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響さんの日常  作者: ZEXAS
彼氏彼女になるまで
36/91

ヘタレな乙女


ああ、月日の流れが難い…


早くしないとまた夏が来てしまう…




もう昼休みになるわけなのだが…。

…唯斗と会うにはどうすればいいんだろう?


なんか解んないけど唯斗のクラスへ行く事を俺の心の何処かが拒んでいるんだ。


それに唯斗に会ったとしてどうやって話せばいいんだろう…。


あーもう!俺バカだから解んないよー!


「…うーん」


「響ちゃん?」


「どうすっかなぁ…」


「…?」


「我らが響ちゃんも遂に妄想を覚えたようだ」


「まじか」


「そんな訳無いでしょ…。きっと何かで悩んでるのよ」


「何かって?」


「あ、俺なんとなく解っちゃったかも!もしかしてここ最近クールになってる事と何か繋がってるとかさ?」


「それよ!」


「おお、藤崎にしては珍しく冴えてる」


「へへ、あたぼうよ!」


そうだ!

誰かに相談しよう!


「あ、あのさみんな」


「「(昼になってやっと喋った)」」


「どうしたの?」


三島さんは声で返答し、高橋と藤崎は顔をこちらへ向けた


「親友とか昔の知り合いと久々に会う時ってどういう風に会話したらいいかな」


「(ず、随分と難しい質問を…)」

「(どうだったかなぁ。俺は誰ともいつも通りに話すから覚えてないや)」

「(明治の昔の知り合いって…。留学先の外国人とかかな?)」


「「うーん…」」


「…あ、あれ?」


そんなに難しい質問だったかなぁ…


「普通が一番だよ」


「そ、そうね。普通に話し掛けるのが一番だと思う」


「藤崎の言う通りだ」


普通?うーん?


「あ、ありがとう。そうだよね。普通が一番だよね」


「…うーん」


「「(俺達本当に役にたったのかなぁ…)」」






時は過ぎあっという間に放課後となった



「け、結局唯斗と会えなかった…」


放課後の教室って静かで良いな…。外から聞こえる部活の人達やホイッスルの音とかが良い感じの音色になって凄まじい眠気が…

お陰で寝ちゃったよ…。…今何時だろ…


みんな帰っちゃったし俺も帰ろうかな…


「ふぁ〜…ん?」


誰か…俺を見てる?

隣に気配を感じたので目を擦ってよく見た


「…あ、三島さん?」


「お〜起きた起きた」


「…も、もしかしてずっと居た?」


「そうよ。響ちゃんの可愛い寝顔を見ながら(時々いたずらしながら)勉強してたわ」


ま、マジか…。ずっと見られてたのか…。

は、恥ずかしい!


「(その表情頂き!)」


カシャッ


「ん?」


「(やべ!気付かれた?)」


ガラガラガラ


「おーい、誰か居るのかー?」


三島さんとの2人っきりな空間に入ってくる不届き者が1人


「三島に明治か。他に誰か居ないか?」


「なんだ先生ですか」

「今この教室に居るのは私と響ちゃんと先生だけですよ?」


「なんだとは何だ明治この〜。そして三島は勉強ご苦労」


竹中先生は俺の頭を撫でながら話をする事が多い。

子供じゃあるまいし…。


どう考えてもからかっているよねこれ


「せ、先生。今の世の中は頭を撫でてもセクハラなんですよ」


…たぶんね


「おおすまない。明治も女の子だもんなぁ?」


うへぇ、やっぱりからかってるよこの先生!


…だけど俺をこんな風にからかってくれるユニークな先生は中々いない。


この数学の竹中先生に体育の武田先生、たまにお世話になる保健室の中田先生以外の先生は俺を普通の女の子として扱ってくるからなぁ。


だけど…


「俺は女です。…女になるって決めたんです」


「「………!?」」


やべ、さりげなく大胆に重大な事を…


「(え?女になる?どういう事?まさか響ちゃんみたいな小さな子があんな事やこんな事を!?誰と!?)」


「(女の道を選んだと言うのか…?…いや、諦めたのかな?)」


「と、取り合えず訳を聞こうか」


「(ナイス先生!)」


「訳…ですか…」


は、恥ずかしいなぁ…


「(顔を赤くする程恥ずかしいってどんな事したのよ…)」


「悩みなら聞くぞ?今は田中先生がやってるけど昔は俺が保険担当だったりした時期があってな。女性徒のそういう悩みも何度か聞いてきた。安心して打ち明けてみろ。楽になるぞ?」


「そういう悩みって…。ま、まぁまだ生理とやらは来てないっぽいけど…」


「「(…マジか!?)」」


「そ、それは悩み以前に問題だから素直に病院へ行く事をおすすめするぞ」


「早く迎えないとのちのち障害みたいながあるらしいから栄養はちゃんと取らないとダメだよ!?」


え?もしかして俺って結構ヤバいんじゃ…


「そ、それとは違うんです。え、えっと…。人と人との繋がりというか、親友以上というか…」


「…なるほど。単刀直入に言ってしまえば明治は今恋に堕ちている訳か」


あわわ…


「(こりゃ図星ね…。相手は誰だろう)」


「は、はい…。そんな感じです…」


「いつから?」


「わかんないです…。あいつが好きだって気付いたのは昨日ですから…」


「(わ、私もしかして居ない方が良いのかな?)」

「ごめんね響ちゃん。私邪魔っぽいし先に帰るね!」


三島さんが立ち上がった

しかし俺は


「待って!…三島さんにも一緒に聞いてもらいたい…な」


何故か引き留めていた


「(か、かわええええ!)はい!喜んで!」


そしたら三島さんはすぐさま着席した

…俺達、ちゃんと友達だったんだね。嬉しいな


「で、相手は?」


「…それ聞きますか先生」

三島さんが俺の言いたい事を替わりに言ってくれた


「全面とまではいかないが、その相手の学校での情報なら教える事くらい出来るだろう」


先生…


「例えば学校での役職や部活や委員会。そしてその活動による居る日居ない日や推測される行動パターンとかかな」


「凄いですね。行動パターンまで解っちゃうんですか?」


「まぁな、そいつが俺の知ってる奴だったら数学の応用とか色々頭を使って叩き出すんだ」


流石は波頼の先生だ。ちゃんと勉強を人生に役立てている


「でも、それって響ちゃんの好きな人を既に知ってる様な口振りですね」


「えっ?」


ま、まさか〜


「言っても良いのか?」


およよ…

でも三島さんを引き留めたのは俺だ。ちゃんと聞いてもらおう


「いい…ですよ…?」







・・・・・・・・・・・・



サイド変更

サイド森長唯斗




『いいのか唯斗氏?』


「ん?何が?」


『学校だよ学校』


俺はいつものメンバーと家でネトゲをしている


(※いつものメンバーとはいつしかのカメラの人達です。唯斗氏は彼らとはオフ会で知り合った模様です)


学校?知らんね


『ここ1週間行ってないんだろ?』


『俺達は仕事や仕事の内容の時間が特殊だったりしてるから真っ昼間からネトゲ三昧だけどよ〜』


『唯斗さんは学生でしょ?ダメじゃないサボっちゃ』


「いいだろ…。もう少しくらいサボらせてくれよ」


『優等生だったのに…。パパは悲しいぞ!』


「な、なんで優等生って事しってるの?」


自分で優等生って言っちゃったよ俺…。

まぁそうなる様に頑張ってきたけどさ


『我々の特定技術を舐めないでほしいな唯斗氏』


『顔はたまに見るだろ?会った場所から推測される住居と登校する学校の範囲を調べれば後は簡単さ』


『ネカマもネナベも餌を垂らして釣られたところをカカッと特定!』


『そんな嫌がらせが大好きです。ぬふふ♪』


『まぁ唯斗氏はプロフに書いてある事には嘘偽りない人だったみたいで残念だったけどね』


『ちょっとくらい盛っても良いのにさ〜』


「参ったなぁ。今度はアキタでも特定してもらおうかなぁ。合掌…」


アキタ…。そういえばアイツを通じて知り合ったんだっけ…


こいつらも響には首ったけだし…


俺の周りっていつからアイツに影響される様になったんだっけ…


はぁ、もう1週間も会って無いのか…。

もう1週間も触れ合ってないし、喋ってすらいない


辛いなぁ…辛いなぁ…


女性に幻滅して長い間恋愛の対象など居なかった俺を救うが如く現れた天使だったのになぁ…


友達は居たけど空っぽだった俺を救ってくれたエンジェルだったのになぁ…



アイツが元の姿の時は親友だった

恋愛の感情は無い


唯一形だけの友達じゃない面白くて面白い奴


今の姿になった時は驚いたなぁ…

まだその時は恋愛の感情なんか無くて…


日を追うごとに好きになった。

触れる程、失われた欲も帰ってきた


より愛しく、可愛くなってきた


ついつい色々触ったりギュッとしてしまった事もあった


しかしアイツは恥ずかしがりながらもあまり抵抗はしなかった

そのせいで余計にイタズラしたくなった



ついにこの前抑えきれなくなってコクった


そしたら天然と鈍感のダブルパンチを喰らって重傷を負った


失敗したと思って泣きまくった


そしたら変な考えが浮かんだ。


『アイツと会わなくするにはどうすればいいか?』

1週間学校へ行かず家に引きこもる。これでOK


『俺、この戦いが終わったら(1週間耐えきったら)愛しのあの子に告白するんだ…!』


こうして俺の禁欲生活は始まった


1週間耐えきったら頑張った自分へのご褒美としてアイツ、響に再びコクる。


誰が俺を責める事が出来ようか!

もう誰にも止められない!


…そんくらい俺は響が好きになってしまった



「俺、最期の戦いはソロでやるよ。1週間ありがとなお前ら!」


さて、戦いの準備を整えなきゃな…


まずは買い出しだな!

コーラとガムと…あ、ピザも頼もう


今日1日頑張ればと思えば凄く楽しめそうだな…


どうか待っていてくれ…。俺の響…





・・・・・・・・・・・・




サイド変更

サイド明治響




「やっぱり響ちゃんは森長君が好きだったのね(…よかった〜)」


「えへへ…恥ずかしいな」


何処か安心したような三島さん。もしかして好きな人でもいるのかな…


でも大丈夫

もう俺には唯斗しか居ないから


だから三島さんも頑張ってね…


「まぁ、妥当だろうな」


「先生は何で響ちゃんの好きな人が分かったんですか?」


「はっ、確かに」


「明治、お前は男を好きになれるか?」


「…?どういう事?」


「……………」


「明治は普通の男は愛せない。特別な男でない限り響の乙女心を動かす事は無理だ。…そうだろう?」


「…はい」


確かに唯斗は特別だな…


「…特別って?」


「女性徒からは本丸と言われる明治。なにも森長が一番構っているから本丸という訳ではない」


「俺が本丸…?」


「響ちゃんと森長君の関係…?(メーカー的な繋がり?御曹司とか?…つまりそれって合併じゃん!御菓子メーカーに新たな歴史が生まれるじゃん!)」


「俺達教員や一部の追っかけは知っているんだがな。明治と森長は同じ…」


あ、やべ!


「せ、先生」


「何だ?」


「ごにょごにょごにょ(俺は帰国子女っていう設定になっているんですよ)」


「…?」


「ああ、そういう事か。だが三島にも聞いてもらうんだろう?」


マジかよ先生!


「…2人が出会ったのは森長が外国へ行った時だった…」


その後は先生の嘘っぱちトークで場をしのいだ


「とにかく、俺は次に唯斗に会ったら告白します!」


「まぁ頑張れよ?出来る範囲で協力するからさ」


「私は応援しか出来ないけど頑張ってね」


「うん!」



こうして3人は解散した訳なのだが、この話を偶然聞いて聞き耳を立てていた女性徒がいた


「(ほ、本丸が動くですって!!?大変だ、みんなに知らせないと!?」






そして響の帰り道でも事件が…



「「あ…」」


「ゆ、唯斗…?」


「(な、なんてこったぁぁぁぁぁぁあ!)」








次回は5000文字の壁を突破する予定ですので、少し遅れると思います…

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