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響さんの日常  作者: ZEXAS
彼氏彼女になるまで
35/91

復活の乙女




さて、恋愛事情も最終局面って感じになって参りやしたね。

また長々と長編みたいなのをやってしまいそうで怖いです。


だってもう春ですよ?

こっちではまだ冬ですよ?


どうやったらワンシーズン遅れるのでしょう…







朝起きて、久々に階段で転倒して、歯を磨いて顔を洗う…。

これが今日の俺の朝の始まり。説明など不要。


あとはみんなに挨拶をして朝御飯を待つだけ…

ここらはいつもの日常



「「ごちそうさま」」


「はいよ〜♪お粗末さま。それじゃあ響と七海は片付けを手伝って」


「は〜い」

「え〜…」


いきなり片付けろとか…。何を言ってるんだ母さん


「七海は良い子ね〜♪ほら、響は兄であってお姉ちゃんなんだから」


「へいへーい…」


前とは違うから色んなものが重く感じる…。

この小さな手で食器を上手く持てるだろうか…。


「何事も経験よ〜」


逆らうとロクな事が無いしやるしかないか…。

はぁ、昨日は…。うぅ…俺はおもちゃじゃないのにあんな事を…。


「んふふ、響ぃ〜?」


「ひぃっ!ちゃ、ちゃんとやるから!」


忘れろ!あの暗黒の出来事など!


「顔、真っ赤よ♪」


「えっ?」


「これからが戦いって時にそんなんじゃダメよ?」


「今時悲劇の主人公なんて流行らないわ。今は努力家の時代なの。頑張れば頑張る程報われるわ」


努力家って過去の異物じゃないかな…。確かに熱いのは嫌いじゃないけどそんなキャラじゃないし…


「頑張る乙女は美しいのよ!かわいいのよ!みんなの目線をゲッチュッチュなのよ!」


「は、はぁ…」


「響も唯斗君も案外おバカさんだからぐじぐじしてると恋愛に終止符なんて現れないわ。…これすなわち、特効あるのみ!ガンガン攻めなさい!」


「が、頑張る…よ?」


「シャキっとしなさい!」


「は、はぃ…」


朝から凄いな母さんは…。

そう言えば母さんってどの時間帯でもシャキっとしている気がする…。


「さぁ、着替えて来なさい。私は弁当を作っておくからぁ♪」


「う、うん…」


昨日も…というか今までもだけど、母さんには全然勝てる気がしないや…。




十数分後


「…よし!多分完璧!」


母さんが俺の部屋を殺風景にした時に置いた大きな鏡の前で俺は服装を整えた。


この鏡は元の俺の身長よりも高く、2Mくらいの高さはあると思う。

俺が両手を広げてやっとはみ出る横幅を見るからに、かなり大きな鏡だ。

まぁそれでも風呂場の鏡には敵わないが…。


以前は自分を鏡で見る事なんて歯を磨く時と風呂の時くらいしかなかったが、この姿は俺だけど俺じゃないし気にする事なんてあんまりない。


むしろこんな可愛い幼女ならずっと見続けていたい…が、端からみたらただのナルシストなのでほどほどにしている。


…なんかね、この姿には慣れたとかなんとか言ってるけどさ、こう目が合うと…えへへぇ…。照れちゃいますなぁ…ってなっちゃうんだよね…。


コンコン


ガチャッ


「あの、響?自惚れはほどほどにね?そろそろ時間がヤバいわ」


「え?…わわ!そろそろ電車が出る!急がないと!」


「全く、しょうがない子ねぇ…。先に降りてるわよ?」


「う、うん!すぐ終わるからっ!」


俺は荷物とかを適当にまとめると部屋を出た。


そして階段で何故か自分の足にとらわれた


「…きょ、今日二回m…」


ガダガダガダ!



「うぅ…走馬灯が見えた気がする…」


ドタタタタ


「…なにか凄い音がしたけど…。ああ、やっぱり…」


「大丈夫お姉ちゃん!?」

「兄ちゃん?」


あはは…情けないところを見られちゃったなぁ…


「あはは、大丈夫大丈夫」

「大丈夫と言ってる割には目から大粒ってかんじなんだけど?」


「え?」


なんか前が見えないと思ったら…。

痛みを堪える事自体は簡単だった。しかし涙腺を制御する事は不可能だったみたいだ


「面目ない…」


「響!」


「ひぃ!」


「ほら、立ち膝はいけないって昨日言ったでしょう!アナタは今スカート穿いてるのよ!」


「…お姉ちゃんのパンツ…。今日は黒なんだ…」


「あ、あわわ…(僕の目には重すぎるぅぅぅぅ!)」


「あらあら…。今日は本気モードって訳ねぇ」


「本気モード?まぁ黒はカッチョいいから良いけどさ」


何故か俺のパンツって唯斗が買ってくれたヤツ以外は黒しか無いんだよね。

下着や服は全部母さんが買った?ヤツしか無いし


水着といい下着といい、母さんは黒が好きなのかな?


「(しまった!響は本物の純粋ガールだったわ!これじゃ『そういうからかい方』が出来ないじゃない!)」


「あ、時間がヤバい!母さん弁当!」


「あ、そうだったわ!」


ダダダダダ!



ダダダダダダダ!


「もう間に合わないわ。今日はママが送って行ってあげる」


「う、うん」


「響、何か忘れてない?」


「え?」


「ヘアピンよ」


「あ…」


母さんは何処からか持ってきた俺の…唯斗のヘアピンを着けてくれた


「はい、スペシャル響の出来上がり♪」


「あ、ありがと…」


このヘアピン…俺だと下手くそだから唯斗や三島さんに着けてもらってばかりなんだよね…。


「あ、ちゃんとスカートを上げといたところ悪いけど、膝下まで下げるわねぇ」


「え?なんで?」


「色々よぉ♪」


いつもは膝下にしてると


『もったいない!』


とかいって短くする癖に


「お姉ちゃん…スカートが短くなくてもやっぱり可愛いなぁ…」


「兄ちゃん、…あー…えっと…。頑張れよ…」


「2人とも出迎えご苦労♪さぁ、行くわよ響」


「う、うん」


博樹と七海の見守る中俺と母さんは外へ出た



「響、コレを被って」


「ヘルメット?まさか車じゃないの?」


「なんかバイクに乗りたくなったのよぉ〜♪」


「そうっすか…」


あまり突っ込まないでおこう…。なんせ送ってもらう身なのだから文句は言えまい…。


母さんはカウルの付いていない丸いライトのオシャレカッコいいバイクを出してきた。


「乗れる?」


「の、乗れるよ!」


俺はバイクにまたがろうとした


「んっ…。よっ…。あ、あれ?あわわわ!…ふぅ、アブねえ…」


駄目だ、身長の問題もあるけどそれ以前に俺って元も今も固いから大きく開脚出来ない…。


おまけにつりそうになった


「しょうがないわねぇ…」


「すいやせん…」


結局母さんに乗せてもらった。情けない…


「ゴーグルは着けた?着けないと目が開けられないわよ?」


「大丈夫、OK」


「よろしい、じゃあ掴まっててねぇ」


ブォン!


「おわっふ!?」


急発進ですか…


「ごめーん、久々だからクラッチ握るの忘れてたわぁ」





「うん、久々に動かした割には快適ねぇ。ちょっと寒いけどぉ…。大丈夫響?」


「ひゃぶぃ…」


「制服のまま乗せたママが悪かったわねぇ…」


「ら、らいじょぶ…」


下半身がやべえ…

寒すぎ…


「短くしてたら見えてたかもねぇ♪」


「ら、らにが…?」


「んふふ〜。パンツよパンツ」


「しょ、しょーですか…」





・・・・・・・・・・・・




「頑張りなさいねぇ」


「うん、俺…頑張るよ」


「それと…」


母さんは俺の前でかがみ、スカートを短くした


「これで色気抜群よ♪」


「い、色気って…」


幼女に色気…か

悪くない!悪くないぞ!

自らやるとは思わなかったが色気ある幼女とか中々素晴らしいかもしれん!


「…っと、流石にパンツがギリギリ見えるかもしれない長さとか怒られるだろうから戻しておくわ」


「…そう」


せめて今の自分を見てからでも良いじゃんって思ったけど帰ってからでも出来るからいいか


「じゃあ頑張ってね♪」


「うん、ありがとう…」


そう言って母さんはバイクにまたがり、又もや急発進して行ってしまった


「母さん…事故ったりしないよね?」


心配だ…


「…め、明治響!」


「…あ、阿美子先輩」


「やっと名前を覚えたのね…。じゃなくて、さっきのカッコいい人はアンタの知り合い?」


「凄いわね。バイクでお迎えなんて」


「水樹お姉さん!…と…誰だっけ…?」


阿美子先輩や水樹お姉さまや顔黒…ガングロダムはいつもの様に接してきた。


用件は1つ

バイクの人(母さん)だ。


「あ、そろそろ行かないと!またっ!」


「ちょっと、まだ話の途中…」


「あゆっち」


「何よドブ水樹(だから私は阿美子ぞ!)」


「あの子、元気になったね。塩焼きあゆっち」


「あぁ?」


「森長様が居ないのにあんなに笑ってて…。どうしたのかしら」


「…吹っ切れたのかもしれないね…。私達、邪魔?はしてないと思うけど、助けてあげられなかったのかねぇ?」


「え゛?あ゛の゛子唯斗様を゛諦め゛だの゛?」


「そうだとしたら響ちゃんは超繊細なハートだったか、ただの軟弱者って事になるわね」


「ライバルが居てこその恋愛が…。明治響め…」


「え?響ちゃん以外にもライバルはいっぱいいるじゃん」


「何言ってるのよ。他のメス共は簡単に玉砕しているじゃない。森長様はいつもは優しいのにいざコクるとスッパリ断るって聞いたわ」


「ぞじで、唯斗様が唯一優じぐじでい゛る゛の゛ば」


「響ちゃんって訳ね」


「あの子程の強敵は他に居ないのよ…。それに打ち勝ってこそってのが私の乙女道なのよ!」


「あゆっちって結構むさ苦しいのね」


「私は阿美子ぞ!」


「…そんな凄いライバルもこれで見納めかぁ」


3人は憎らしい『強敵』程己を支える存在なのだと実感し、過去の響を少しだけ称えたとか…

まだ響は諦めてないとも知らずに…





・・・・・・・・・・・・




何故だろう、教室に入るのが久々に感じる…。

なんか少し恥ずかしいな


ま、教室前で突っ立ってても仕方無い。入るとしますか…。


「お、おはよ〜…」


軽く手を振る感じで自然に普通に…


「おーうおは…」


「ひ、響ちゃん!?」


「(え?あれ?何か違うぞ…?)」

「(なんか違和感が…)」

「(きゃわいい…)」


「ど、どうしたの?俺、何か変…かな?」


「「(今日の響ちゃん、なんかすっげー乙女!)」」


「お、おはよー!…だぜ」

「何か今日の響ちゃんすっごくヤバいね!」

「天使だ…」


後に藤崎が命名する『恋する乙女オーラ』を身に纏った響


そんな響にロリコン男子は興奮よりもドキドキが勝りすっかりデレデレに

他の女子は凄くかまってやりたい衝動にテンションが安定しなくなっていた


そんなの構わず響は自分の席に座り、いつもの愉快な仲間達に挨拶をした


「おはよ〜三島さん!それに高橋と藤崎も」


「おはよ〜響ちゃん!」


「おはよう明治」

「響ちゃんおh」


がばっ


「み、三島さん!?」


三島は響に抱き着いた


「なんか…なんかこうしたかったのよ。最近響ちゃん元気無かったから」


「なんだろう。俺と高橋のオマケ感」


「いや、今日のお前はオマケじゃないぞ。いつもなら『藤なんたら』のところを今日はちゃんと言ってる」


「お?そう言えば!…もしかして響ちゃんの中の俺のランク上がった?」


「しらね」


み、三島さんがおおお俺に抱きつつつ…うおおおおおおお!やったー!


…あ、でも俺には…。


うん、今日からはしばらく三島さん成分を我慢しよう。


夫と妻を同時に所有するなんて出来ないもんね…


「み、三島さん苦しい…」


「あ、ごめん!私なんだか嬉しくて…」


笑顔で俺から離れる三島さん…。苦しいなんて嘘ついて本当にごめんね…。


本当は凄く暖かくて…柔らかかった。ああ勿体無い!

…でも今の俺にとって贅沢は敵だ。俺が一番に選ぶのは唯斗だけ…。


…早く会いたいな








リアルタイムでは今日で春休みは終わり。明日からは学校です。

作者の心は休みが終わる悲しみと新しい何かが始まる期待でいっぱいです


最近気付いた事があります


何だかんだこの物語の構想を考えたり良からぬ妄想をしている時の方が一番楽しいなって

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