真夏の日常(前編)
今回は後書きにプチ会話回ではなく短めのお話を用意しております
最近彼女が出来たとかいうヘタレ優等生の下らないお話です
いわゆる小ネタですね
季節は夏のど真ん中
何気に騒がしかった1学期も終わり、恐らく楽しい夏休みが始まった
今回はそんな夏休みの中ダラダラした生活を送るある幼女の日常を見てみよう
まぁいつも見ているが気にしない
―明治家(響の夢の中)
『なぁ響』
『どうしたの唯斗』
『そろそろ俺達、やらないか?』
『え?』
『だからさ、そろそろ…や、ら、な、い、か?』
『…?』
『だからさぁ、子作りしたりにゃんにゃんしたり響をひぃひぃ言わせるような事だよ』
『…こ、子作りって…まさか!?』
『さぁ、レッツ子作り!』
『こ、ここお風呂だぞ!?あれ?なんで唯斗と俺が一緒にお風呂に入ってるの?…いやいやそれはともかく!そ、そのファイナルフォーム状態のソレをしまってくれ!』
『しまう所があーりまっせ〜ん♪それにコレはまだまだ第2形態だぜ?』
『な、なんだって!?俺ですらそんなにならなかったのに…ちくしょう!…じゃなくて!』
『おふふふふ♪』
バタン!(押し倒す音)
『あわわわわ…』
『それでは、いただきまーす!』
『ーーー!!!』
―明治家(響の部屋)
「うわっ!?」
悪夢か何かを見たときの人の様に響はがばっと飛び起きた
パジャマから除く白い肌からは汗がだらだらと出ていて、なんだかとても良いにおいだ
「うわぁ、汗でびしょびしょだ…」
響は取り合えず脇のにおいを嗅いでみた
「(…おお、なかなか良いにおい…。ってなんで?普通汗だくの脇ってやばいにおいなんじゃないの?)」
いやしかし、このにおいもある意味やばいな。病み付きになりそうな程良いにおいという意味で、などと考えながら響は少しの間自分自身の脇のにおいを嗅いでいた
「(はっ!?これじゃ俺はただの変質者だ…。さっさとジャージに着替えよう。…うーん、だけどこのまま着替えるのはなんか嫌だなぁ…)」
そうだ!と何かをひらめいた響はジャージと下着を持って下の階へ降りた
何処へ行ったかは言うまでもない
―明治家(風呂場)
リビングに居た美代に挨拶をしたら寄り道せずに風呂場へ直行
よっぽど汗をかいていたのだろう
「(朝風呂は禿げるとか聞いた気がするけど仕方無いよね。こんな状態で1日過ごしたくないし)」
がふっと衣類を脱ぐ度にとっても素敵なかほりが脱衣所に広がる
全ての衣類を脱ぎさった響は早速浴室に入った
と、数分も経たない内に脱衣所へ侵入する者が2人
美代と七海だ
(博樹君は今日は部活がない為寝てます)
「良いにおいに釣られてきちゃったわぁ♪」
「お母さんも?奇遇だね♪」
「「ふふふふふふ♪」」
どうやら彼氏だけが変態という訳ではないようだ
「今すぐにでも突入したいところだけど…」
2人は顔を見合わせニヤリと笑った
「「まずは衣類チェックから(よぉ)♪」」
これが変態住宅、哀れ響
「お母さん、お姉ちゃんのパンツびしょびしょだよ?」
「あらあらぁ♪ナニをシたんでしょうねぇ?」
「お姉ちゃん…。言ってくれれば私が…」
「はしたないわよ七海。…ふふふ♪」
「そういうお母さんだってぇ。…ふふふ♪」
ただの汗も良いにおいがするだけでここまで視野が広がるようだ
しかしこのパンツ、結構握力のある人が絞れば本当に液体が滴りそうだ
「…お姉ちゃん、やっぱりスポーツブラなんだね…」
「そうなのよぉ、最初はそれでさえ拒んでたから形が悪くなるといけないでしょって叱ったら渋々着けてくれたんだけど…」
「流石に普通のブラは着けてくれなかったんだ」
「あの子にとって最後の砦なのかもねぇ…。こればかりは見守るしかないわぁ…」
本当に心配すべきところはそこなのだろうか?と突っ込みたくなるくらいに2人の論点はずれていた
「チェックも終わったことだしぃ♪」
「ではお母さん」
浴室用の扉の向こうでシャワーを浴びているあの女の子は2人の気配に気付いていないだろう
2人もいつの間にかその柔肌をさらけ出して準備は万端といった感じだ
やるなら今しかない!
「「とつげき〜っ!!」」
ダダダダダ!
ガチャッ
「…ん?か、母さん!?それに七海!?何でここに!?んぁっ!?」
「「揉ませろ〜吸わせろ〜触らせろ〜!」」
「な、何言って…!?ひゃああ!?だ、だめ!!そこ吸わないで!!やあぁぁぁ!2人掛かりなんてズルいっ!りゃ、りゃめっ!!みゃううぅぅい!?」
彼氏も変態、母も妹も変態の哀れな幼女の矯声はしばらく続いた
―明治家
「朝からいい仕事したわぁ〜♪」
「ね〜♪」
ご機嫌な2人に対なるようにぐったりな少女が1人
「(なんで朝から疲れにゃならんのだ…)」
不平の1つでも挙げねばいかんと考えつつすぐに諦める響
それを察知したのか美代はこう言う
「あらあら、ご不満かしらぁ?まだ満足してないのかしらぁ?うふふ♪」
響は2人の視線をプイっとかわした
肩を震わせながら
「(余計な事を言ったらまたオモチャにされる…)」
学習能力はあるようだがまだ甘い
小動物的に震える響を明治家の肉食獣が見逃す筈もない
「(可愛いなぁ…)」
「(可愛いわぁ…)」
「(ひぃっ!?)」
2人が両手を頬に手を当てたら警告サイン
一歩間違えた行動をとれば響が食後のデザートになるのは一目瞭然だ
「(な、なにかっ!なにか俺を気を落ち着かせるものは無いのか!?)」
救いを求めて辺りを見回すその姿を見て何も反応がないはずなく
「(そ、そろそろ…限界)」
「(お姉ちゃん…ああ、お姉ちゃん…)」
「(やべっ!?)」
目が緩み、息が荒くなりだしたら詰みのサイン
下手に時間を掛ければ2人の理性のタガは外れ、下手に行動をとればその場でペロリの理不尽ゾーンだ
「(……ガクガクブルブル)」
絶望色に染まる表情
それは2人の理性をぶっこわすのには十二分だった
「「お風呂、行こっか」」
「(あああああああ!!)」
もうだめだ!おしまいだぁ!とでも言おうとしたその時だった
「おはよー」
神降臨
「博樹ッ!!」
がばっ
「に、兄さん!?」
朝の寝惚けた脳を無理矢理叩き起こす程に響が抱き着いてくる事に動揺した神
「「…ううむ、残念」」
「よかった、よかったぁ」
「よ、よくわかんないけど…兄さんがそれでいいなら…僕もいいよ…///」
まさに天使の笑みが直撃した神はすっかり照れてしまった
「まぁいいわぁ〜」
「「(朝食がディナーに変わっただけだもの♪)」」
今を逃げ切るのに精一杯の響が2人の思想を察知出来る訳もなく、今はただその素敵素敵な笑みをこぼす
うん、彼女がそれで幸せならそれでいい…うん
穏やかな朝食も終わり、美代は買い物へ行き、七海は遊びに、博樹は自室に、響はリビングにいた
「(暇だなぁ〜)」
バイトは休み、博樹以外はお出掛け、ゲームはちょっと今はそんな気分じゃない、勉強なんてもってのほからしい
「(唯斗は今日は用事があるしなぁ…。外は暑いし…。はぁ…)」
暇だそうだ
「にゃんにゃんにゃんにゃんにゃんにゃんにゃんにゃんにゃんにゃんにゃんにゃんにゃんにゃん(へい!へい!)」
「に、兄さん…(か、可愛いなぁ…。って僕は何を…)」
響が声のした方を向く
あっという間に真っ赤になった
「こ、これは…ち、違うんだ!」
何がどう違うのか言ってる本人ですら混乱する有り様である
「(こんな兄さんも結構いい…かも。って僕は何を…)」
「ひ、博樹!」
「どうしたの兄さん?」
響は取り合えず自分の座ってるソファーの空いている場所を指差した
隣に来いという意味だ
博樹はそれに応じて響の隣に座った
「よしよし」
隣に座ってくるなりこれである
本来とは逆の絵図だ
しかし博樹は兄である響に頭を撫でられてご機嫌なようだ
「兄さんの手、ちっちゃくなったね」
博樹は響の手を取り頭から降ろして、今度は博樹が響の頭を撫でた
これが本来の絵図である
「(な、なぜ俺が撫でられているんだ?…ま、まぁ気持ちいいしいっか…)」
本来なら男によしよしされるなど心外らしいのだが、しかし博樹だからと気を許したようだ
ちなみに藤崎が響の頭を撫でようとするとその手が響の頭に触れる前に周りに全力で阻止される
他の男子も同様だが、三島や藤矢を始めとする女子軍は別だったりする
まぁ結構簡単に撫でられちゃうんだよね
仕方ないね
「…博樹…ねむい…」
「兄さん?」
今朝作ったばかりの疲れが取れている筈もなく、力尽きた響は博樹にもたれ掛かった
博樹は響の体そのまま優しく自らの膝に降ろした
いわゆる膝枕である
「(今だけは、兄さんは僕だけの兄さんだ♪)」
兄を独り占め出来る事にとてつもない優越感をおぼえる博樹であったが、博樹もまた日頃の疲れが溜まっているのか強烈な睡魔がやってくる
「ふぁ〜…(…僕も眠くなってきた…)」
下を向けば天使の寝顔
見れば見るほど幸せになれるが、睡魔も一緒にやってくる
「(なんだか勿体無いけどこのまま寝ちゃったら危ないし仕方ないか…)」
博樹は響をお姫様抱っこの形で抱き上げた
「(いくら兄さんとはいえこれは破壊力が…)」
先ほどより近付く寝顔にドキドキしつつ、博樹は響をソファーの上に優しく降ろした
「…ふぅ(じゃあ僕も寝ようかな…)」
博樹は響に薄い生地のバスタオルを掛けるとソファーの隣に座布団を敷いて横になった
響が目覚めるのは午後0時30分過ぎの事だった
疲れも眠気もすっきり取れた響は体を起こすなり辺りを見回した
「あれ?博樹は?」
どうやら弟を探しているようだった
「(確か俺は博樹と一緒に居て……。……あ。博樹には迷惑を掛けたなぁ…)」
ある程度の記憶も回復したところでテーブルの方へ目を向けるとメモ書きらしきものがあった
響はそれを手に取り読んだ
『昼御飯作っといたよ。台所の方に置いておくから勝手に食べてね 博樹』
よくできた弟だった
「お、俺の為に…。あ、ありがとう博樹…うっ…うっ…」
今の姿になった当時の博樹とは思えないツンデレっぷり…いや、元通りになってくれた博樹に響は感涙の涙だった
響はさっそく台所へ行って素敵素敵な弟様が作って下さった素敵素敵な料理を拝見した
「…?肉…かな?」
そこには皿ごとラップに包まれた、キレイにカットされた長方形の肉のソテーがあった
上からみたピアノのような形のもあった
「流石は博樹、芸が細かいな。…こっちの鍋は…おお、豚汁だ」
まだ湯気が上がってるところを見ると作られて1時間も経ってないようだった
「しかしソテーとは豪華だな…」
響は取り合えず博樹の料理を適度に温めて頂く事にした
「…いただきます(1人飯か…。いやいや、だからこそ博樹の料理が独り占め出来るわけで…。寂しくはない…はず…)」
ちょっと寂しさを感じつつ長方形のソテーを口に運んだ
「あむあむ(…ん?この味、この食感…。肉じゃないぞ?)」
肉とは違うさっぱりした美味しさに驚き、ソテーをよーく見た
そして上から見たピアノのような形のソテーを見た瞬間、響は気が付いた
「こ、この形…鰹じゃないか?じゃあこの長方形のやつってまさか…」
博樹の作ったソテーの材料はあまりにもコストの高いものだった
「こ、これ刺身じゃないか!?…お、俺は昼間っからなんて贅沢なものを…」
結局響は『…まぁせっかく博樹が作ってくれたんだし食べるのが勿体無いなんて言うと他の人に横取りされちゃうしいいよね?』と自分に言い聞かせながら焼き刺身をどんどん胃袋へ納めていった
しかし
「(…だけどこれ…下手したら母さんに怒られるよね…)」
食べた後で気付いて後悔するのだった
(後半へ続きます)
『男達の性癖暴露会』
優等生である森長唯斗は実は彼女持ちのとっても充実している人
そんな彼はある悩みを抱えていた
その悩みを聞いてもらうべく、何故か彼女も居ない男3人集(藤崎、高橋、アキタ)を突如森長家へ招いたのだったのだが…
「来てくれたか」
「エリートの中のエリート。森長唯斗の悩みとはどんなものか気になってな」
と高橋
「営みに関しては勘弁な」
と藤崎
「(まだそこまで進展してねーんだよ!)」
唯斗はこぶしを強く握った
「どうせ響ちゃんの事だろう?」
とアキタ
唯斗は何の反論も出来なかった
「…俺な、実はな…」
「「?」」
「…ちょっとこっちに来てくれ」
唯斗が立ち上がり移動を始めた
3人集はそれに着いていく
唯斗が立ち止まった先には本棚があった
小学1年生の教科書から今までの教科書
様々な勉強本が所狭しと並んでいた
周りには家具が無かった
「いいか、これは誰にも言うなよ?もちろん響にもだ」
いつもより真剣な唯斗を前に3人集は唾を飲んだ
唯斗が本棚の前でしゃがみこんだ
なにやら金具の音がする
3人が見守るなか1分以上が経った
「封印は解かれた。アキタ、本棚を横から押してくれ」
「お、おう」
アキタは本棚を横から押してみた
すると本棚は簡単にアキタが押した方向へずれた
本来本棚があった場所の奥には謎の黒幕が垂れていた
「いわゆる開かずの間的なやつか」
「流石タカハ氏。間って訳ではないが…。よし、この黒幕をめくって中身取り出してくれ」
数分後、彼等の前には沢山の本が置いてあった
本とはいってもただの本ではない、薄いやつだった
「「(凄い量だな…)」」
「取り合えず読んでみてくれ」
3人は目に止まった薄い本を次々に読み始めた
「「変態だー!」」
3人の感想は一致していた
「そうか…」
「あのなぁ、これだけの特殊なジャンルをこんなに持ってたら立派な変態だぞ?」
「…ぐぅ」
タカハ氏に言われて何も言い返せないようだ
それもそのはず
「睡○、脇の下挟み、無い乳挟み、腕やら脚やらの関節挟み、お口、髪の毛、耳の穴、にぎにぎコンボ…。森長氏の趣向、特別過ぎだろ!しかもジャンル的には規模の小さい睡○が所有本の半数とか!」
「申し訳ありません…」
唯斗は心の底から素直に謝った
謝ったとはいってもその対象は響なのだが…
なぜなら…
「なぁ唯斗氏、この薄い本の登場人物って…」
「…………」
藤崎が真っ先に気が付いた
「どう見ても幼女だよな。やられてるのって」
「…………」
藤崎の快進撃は続く
「しかもこの子達、白髪だったり銀髪だったりとなんだか響ちゃんに似t…あ、いや…すまん…」
そして何かを悟ったのか唯斗に謝った
「…いいんだ。それもこれも俺がヘタレなばかりに集めてしまったものだ…。ああ、響に出来たらどんなに素晴らしい事か…」
「「(台無しだよ…)」」
3人は心の中で唯斗にツッコミをいれつつ『確かに素晴らしいな』と共感したりしていた
そして今度はアキタがある事に気づいた
「なぁ、一通り読んでみたんだが、本番がメインの本が全然無くね?」
アキタの発言で高橋と藤崎は薄い本を読み返してみた
するとほとんどの薄い本が女の子のお大事さんに野郎の腐れ棒を入れるシーンが無かった
「「ほ、ほんとだ…」」
そしたら唯斗はとんでもない事を言ってのけた
「いやぁ、なんか…さ?まだ付き合ってなかった頃、響に御奉仕してもらうシーンを妄想したら凄く萌えたんだ。そっから趣向が増えていったんだ。今でも増えてる…」
唯斗は本番より別のプレイに目覚めていたようだ
「「(こ、コイツぅ!)」」
妄想で諦める事なくいつかは実際にしてもらえるであろう唯斗に3人はとてつもない嫉妬感を抱いた
「(寝ている間にお口かぁ…。こりゃあ…やばい…)」
「(脇で挟んで…おおお)」「(あの綺麗な髪の毛と小さな手の夢のコラボか)」
と同時に変態紳士の特殊技能、脳内再生を開始した
「「素晴らしい!」」
「お、お前ら人の彼女使って変な妄想してんじゃねーよ!」
その後は結局、唯斗の悩み話からお気に入りの御奉仕やら体位やらの語り合いとなっていった
彼の家から帰った3人はそれぞれこう言ったという
『なんだかんだで実用的な本だったな』by高橋
『響ちゃんで脳内再生したらどんなプレイもアリなんじゃないかと思うようになった』by藤崎
『あいつ、良い趣味してやがる。たまにはエロゲでもやろうかなと思った』byアキタ




