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響さんの日常  作者: ZEXAS
彼氏彼女になるまで
33/91

秋とは何だったのか…

何この空白の時間…

1週間投稿は何処へやら…


取り合えず今回は秋の終わりの頃の話です。

あれ?タイトルが前書きで終わってる様な…







暑い夏を乗り越え更に友情の深まった俺達の前に時間など存在しない様なモノだった。


1学期のスポーツ祭とは別にある体育祭も大繁盛の中無事に終り、季節はとっくに冬の初期…11月中旬になった。



高橋と藤崎は相変わらずの面白い奴等で三島さんも変わりなく麗しい。

こうしてみんなと過ごしていると、何だか最初の印象とちょっと違うところに気付いてくる



三島さんは素晴らしいの一言では片付かなくなって来ている程に良いところだらけだという事


明るくて女性にも嫌われていなくて、クラスのちょっとしたアイドルになりつつある。

男共からすると多少五月蝿いらしく最初はダルがっていたが、最近はそんな三島さんに憧れの視線を流す阿呆共も増えてきた。


まぁ、俺が戻るその時までは精々叶わぬ夢を見てるが良いさ



藤崎は…まぁ馬鹿だ

頭が悪い訳ではない。だが馬鹿だ。


だけどそんな馬鹿もただの馬鹿ではなかった。

最近はただのお調子者の面白い馬鹿だと思っていたがクラスを盛り上げる祭の中心人物みたいになっていて、以外と誰にでも優しい


掃除の時には真面目に取り組み、落ちてるゴミはすかさず拾う。

実は柔道だか剣道だかの有段者で結構強いらしい。


そんなこんなで度々『仮』にも優等生なんだなぁって思わされる。



高橋は…まぁなんだ…よく分からん。


最初はムードメーカー的な盛り上げ役的な存在だった筈なのだが、だいたいは藤崎がやってしまって最近は見る影もない。


だけどかなりのカリスマ性を持ってるっぽく、クラスをまとめる時は高橋が居ないと始まらない。


藤崎の便乗して馬鹿をやらかす事はあるが、乗る時と乗らない時がある。


いや、まぁEクラスの中では一番頭が良くて一番謎なんじゃないかな…



先輩方は1週間に一回はちょっかいを掛けてくるが、だいたい水樹先輩が何とかしてくれる。


流石美人なお姉さまだ。何でも出来て素敵過ぎる!





…と、進境をまとめた処で寝よう…


最近寒くなってきて辛いからなぁ…

しかし俺は相変わらずの窓側席で、寒い朝に一筋の光の如く日光が降り注ぐこの神席では寝る事など容易い仕事なのだ。


いつもの睡眠による時間超越だな


ってな訳でおやすみ

昼になったら誰か起こしてね…


「………♪」


戦いに備えてなんたらを養うのは大事だよね…



(視点は三島さんに替わります)



今日も退屈ですこやかな1日が始まった。

いいや、響ちゃんの寝顔が独占して見れるからやっぱり退屈ではない。


私の席は響ちゃんから地味に遠い席だったのだが、この前の席替えで響ちゃんの右を手に入れた。

比較的窓に近い席なので日差しや響ちゃんの恩恵も受けやすい神席だ


「…響ちゃん、寝ちゃダメだよ」


可哀想だけど響ちゃんが悪い娘にならない様にしっかりさせないと…


「…んぅ〜。…やっぱりダメ…かなぁ…」


…!!

やっぱり天使だ!響ちゃんは私の天使だ!


「(三島さんに言われちゃあ仕方無いよなぁ…)」


「…むぅ、頑張るよ…。ふぁ〜…」


うんうん、響ちゃんはホントに素直で良い子だなぁ♪


ロシアの人って堅物であまり他人を好まないけど知り合いや身内にはとても優しいって本当だったのね。


「…三島さん、俺はもう起きたしそろそろノートに写した方が良いよ…(眠くて頭が回らない割にはスッゲーもっともらしい事言えた!やべえよ今の俺本当の紳士だよ!)」


「ご、ごめんなさい」


眠そう…っていうか寝てた響ちゃんに言われても説得力が全くない。

だけど可愛いから許す!


寝惚けた声も可愛いし!



こうして響ちゃんがカクカクし始めたら私が起こすという習慣の生まれた素晴らしい2時間目の授業は終わった




そしてお昼になって…




「み、三島さん、…い、一緒に食べようよ」


「うん、いいよ〜」


この子いつもこうなんだよね。

なんというか、おずおずしてるというか、なんというか…。


(私は例外として)男子に言うならともかく、私みたいな女子にはこんな感じなんだよね。


まぁ、『いいよ〜』って言った時の響ちゃんの笑顔をみたらどうでもよくなるんだけどね


「あ、俺も俺も〜!」


「明治に藤崎…。2人も先客がいるな」


藤崎は響ちゃん目当て

宏樹はどっちなんだろう


「宏樹はいいけど藤崎は帰れ」


「なんだよ〜!俺が入れば男女比率が丁度だろ〜!男女1対2なんてハーレムは俺が許さないぜ!」


「可哀想だし入れてあげようよ三島さん」


響ちゃんに言われるまでもなく入れてあげるつもりだったんだけどね。

どのみちアイツは無理矢理入ってくるし


「響ちゃんの壮大な慈悲深いお心に感謝しなさい」


「そうだぞ藤崎」


「響ちゃん様ぁぁぁ!」


「「やかましい!」」


全く、藤崎がいるとにぎやか過ぎて飽きが来ないわ



「っと、素晴らしい!4人で机を合わせて美なる弁当を囲むとは!これぞ真なる美で出来た友情とみたり!」


「はいはい」


「藤崎という邪魔者以外の何者でもない何かが来たのはどうでもいい、俺は三島さんと一緒なだけで十ニ分だ」


嬉しい事言ってくれるなぁ響ちゃんは


「藤崎のうるささは醜さの塊で出来た心から来ているんだな」


「…なにはともあれ、男女4人。俺と響ちゃんがくっつくのは確定的に明らかとしておいて、余り物の可哀想な三島と高橋はお互いくっつくしかない可哀想な運命を背負ってるんだよな。おお、おいたわしや…」


「「お前は何を言っているんだ」」


「愛だ!」


愛…ねぇ?

単に響ちゃんが可愛いってだけじゃないかしら?


「お前の愛など要らん」


「そんな〜…。だがその程度で諦めたらラヴ・ウォーリアーの名が廃るぜ」


「明治には森長が居るからな。藤崎の出番など無いだろう」


「…な!?何言ってんの!?高橋のアホたれ!」


「そうだぞアホたれ!」


宏樹の言っている事に間違いは無い…かな

なんかあの2人ってお似合い?だしさ。違和感はあるけどスッゴく仲良いし


でも大変よね…

森長君は学校一?のイケメン君だし、響ちゃんは学校一の美幼女


森長君は男子からの人望も高いらしいから一部の過激な響ちゃんファンしか敵は居ないだろうけど…


響ちゃんはこのクラスの生徒以外の知り合いって少なそうだから敵だらけになるかもしれないわね…


だけど


「私は出来る限り応援するからっ!」


「み、三島さんまで…」


「三島のアホたれ〜!」


「「黙れ藤崎!」」


べし


「俺の扱い超酷くね〜?(あれ?響ちゃんも叩いた…のかな?全然痛くないんだけど…)」


「(…な、何故か藤崎の頭が固かった…。手がじんじんする…)」


うん、響ちゃんってスッゴく弱そうだからみんなで守ってあげないとねっ




(視点をタカハ氏に移します)


放課後になると大抵の教室は静かになる

大体の生徒が部活に行くか帰るか自習目的で特別な教室に行くからである


教室に残る生徒は無駄にだらだらと過ごすかゲームをやってるかだ


この高校において俺はバスケ部に入っているのだが、今日はサボる予定だ。

毎月この辺りで出版される月刊誌が今日発売するからだ。


いつもは部活をサボる程急いで買う事はないのだが、先月の続きがヤバイくらい気になって今日買いに行くのだ。


…のだが


「明治に森長氏じゃないか。奇遇だな」


「タカハ氏こそ」

「どうしたんだ高橋?」


そう、書店に向かう道中でずっと名カップルと同じルートを歩いていたのだ


電車に乗っている時からいちゃいちゃと仲良さそうに話す輩がいたのは確かだが、俺が駅に降りたらそのカップルも降りて来たという訳だ


「いや、俺は今日こっちの方面に用事があってな。お前等はあれか?見せびらかしか?」


「…?何を?」

「ばっかタカハ氏ちげーよこれはだな〜」


明治もウブだが森長もウブ…なのかな?

まだナニもしてないとみた。恐らく…というか確実に明治は処女だな。

森長もDTだろう


「俺と唯斗の家はこっち方面なんだ」


「ま、まさか同棲!?」


それなんてギャルゲ?


「とめどめなく勘違いされているようだな俺達…」


「…?どゆこと?」


明治が何に対して疑問を持ったかはわからない。

だが俺は明治の天然っぷりには可能性として2つの要因がある。


1つは『まだ日本語をマスターしていない』という事だ。

帰国子女って言ってたしたぶん合ってる…と思う


2つめは『単にバカなだけ』という事だ。

この結論の方が辻褄が合いやすいのだが、致命的?な部分がある。

だってバカだったら超エリート校の波頼に入るのってキツいじゃん?おかしいじゃん?




「…で、なぜについて来たんだ?」


「たまには道草も良いかなってな」

「唯斗に同じく」


あれから明治達は俺が寄る書店について来た

まぁいいけどさ…


「もしかして明治はあの月刊誌は読むのか?」


「月刊誌…かぁ、俺は基本単行本しか買わないからなぁ…」


「月刊誌…?あ、もしかしてお前…」


ほぅ、流石は森長氏だ。勘づくのが早いな


「話が早い。ではゆこう」


「ゆこう、同志よ」


「…?…?」


顔から『解らない』が溢れてる明治は幼さ満点の素晴らしい幼女フェイスだ。

3日分の幼女成分が補充出来る程だ



(視点を響さんに戻します)



久々にこの書店に来た訳だが…うーん…。

単行本は買うとは言ったもののそんなに買わないしなぁ…。

ここは唯斗達に着いて行った方がいいのかな?





「「いやぁ満足満足〜」」


「高橋が満足するのは分かるがなんで唯斗まで満足してるんだ?」


「良い物を買えば皆満足するもんだ。明治だって可愛い服とかぬいぐるみとか手に入れた時だろう?」


「え?」


コイツ完全に子供扱いしてるな…。

まぁ子供の頃はぬいぐるみとか買ってもらってたかもだけど。(アザラシのぬいぐるみとか光宙の人形とか…)


「響は俺があげたアザラシのゴマ太郎…通称ゴマちゃんをジャイアントスイングしてたなぁ」


「ジャイアントスイング?明治が?」


「ああ、今の響と同じくらいの大きさでな。当時はもう少し小さい訳だから…」

2人の脳内の映像の人物の性別は違うのは明らかとしておいておこう…


「…う、寒い…」


心地良かった秋風は何処へやら…。11月下旬にもなると風が冷たいのぉ…


「寒いか高橋?」


「いや?全然。結構色んな所に貼るカイロを仕込んでるからな」


「なるほど、万全な訳だ」


「いいなぁ〜…。この時期にカイロは早いと思ってた俺が馬鹿みたいだ…」


そこまで寒くないが、なんというか…ムズ痒い?微妙な寒さなんだよな…


「俺に抱き着いてれば暖まるぞ」


な、なんか暖かそう…


「な、何言ってんだ…。そんな事する訳ないだろ…」


「残念だなぁ…。今ならお家までご送迎してあげる権をあげたのに」


「えっ?」


「しかし優しい唯斗さんは響ちゃんを抱っこしたりお姫様抱っこしたりおんぶする事でご送迎してしまうのだ!」


…な、何言ってんだコイツは…。

だが、ここからは家も近い。あんまし問題にはならないだろう…


「…それで手を打とう」


「よしきた!」


ひょいっ


「ま、またかー!」


唯斗は俺を抱き抱えると、上に軽く飛ばした


ぽすっ


「おし♪」


「何度喰らっても慣れないな…」


「路上でお姫様抱っことは…。見せ付けてくれるなぁ2人とも〜」


「う、うるさい…」


「そうだぞ!これはいつもやってる事をやってるだけで決して見せびらかせてる訳ではないぞ!」


唯斗の奴本当の事を言いやがって…


「い、いつも!?」


「いつもはおんぶ。時々姫様。な、甘えんぼさんの響ちゃん?」


「う、うるさいなぁ!もう下ろせよ!」


何となく暴れてしまった

唯斗に手とか当たってないかな?もしかして本当に下ろされちゃうのかな?


「バカめ、折角の幼女を下ろすとか紳士としての恥だ!下ろす訳がなかろう」


そう言って唯斗はお姫様抱っこの体勢のまま走りだした


「じゃあなタカハ氏〜」


「お、おぅ…」



そして俺達は高橋と別れた







曲がり角を曲がったりして高橋が見えなくなると、唯斗は歩き出した


「響、大丈夫か?」


「ん?何が?」


「俺の愛に押し潰されてはないだろうかと…」


「ねーな」


「悲しい事言うなよ」


愛だとか何だとか言ってるけど、唯斗は俺の事どう思ってるんだろう…


「なぁ響」


「ん?」


「やっと2人きりになれたな」


な、何言ってんだコイツは!?


「だ、だからなんだよ」


「…ふふ、何でもない(顔赤くしちゃって〜♪可愛いなぁコイツは〜!)」


「何でもないってなんだよ」


「でゅh…何でもないったら何でもな〜い!」


一瞬笑わなかった?でゅhって笑わなかった?

…まぁ気のせいか


「唯斗?」


「どうした響?」


「お前、モテるんだろ?俺なんかに構ってて良いのか?」


「何言ってんだ。親友との付き合いをすっぽかす訳ないだろ?」


まだ俺を親友として見ていてくれてたんだ…


「いやいや、親友も大事だが男としては彼女くらい欲しいだろ?高校生なんだしさ?」


「…だったら……」


「ん?」


「…響が俺の彼女になればいい」


えっ!?


「えっ?」


「どうだ?俺達お似合いって言われてるんだぜ?まぁまぁイケメンの俺と超絶美幼女の響…。ギリギリ吊り合うと思うが…」


「い、いきなり何言い出すんだよ!」


何考えてんだコイツ!!


「俺は…今はこんなだけど男なんだぞ?」


「構わん」


うぐぐ…


「元に戻ったらどうすんだ?」


「全力で幼女の響に戻す方法を探す」


無茶苦茶だ!それって見た目が良いだけで選んでるだけじゃないか?


「…ああ、そうかもしれない。所詮人は見た目でしか判断出来ない生き物だって事がよく分かった」


「…なんかそういうのヤダ」


「お前はどうなんだ?」


「何が?」


「こういう時は『私も好き』って言うもんだ」


私もって事は…

もしかして…唯斗は俺の事を…


「…あ〜。すまねぇ…。俺変な事言ったわ…。俺の努力不足だな…。すまん、忘れてくれ…」


「本当に変だぞ…?何かもう解らないよ…」


「…よし、走って行くぞ!落ちないようにしろよ!」


「なわっ!?」


唯斗は響に顔を見られないように響から顔を反らして走った。

響はビックリして目を瞑り、唯斗の腕の中で丸くなるしかなかった



何事も無く響を家まで送った唯斗はしばらくその場で棒立ちになった


「(終わった…)」


「(初めて幼女になった響と会った時は本当に驚いた。あまり信じられなかったけど、男の響はもう居なくて…)」


「(響は女になっても響だった。馬鹿で純粋で、簡単に嘘を信じて…。性格、素振りは響なのにとっても可愛くて…)」


「(容姿だけで人を見る他の女とは違う。俺の変態チックで犯罪チックな行動も何だかんだで受け入れてくれた…)」


「(俺はいつの間にか響に惚れていた…)」


「可愛くて、可愛くて、可愛い…。もっと話したい、触りたい、よしよししたい…」


「でも、終わってしまった…。楽しい毎日が…」



森長唯斗は涙を堪えてその場から立ち去った…








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