさい)模様が子供らしさを…あれ?

今回丈はあってるよな?

なのに妙な犯罪臭が…


だがそれでも着物パワーと大人しめ水色パワーのお陰で今日は可愛いより美しさが勝ってるな

装備補正ってホントにすげーな、犯罪臭は漂ってるがな…


「あ、唯斗!」


俺の可愛い可愛い彼女は俺を見るなり抱きついてきた


…非情に嬉しいんだが…その…毎回毎回スタンティングオペレーションしそうで怖いな


「ふふ、なんとか我が子は守りきったわぁ…。2人とも、楽しんでらっしゃい。あまり見せつけないようにね?」


「大丈夫ですか美代さん?」


「大丈夫よ。可愛い響に傷がつかなかった。それだけで私は報われるわぁ♪」


美代さん…あんた本当に娘思いのいい親だよ…


今の美代さんの顔は『無茶しやがって…』の半透明な人にピッタリだよ…


「さ、いってらっしゃい」


「じゃ、行こっか」


「うん。母さん、いってきます」


「いってらっしゃい♪」


こうして俺達は近場の神社へ出発した




・・・・・・・・・・・・



(視点を響さんに移します)


―栗鼠神社

PM5時20分くらい




流石はお祭りだ

至るところに出店出店出店

至るところに人人人

至るところに浴衣浴衣…あれ?浴衣の人あんまりいないね


「…な、なんか俺達目立ってない?」


「響、それは今更過ぎるぞ。来るまでに何人の視線を集めたと思ってるんだ?(俺にも視線が来てたな。やはり浴衣の威力は凄い)」


「…ううう、確かにそうだね…。浴衣で来るのは間違いだったかなぁ…」


「(それ以前に目立つけどな)」


目立つのは諦めよう

それよりせっかく祭に来たんだから何か買いたいな


「…うぬぬ、くじは当たらないからパスだな…」


「ん?どうした?」


「いやさ?せっかく祭に来たんだから何か買いたいな〜って」


「ほう?それで響は何を買いたいんだ?」


買いたい物かぁ

あんま考えてなかったな


「…う〜んそうだなぁ、チョコバナナなんていいんじゃ」

「却下!」


うわっ早っ

確認の為にもう一度


「チョコバナナなんてい」

「却下!」


やっぱり早いな


「チョコバナナ」

「却下!」


「チョコバ」

「却下!」


「チョ」

「却下!却下!却下ァ!」


……………。

どういうことなの


「…あの、却下の理由は?」


「駄目なものは駄目なのだ。俺は断じて許さん(自分の彼女に他人の作ったチョコバナナなど食わせられるものか!響が食べていいのは俺のチョ…でゅふ♪)」


な、なんでニヤけてんの?

クールフェイスがズタズタだよ?


「おっといかんいかん。とにかくだな、お前がチョコバナナを食べるシーンは全米どころか世界中が発狂するくらいにヤバイんだよ。少なくとも想像した俺が既にやばい」


…な、なんちゅう例えだよ…。そんなに食べちゃ駄目なのかよ…


「じゃあ他は何がいいの?わたあめ辺りか?」


「そうだなぁ、わたあめ辺りか。それはそれで俺が(萌え死にしそうで)やばいな(わたあめと女の子。この組合わせはなかなか侮れないんだよなぁ…)」


「そ、そうなのか…」


…全滅か?


たこ焼きやお好み焼きは最初からハズレだとわかってるから行かないけど

やきそば?なにそれ?ああ、キャベツの芯だらけのアレね。ないない


「なぁ響」


唯斗は俺の肩をトントンと叩いてきた


「なに?」


「あれ見ろよ」


「ん?」


唯斗の指指す先にあった出店は正月にも見た幻の出店だった


「「カステラだ」」





―栗鼠神社(本殿付近)




出店が並ぶ道の先には神社お馴染みの石階段があり、それを登りきると栗鼠神社の本殿が見える


この辺りは人も少なくとても静かだ

ゆっくりカステラを食べるのにピッタリな場所…なのかな?


「ねぇ唯斗」


「何だ?」


「この神社って何を祀ってるの?」


「そりゃ栗鼠神社なんだからリスでも祀ってるんじゃないか?」


「なんだか弱そうだね」


「おいおい、一応神様なんだから俺達よりは強いだろ」


「そうかなぁ」


「そうだろ」


そんなくだらない事を話ながらカステラを食べた


「…おお、おいしい」


「だな、出店にしてはうまいな」


うん、出店にしてはおいしいし安かった

これはいいな


しかし喉が渇くなぁ


「…なんだか喉が渇いてきたな」


「え?唯斗も?」


「どうやらここは彼氏らしく動く時だな。ちょっとなんか飲み物でも買ってくるよ。何がいい?」


よし、ここは唯斗の顔を立ててやろう


「唯斗のセンスに任せるよ」


「いいのかい?…でゅふふ」


「い、いいよ。任せるよ」


俺がそう言うと唯斗は立ち上がった


そして俺の頭を撫でてくれた…


「よしよし、ここで良い子で待ってるんだぞ♪」


子供かよ


俺が奴を軽く睨むと奴は何故か満足した顔で行ってしまった


「………」


ちょっと寂しい…かな



〜数分後〜



本殿近くは人が少ない

しかしそれでも人はいるのだが…


…うん、みんなカップルだった


なんだかここで人で座っていると凄く虚しくなってくるよ…


まったく、神聖なる神社でキャイキャイキャイキャイと男女交際ですか?良いご身分ですねまったく

…まぁ人の事を言えた身じゃあないけどさ


早く戻ってこないかなぁ…



〜数分後〜




な、なんなんだあのカップル共!

わりと他の人が見えるような所でチュッチュチュッチュと始めちゃったぞ!?

見せつけてんのか!?

それともチューするのってこれが普通なのか?


…だったら唯斗としてみよう…かな…。えへへ…

ちょっと罰当たりな気がするけどいいよね…?




〜数分後〜




流石に遅くないか?

カップル共も散々見せつけて満足したのか居なくなっちゃったぞ?

あれ?むしろ誰も居ないんだが…

…こ、これはまずいな


なんて考えていたその時、俺の目はあるものを捉えた


「あ、あれって…」


前にも見かけた白い何かだった

…うぬぬ、これは本当にやばいな


カップル共は居なくったんじゃなくて肝試し大会にでも出たのかもしれない


ここにいるといずれカップル共が戻ってきて

『きゃーこわかったょーん』


『よしよし、いいこいいこ』


な展開を見せつけられるに違いない…!

早く本殿から離れねば!


『見付けた』


「ひっ!?」


な、なんだ!?

…あ、あはは、肝試し大会のスタッフさんか

林の奥の見えない辺りで呼び込みとは凝ってるなぁ


…そうだな、暇だしちょっとやってみよう


最近の俺はどんどんヘタレになってる気がするし、ここいらで肝試しならぬ肝訓練といこうじゃないか


『こっちこっち』


「よ、よし…作り物なんか怖くない…怖くない…」


そして俺は声の聞こえる林の方向へ向かっていった



数分後



「…?なんだろう…?」


声の聞こえる方向へずっと進んでいくと開けた場所へ出た


『よし、ここなら誰も来ないな』


「…へ?」


『君は呪われているんだ』


開けた場所へ着くなり俺は謎の声に呪われていると言われた


「…きゃ、きゃーこわーい」


反応してあげないとね…

スタッフさんも可哀想だしね…


『…怖がってないじゃん』


「…ばれた?」


ごめんなさいスタッフさん…。俺は気が利かない子だったようです…


『棒読みで言われてもねぇ』


「…いや、だって今時呪いとかあり得ないし…。そんな事言うのってインチキ霊能者くらいだよ?」


『…それもそうか』


言っといてなんだけど、ますますごめんなさい…

流石に空気が読めなさすぎだよね…


『まぁいい、やっと見つけた事には変わりない』


「…え?何を?」


『お ま え を な』


…お、おう

ノっておこう…


「きゃ、きゃー…」


『…………』


…ごめんなさい

俺、演技とか駄目なんですよ…


『…うん、場所が場所だけにその反応は仕方ないと思うけど…うん。まぁいいや、また今度会おう』


「え?」


謎の声はそう言うとそれっきり何も言わなくなった


「あ…う…ぁ……」


そして俺は何故か意識を失った








―栗鼠神社(本殿付近)



(視点を三人称に移します)




待たせていた場所で倒れているように寝ていた響を見つけた唯斗は慌てて神社の縁側に響を寝かせた


「響」


反応は無かった

だが息はしているようだ


「起きてくれよ」


唯斗は響の頬をむにぃ〜っとした


「柔らけぇ…」


「……。そうか、これはわざとやってるんだな?」


「(…んぅ〜?な…だ?)」


どうやら響は意識を取り戻しつつあるようだ


「だったら王子様のキスが一番だな」


「(…そこ…いるの…唯斗?)」


唯斗は横になっている響にキスした


「(鼻を押さえてみよう)」


ついでに鼻を押さえて息が出来ないようにした


「…んむっ、んっ、んんん〜!?」


「(な、なんだ!?い、息が出来ないぞ!?鼻も口も押さえられてるし、一体誰が…。と、取り合えず暴れておこう!)」


響は足をバタバタと振り回した


「(舌も吸ってみよう)」


ちぅぅぅぅぅ


「(っ!?あああああああ、ダメダメダメぇ…それ、力抜けるよぉ…)」


「(ああー!うめー!)」


突然の攻撃に響は力を奪われた

暴れていた足が止まる


「(し、死ぬ…このままじゃ…死ぬ…まじで…。め、目だけでも開けよう)」


響は目を開ける事に神経を集中させて目をゆっくり開いた


「(あ、起きた?)」


「(…唯斗?)」


「…ふぅ、ごちそーさん」


唯斗が口を離すと響は起き上がって盛大に呼吸した


「んはぁっ!すぅーはぁーすぅーはぁー…。はぁ、はぁ、はぁ…な、にゃにすんだよ!」


「何って…まぁ…その…?目覚めの儀式?」


「目覚めの儀式ぃ?こっちは死ぬところだったんだぞ!?」


「ああ、すまんな、響の唾液がうますぎてつい」


「ど、どういうこと?」


「言わせんなよぉ♪チューして響の舌を吸ったんだよぉ♪」


唯斗のクールフェイスは見事に屈託だらけの笑顔になった

実に紳士である


「…ってまさか…?…した…のか?」


「寝てる響が悪いんだぞ♪」


響は酷く落ち込んだ

寝てる時になどもったいない…と


「どうせなら…。起きてる時にしてくれると嬉しいな…(自分で言っといて凄まじく恥ずかしいな…)」


ドバギュバーン!!


「………!!!」


唯斗は多きなダメージを受けたようだ


がばっ


「…ゆ、唯斗?(あ、あわわわわ…)」


唯斗は思わず響を抱き締めていた

最近こればっかりである


普通だったら押し倒すところだが唯斗は思いっきり抱き締める事でヤバイ欲を浄化しているようだ


もちろん響は嬉しいやら恥ずかしいやらで顔が赤くなった


「響…心配したんだぞ…」


「…唯斗?」


しかし今回はイケメン的な理由で抱き締めているようだった


「…お前が倒れているところを見つけた時、俺は吹き飛びそうだった」


「倒れていた…?」


響は覚えていないようだ


「だから今はギュッとしていたいんだ」


「…うん」


響は少し混乱気味になりながらも、唯斗の背中に腕を回しそれに答えた




数分したらお互いに安心して落ち着いたのか、自然と離れた


2人共機嫌が良さそうだ


「なぁ響、ちょっとぬるくなったかもだけど飲み物飲むか?」


「ああ、もらうよ」


唯斗は響に買ってきた飲み物を手渡した


「れ、練乳?いちご味?」


喉を潤すにはちょっと…な飲み物を渡され、響は唯斗のセンスを疑った


「まぁまぁ、飲んでみ?」


「う、うん」


響は早速ストローを刺し、飲んでみた


「んくっ…んくっ…(うぬぬぅ…渇いた喉にはちょっと優しくないなぁ…)」


響はビミョーという表情をしながらいちご練乳を飲んでいた


「わぁぁぁぁ!!」


「んぐ!?けほっけほけほ!」


突然唯斗に驚かされて響は口を抑えながら咳き込んだ


唯斗は何故かカメラを持っていた


「も〜なんなんだよ〜」


「(今だ!)」


カシャ


「?」


不思議がる響と満足そうな唯斗


「響」


「…ん?」


「口の端から練乳が垂れてるぞ〜(おほぉ、おっほほほほぉ…)」


「ん?あ、ああ」


唯斗が満足するのも無理なかった


女の子から、ましてや彼女の口の端から練乳もとい白い液体が垂れているのだ


唯斗は凄まじいテンションで飛び回った


「イヤッホゥゥゥ!!これでネタには困らないぜぇぇぇ!!」


響は取り合えず持っていたハンカチで口の端を拭いた


今だに何故唯斗が喜んでいるのかわかっていない様子であった


薄い本による性教育だ足りないようである


「…ゆ、唯斗…。唯斗の飲み物ちょうらい…。やっぱり喉が…」


「ふふふ、飲み干すなよ?」


待ってましたとばかりに唯斗は200mlの冷たいお茶を響に渡した


練乳のように紙パックではなくペットボトルなのは確実に間接キスを手に入れる為である


彼のセンスは絶妙だった

…良い意味悪い意味で





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