入学式(前編)
PVって何でしょう…
ようつべで聞くPVじゃないっぽいんですけど…
あとユニークアクセスっていわゆる見てくれた人の数ですよね。
週別ユニークアクセス680くらいって全国で700人近くが読んでくれた訳ですよ!
なんか嬉しいですね!
さて、タマに美代さんがメタいのは何故でしょう
―入学まであと0日―
―というか入学式の日―
「…ん、……はっ!」
ガダッ
べだッ
「いだっ」
俺は朝に弱いが入学式みたいな大切な日にはちゃんと起きれる体質だ
そんで勢いよくベットから飛び起きたらそのまま床へ…
だが!お陰で階段への警戒心を高める事ができた
階段から落ちる方がどう考えたって痛い
俺は額を押さえながら階段を降り、いつも通りの朝を終わらせ、着替える事にした。
「あ、制服どうしよ…。男の時に採寸してから結局届いてないし…」
マジでどうすんだよ!
このまま行っても絶対保護者についてきた子供扱いだ
「あら、お困りかしらぁ?」
「お困りでしゅ」
「そんな貴女にタラララッタラーン!お制服ぅ〜!」
「…え?制服?」
「そうよぉ?」
制服?制服…制服!
「やった!制服!…ってあれ?」
そこにあったのは制服だった。まぁ制服なんだが…
「それ女物じゃん!」
「いや…逆に男物だと問題が…」
「……はぁ」
「流れ的に仕方無いのよ!こういう流れなのっ!この場合は!」
全くもって意味がわからんが、おそらくソレ(制服)しか無いだろう?
もう着るしかない…
「だけどさぁ…スカートってなぁ」
「いやだって…女子制服がスカートじゃなかった事なんてママの記憶の中には無かったわよぉ?」
「そうですが…」
「ま、何事も挑戦よぉ♪」
「ひっ!」
俺は嫌な予感がして一瞬ヒヤッとした
そして母さんを止めようと母さんに触れた、と思ったがその手は空中を切った
「…フフフ、残像よ♪」
「残像って…」
それにしても、さっきから下半身がスースーするんだが…
「それより自分の姿を見てみなさぁい♪」
と言いながら母さんはデカイ鏡を俺に向けた
「え?えええええ!?」
あの一瞬で何が起こったし…
「さぁ!いってらっしゃい!」
「…はぁい」
女子制服については諦めるしか無いようだ…
学校はおさらいみたいなカンジで何度か唯斗と行った事がある。電車賃はバカにならなかったが…
駅までは1人で歩く
駅で唯斗と合流…
それまで1人かぁ…
この姿じゃちょっと心配というかなんというか…
ほら、もう視線が飛んでくる…
俺は急いで駅に向かった
「おーい唯斗ー!」
「…………」
何かを持って下を向いてる唯斗っぽいのを見かけたので声をかけだが、返事がない
「糞唯斗ー!」
そう言いながら近づいて行くと
「……!麻痺からのそれは鬼畜だって…。はぁ、報酬は要らないけど秘薬の消費は痛いなぁ…ぶつぶつ(小声)」
なんだ、2Gか…
「またあの卑猥生物にやられたのかよ糞唯斗」
「え?ああ糞響か…ってキミ誰!?って響か」
こ、こいつ…
まぁいいや
「いいよなイケメンは…。こんな所でゲームやりながら独り言言ってても映って見えるもんな。そんでアイツに麻痺ビームを連続でくらってキャンプ便ですか…。ざまぁ(笑)マジざまぁ(笑)」
「くっそー!」
しかし、人に指を向けて笑っている響も十分映って見える事に響は気づかなかった。
一原街行きのルートと同じ電車なので慣れているのだが、ある異変に気付いた
「唯斗、奴等だ」
「ああ、奴等だ」
奴等とは痴漢魔(暗黒の変態紳士)の事で、普段は都心部周辺を縄張りとしている。
…が
何処かの旅行団体とかがこの路線を利用する際に現れる
しかも奴等は学生は標的にしない
しっかり成長した大人しか狙わない
痴漢にも専門家があるように、勢力ずつ場所を分担してる。
野良の痴漢は得物にありつけないのが現実で、皮肉な事に痴漢は痴漢魔によって防がれるケースもある
俺達が言う「暗黒の変態紳士」には正式名称があるらしく、この国のトップだ
学生は標的にしない彼等が学生だらけのこのエリアも仕切ってるのは、学生を主食とする勢力を悔しがらせる為だろう。
奴等は人の不幸が大好物なのだ。心が腐ってるのだ
話に戻ろう
「どうして奴等がこのエリアに?この辺は奴等の得物はそう居ない筈」
「特上が現れたからだろう」
特上…その名の通り奴等が認める最高の標的
「この路線で特上って珍しいね」
「ああ、しかもただの特上じゃない…」
「ましゃか…」
「しょう、VIP級だ」
VIP級…一言で言うと、「究極」「伝説」「神」
VIPに選ばれた女性はもはや幸せ者としか言い様が無い。
とことん悦ばされ、大切にされる。
しかも華は散らされない。彼等にとってVIPとは、数秒触れてるだけで絶頂へ向かわされる、絶倫マスィーンなのだ。
つまり女性の価値を保ったまま快楽を得られる
とにかく素晴らしい称号らしい
「VIPなんて初めて聞いたよ。…で、その人は?」
「……………」
「…………?」
「……………」
「……………!」
ま、まさかね…
「響、お前だ…」
デデーン
「なんてこったい旦那ぁ…」
「うむ…」
「俺は変態兵器ですかい旦那ぁ」
「…うむ…」
「なんていうか、遂に紳士ですらなくなったよ旦那ぁ」
「全くもって残念な話だ」
「ていうかヤバくないっすか?」
そう、VIPの再臨と騒がれるのはVIPがVIPでなくなる確率がいまのところ100%なのだ。
奴等のテクはかなり精練されたもので、満足しない女は居ないと言う。
どのVIP(女)も、その技に堕落したという
何故か堕ちた女には興味の無い彼等はいわゆる「やりすて」状態にする
しかし一度VIPと認定された者はその華を散らされない。
それが逆に彼女等を苦しめた。
つまり、VIPなんてなるもんじゃないって事だ
たぶん人生とか色々壊される
「どうすんすか唯斗たん」
「とりあえず今日を生き抜こう。それから考えよう」
「それもそうですな」
「これでも食って現実逃避しろ(ホント、響がビビってる時ってなんか空元気なんだよな。バレバレ)」
そう言って唯斗が渡してきたのは星形のチョコレート
「おお!チョコだぜよ!」
パクっ
「だんだんなんか簡単になってん♪だんだんなんか簡単になってん♪だんだんなんか簡単になってん♪だんだんなんか簡単になってん♪」
ははは!一定時間は無敵だぜ!
「はぁ…」
おい、なんで唯斗は溜め息ついてんだ
「出るときは俺がお前を担いで全力疾走…OK?」
「お○けろー!」
「懐い!」
いやぁ、可愛い声だこと
無敵時間を過ぎてからの響はずっと震えてた
唯斗は「やっぱりな」といった様子で響の頭を撫でてやっていた
「…撫でるな」
「そう言うな。今日の奴等はお姫様の様子見といったところだし、とりあえず安心していいんじゃないか?」
「あ、あぁ…」
俺は怖かった
男の時には感じなかったこの視線
見られる視線じゃない、得物を見極めてる視線
なんと言ったらいいか…
食物連鎖の頂点の者が得物を見る視線って言うかそんな感じ…
今回は笑い話ではすまされない様だ
・・・・・・・・・・・・
電車を降りて学校まで歩く2人
「良かったな…」
今日は何事もなくて良かったが…
「明日からどうしようか…」
「大丈夫だ、奴等はVIPともなると準備を怠らない。ここ1ヶ月は大丈夫だろう」
「……うん、そうだな」
今は気にしない事にした
これ以上は無理!考えられねぇ!
難しい事は全部スパコンの唯斗に任せよう…。
学校へ近づくにつれ、学生らしき人影が増えてくる。
まぁ当然の事なんだが…
緊張した表情の学生達(俺は特に緊張した顔に違いない)、
何処までも続く青空
気持ちの良い春風
その風に揺れる桜の花びら
正に入学式だ
こういうイベントは気持ちが高ぶる筈なのに、俺はそんな事は無かった
いやね?男ん時は溢れるパワーで唯斗をぶっ飛ばしてた所だけど、今は女…
女子の制服を身に纏う少女…
よく分からんが、体が暴れようとしなかった。
「疲れっから止めとけアホ」って体が言ってるといった所かな
確かに体力の無いこの体で暴れたら入学式の最中に寝る羽目になる。
入学式に堂々と寝れる人間はそういまい…
そんな事はどうでもいいや
それよりクラス表を見よう
この高校の説明書に
『最初はクラスで集まって下さい。各担任の確認を取ってから予定時刻になったら体育館に移動する予定です』
と書いてあったし…
クラス表の所まで歩いてると
女1「あの子可愛い」
男1「ちっちゃいなぁ♪」
女2「白ぉい」
女1「全体的に白ぉい」
女3「隣の人超カッコ良くない?」
男1「釣り合ってるな」
女2「カップルなのあの2人?」
男7人くらい「くそー羨ましい!」
女6人くらい「あのカッコいい人欲しい!」
女3人くらい「あの子欲しい…」
色んな人「えっ?(確かに…)」
ちっちゃいとか言うなし…唯斗ならあげるから
あと俺は物じゃないから
とか思ってる内にクラス表の前に来た
「俺は、俺は…」
「響はEだな」
「あ、ホントだ!…唯斗は?」
「俺は…。あった」
「Cだな」
「Cだ…」
「離れちまっても俺達の友情は永遠だよな?」
「おうよ!」
唯斗は快く返事してくれた。
やっぱ唯斗はイイヤツだ
さて、これからEクラスへ向かう訳だが…
「と、とりあえず途中まではついてきてくれないか?」
「あれ?響っていつから人見知りになったんだ?」
「し、知らん!」
最近他人が怖くてな…
視線とか視線とか視線とか…
「ほいじゃ行きますか姫様!」
「うっせえ!」
2人が歩き出した後、また2人の話が始まったとか
(後編へ続くっす…はい…)
クーラーをつける際には親の居ない時にしましょう。
突然帰ってきて慌てないように自らの勘をフル活用しましょう。
これが夏を生きる極意です