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響さんの日常  作者: ZEXAS
彼氏彼女になるまで
34/91

秋末は黄昏時




活動なんたらでも説明しましたが、今回は前回の後書きを読んでおく事をおすすめします。


何故前回の前書きに説明しなかったかと言いますと、これは超展開だからです。


前回後書きに書いた出来事は全てアドリブ?で生まれた事であり、作者も予想しない展開を生みました。


やっぱりストーリー要素って大事ですもんね。過去の作者GJ!



…さて、あらかじめ発表しますが今回の後書きは特にありません。


ではでは…




通勤だか通学だか…

まぁ俺は通学者として電車に乗っている


それにしても…

ね、眠い…


昨日何故か全然寝れなかった…。

理由は解らない。もしかしたら災厄の前触れかも知れない。俺は何らかの災害を察知する能力でもあるのかも知れない…。そもそもそんなファンタジーな能力など持っていないかも知れない…。


だが、災害は既に起きているのかも知れない…



「ふぁ〜…ん…」


だって…


「(小声)あの娘超可愛いくね?」


「(小声)ありゃヤベエよロリコンの俺歓喜だよ」


何故だかは知らないけど…


「(小声)眠そうだし写真を撮ってもバレないよね?あのアプリ入ってるしヨユーだよね?」


「(小声)俺も撮る撮る」


今日は…




今日は唯斗が隣に居ないんだもん…




・・・・・・・・・・・・


波頼高校門にて



ま、まぁ1日くらい唯斗が居なくても平気さ…


「あれ?今日は森長様が居ないわ」


「あ゛ぼん゛どう゛だ゛」


「あらあら…。ねぇ、どうしたの響ちゃん」


いつものコンビと水樹先輩だ…


「…風邪…なんじゃないですか…?」


そうだ…風邪に違いない…。帰ったら唯斗ん家によっていこう…。


「「…………」」



先輩方は何処か元気がなくとぼとぼ歩いて行く響を黙って見送るしかなかった




波頼高校1―E組にて




「おはよ…」


「「おはよう響ちゃ…ん?」」


ざわざわ…ざわざわ…


「(今日の響ちゃん、元気無いなぁ)」

「(黄昏たその表情も素敵だなぁ〜)」

「(何かあったのかな?)」


「おはよう明治」

「おっす響ちゃん!」

「響ちゃんおはよー」


「…うん」


響は挨拶を軽く返すと自分の机に座り突っ伏してしまった。


「「あ……」」


「…今日の響ちゃん、どうしたんだろう?」


「眠いんじゃないか?」


「どう思う宏紀?」


「生理が来たんじゃないか?」


「高橋、その発言は変態の俺でさえどうかと思うぞ」


「デリカシー無さすぎ」


「すまん…」


集中砲火を受けた高橋は更に考えた


「…やり込んだゲームのデータがオシャカに…」


「響ちゃんはゲーム中毒に見えるか?」


「たまに森長君とモンハンに熱中してなかった?」


「俺と高橋はそんな響ちゃんや唯斗氏とちょい前にモンハンやった。今でもたまにする」


「う〜ん、解らない…」




〜1週間後〜



波頼高校門にて




「あ、あれ?もう1週間建つけど…。明治響、何があったの…?」


「ミーやん、辞めなさい。ねぇ、響ちゃん。何があったのぉ?」


「………解んないです…」

「(だから私は阿美子ぞ)」


「あ゛、あ゛だぢ、今ダイ゛エ゛ッド中な゛ん゛だ。良がっだら゛ボデヂ食う゛?」


「………ありがとう。……でも要らないよ…」



先輩方はまたもや響を見送るしか無かった。

ていうか夢子ダイエット中なんだ…。





波頼高校1−E組にて




「「おはよう響ちゃん」」


「……うん、おはよ…」



「(そうか!今はクーデレの時代なんだ!俺の時代が今!変化した!)」

「(ある意味髪の色とはあってる気がする)」

「(活気溢れる天然ちゃんから不思議系天然ちゃんへ転職か!?)」


「「(何はともあれ…)」」


「「(素晴らしい!!)」」


「おはよ〜」

「どうしたんだ明治」

「悩み事かな響ちゃん?」「私達なら協力するよ?」


「……大丈夫」


そして今日もまた机に突っ伏してしまった。


「よっぽど眠いのね…」


「いつもより静かな響ちゃんも可愛いなぁ〜」


「もしかして夜と昼が逆転してるパターンか?」


響と唯斗の異変に気付く事のない者は、何が起きているのか解らなかった




・・・・・・・・・・・・



「…ただいま」


「あらぁ、お帰りなさい響」


「…うん」


「何だか最近元気が無いわねぇ?何かあった?」


………。


「…大丈夫」


「…そう、無理はしないでね?」


何に対して無理をしてはいけないのだろうか?

今の俺に何が足りないのだろうか…。



一時間後



「「いただきます」」

     …ます」


「やっぱり具合が悪い様ね」


「…えっ?」


「お姉ちゃん、具合…悪いの?」

「兄ちゃん大丈夫?」


「…大丈夫だって」


「そうかしら?だって今日の料理はアナタの大好きなハンバーグなのよ?しかもON THE cheeseなのよ?」


「う、うん…大丈夫」


もっと喜べよ俺…


「それとも、ハンバーグより好きなものでもあるの?」


「…え?」


…ハンバーグより好きなもの?


何だ…それは?


「うーん、解らない。お姉ちゃんの大好きなもの…。…お姉ちゃん、教えて?みんなで探すから」


『ソレ』はモノなのだろうか?


「この頃兄ちゃんは元気無いよね?何か無くした?」


『アレ』は無くす存在なのだろうか?


「大切なもの。大事なものはいつも近くにある筈よ。それは何かしら?」


いつも近くに…

家族はいつも近くに居る。父さん除いて…


だが父さんとはまた違う。いつも近くに居る訳ではないからだ。


それじゃあ他に居たかな?


「大事な人は一体誰?」

「好きな人は一体誰?」

「ここ最近会ってないだけで落ち込む程の存在感を持つ特別な人は一体誰?」


「…そ、それは…」


中学からの親友


波頼高校1―E組の明治響という帰国子女の本当の正体を知る数少ない人の中の1人


そして、俺の好きな人…

それは…


「ゆ…い……と…」


「そう、やっぱり唯斗君が好きなのね?」


「…うん」


言っちゃった。言ってしまった。


「ねぇ博樹お兄ちゃん」


「ん?」


「他の人の恋の筈なのに、どうして私もドキドキするのかな?」


「七海の答えを聞いてから答えるよ。僕も今七海と同じ気持ちだ…」


何か少しだけ気分が軽くなった気がした。

ハンバーグもさっきより美味しく感じた。


何か、不思議だな…




「「ごちそうさま」」

「…ごちそうさま」


「うん、お粗末様♪…さぁ、響とママは今からお風呂に入るから有能な2人には片付けを命ずるわぁ♪」


「そんなぁ…」

「わかりました〜」


「…え?お風呂?」


母さんと!?いやいやいや!せめてもう1人!もう1人生け贄を!


「響、博樹は家族だけど見慣れない響の体は目に毒だからだ〜め。七海はアナタの敵として増えるだけよぉ?それでもいいのぉ?」


「に、兄ちゃんの裸…(こ、この前の記憶がぁぁ!?)」


「デザートはお姉ちゃんか〜♪」


「…ねぇ?敵は少ない方が良いでしょう?」


「あわわわわ…」


この人自分が敵だって公言しちゃってるよ!?


「…はい、捕まえたぁ♪」


「…捕まったぁ……」


気がつけば俺は母さんにお姫様抱っこされていた


「いざ行かん!素晴らしきイバラの国エイトへ!」


「ひえぇぇぇ…」




・・・・・・・・・・・・




脱衣場に着いた。着いたのだが…


「んっふっふ〜っ♪」


「あの、母さん…。そろそろ降ろして…」


「だって響の匂いって凄く良い匂いなんだものぉ♪」


血縁のある人の匂いって良くなかったり匂いそのものがしなかったりするらしいけど…。


やっぱり遺伝子レベルで変わっちゃったのかな…


「んふふ、抱き心地も最高だし手放すのは嫌だけど、それじゃ入れないしねぇ」

そう言って降ろしてくれた





浴室に入るとまず目に入るのは大きな鏡。

そして鏡に映るのは白銀の長髪の幼女とナイスバディな茶髪の女性。


もう体の感覚も慣れたしこの鏡に映る幼女の姿にも大分慣れた。


…幼女になった日から大分経ったが、俺は色々な事に耐性はついた。


しかし、それによって俺は変わってしまったのかも知れない…。


「ほらほら、自分の姿に見惚れるのは良いけど早くお湯に浸からないと風邪引いちゃうわよぉ?」


「わっ!?」


気が付けば母さんは俺を軽々と持ち上げ、湯に浸からせた


「はふぅ…」


「うん、力の抜けた良い顔ね♪」


「力…?」


「そう、最近の響はやたら力が入ってる様な気がしていたのよぉ〜。恋愛事情だと知った時は納得したわぁ♪」


「…………」


「響も女の子だものね…」


「俺…おかしいよね…」


「何処がぁ?」


「元は男なのに男の事を好きになって…」


普通じゃあり得ないよ…


「アナタは可愛い可愛い女の子。男の人を好きになってもおかしくないわ」


「…今は女の子かも知れない、でももし男に戻ったらどうすればいいの…」


その時俺は唯斗を好きでいられるだろうか…。

唯斗は俺を好きでいてくれるだろうか…。


「いよいよ禁忌の世界ね」


「そ、そんなの嫌だよ…」


もう外れているかも知れないけれど、これ以上唯斗を間違った道へ進ませるのは…。


「…これじゃ俺、唯斗の世界を壊す害虫じゃん…」


「ねぇ響?」


「…ん?」


「唯斗君の事…好き?」


「な、何度も言わせないでよ!…す、好きだよ。…好きかもしれない?…大好きなんだと思う…」


は、恥ずかしいったらありゃしないよ!


「自信を持ちなさいよ…」


「スミマセン…」


「…響」


「…ん?」


今度は何だろう…


「男の子に戻りたい?それとも女の子のままがいい?」


「…究極の選択だね」


「究極の選択って思う程にアナタにとっての女の子の自分の存在は重くなっているのよ」


「よ、よく解んないや…」


「響、アナタの本当の考えはママには解らないわ。でもね、男の子に戻りたくない…女の子のままがいいって強く思えばアナタはずっとそのままで居られるわ」


「…そう…なの?」


「そうよ。そもそもアナタは男の子の時の様に過ごしていたけど、戻りたいなんて言って無かったしね」


「そうだっけ?」


「それどころか女の子の生活に順応しようと努力していたわ」


まさか〜


「言動そのものは変わってないけど、振舞いというか…仕草は女の子っぽくなってきているわ」


「え!?…た、例えば?」


「元々あまりしていなかったけど、大分がに股にならなくなったわ。歩く時も座る時も股を広げる事なんて滅多になくなったわ」


「だ、だってたまーにがに股になると唯斗がうるさいんだもん…」


「それそれ、気が落ちると縮まって内股になるところ」


「えっ?」


最近は慣れてきた幼女の下半身に目を向けると、確かに内股になっていた


「…これらを含めて、女の子になってから女の子っぽい仕草は5つ以上はあるわ。おめでとう♪」


「喜ぶべきか悲しむべきか微妙なラインだね…」


「それは響のこれから選ぶ道によって決まるんじゃない?」


「そう…だね」


男の道か女の道か…


「何にしても決断は早ければ早い程良いわ。ずるずる引きずるのは一番だめ」


「…うん、ありがとう母さん。母さんに話してもらってすっごく良かったよ…」


「…ふふ、なんか照れくさいわぁ♪」


…うん、母さんのおかげでなんだか力がわいてきた気がする


母さんには本当に感謝だな


「…で、響」


「なーに母さん」


少しは笑って見えるかな?


「う、うぐ…(罪悪感がヤバい。ヤバいけども!)。ママね、最近響と全然触れ合ってない気がするのよぉ♪」


「ま、まさか…」


これは…嫌な予感が…


「んふふ〜♪久々に堪能するわよぉ〜♪」


「お、俺今から体洗わないといけないからっ!」


「つまりソレって洗ってって事ぉ♪いいわよいいわよぉ♪ママが丁寧に気持ち良くなる様に洗ってあげるからねぇ〜♪」


ぼ、墓穴掘った!?

ヤバいッ!捕まるのは分かってるけど逃げなきゃ!


がしっ!


「獲物を簡単に逃がす明治美代ではないわぁ♪この腕に手錠でも掛けちゃおうかしらぁ?」


「あわわわわ…」


「んふふ、大人しくしていればそんな事はしないわよ♪」


は〜…。俺は久々に女の子になるのか…。


「さぁ、楽しむわよぉ♪」



その日俺は気付いた。


希望さえあれば出来る事があるかもしれないという事を…。


あと、母さんと二人きりになるのがそもそもの間違いなのだという事を…。






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