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響さんの日常  作者: ZEXAS
彼氏彼女になるまで
28/91

幼女の海での三日間(2)

今更な説明ですが、あらすじに「ちょっとずつだけど心が変わっていく」的な事を言っていましたが、ちょっと説明します


まず、心が変わっていくとは言っても精神が完全に女性化したり、言葉遣いが変化したりする事はありません


だから一人称が変わる事を恐れている方はご安心下さい

一人称は変わって欲しかったという方…すみません


そしてTS物ではよく見掛ける「男性の精神と女性の精神がどうのこうの」みたいなヤツはありません


精神が分離したり男性の精神が消えたりなんて事は多分ありません

だってソレは作者の求める世界じゃないもの


作者はただ、己が欲した萌えの道を突っ走るのみでごさいます



「はぁ、酷い目にあった」


「可愛いかったね〜」


「ね〜♪」


※百合的イベントの事後ではありません


「あと少しで何かが来てたよ…危ない危ない…」


「「(あと、少し…!)」」


「(勿体無い事しちゃったなぁ…)」


「(あと少しで何が来てたんだろう…?)」


後悔する三島とまだ純粋な七海、そして周りの海水浴に来た人達の目を釘付けにする銀髪の少女もとい幼女の3人は、生き別れとなった3人のアホと幼女の母と弟のもとへ向かっていた


しかし、響達の前に3人の男が立ちはだかった


「ねぇそこのキミ達!」


「んっ?」


響達の目の前に現れた3人はどいつも金髪DQN不良高校生と言った感じの奴等で、ナンパとかそんな感じの汚れ仕事にはおあつらえ向きの悪役モブである


金A「キミ達超可愛いね」


「え?あの…」


な、なんだこいつら…

3人の金髪がいきなり来やがった


こんな奴等知り合いにいたかなぁ…?


「なんですか〜?」

「…誰?」


金B「いやぁ、キミ達があまりに可愛くってさぁ〜。ついつい声を掛けちった訳よ〜」


金C「お、おい…いきなりぶっ込み過ぎだぞ?」


金B「(小声)大丈夫大丈夫。約一名の隠れ美少女はともかく、残りはチョロそうだぜ?」


金C「そ、そうなのか…(初ナンパでチョロいとかどういう事だよ)」


可愛いって言われても嬉しくないんだよなぁ…

…ん?もしかしてこいつら俺らをナンパしてる?


くそー!

俺なんてナンパした事もされた事も無いのに〜!


逆ナンは男のロマンなのに初逆ナンが男だと!?

ふざけんな!


「(お兄ちゃん…どうしよう…)」

「(ま、まさか今年一番のナンパがこんなのなんて…。もーちょいロマンが無いかなぁ…)」


響は自分を哀れ?に思い、七海は響と同じで押しには弱く、以外と乙女趣向な三島はつまらないナンパに落胆していた


各々の思いをよそに男はガンガン口走る


金A「俺達8人くらいの大人数で遊ぶのが大好きでさ〜、キミ達を入れると理想に近い数になんだよね〜。だから今から俺らと遊ばなぁ〜い?」


金B「さっすがトシちゃん!スッゲェ美少女ゲット〜」


「いやぁ、俺達にも連れがいてさ。ごめんね」


金「「オレっ娘!?超かわええ!」」


「(さっすがお兄ちゃん)」

「(い、以外と勇気あるのね…。響ちゃんって無抵抗な所あるのに…)」


(※女性の前では紳士なのであまり抵抗はしません。ヤバくなるまではされるがままです)


響は立ち去ろうと歩き出した

しかし初めてのナンパが空振りで終るなんてまっぴらな金A(トシちゃん)は逃がすかとばかりに響の腕を掴む


「まぁ待ちなよお嬢ちゃん…(と、取り合えずはセーフだな…)」


そのまま掴んだ腕を引き戻すトシちゃん

もはやセーフではない


「うわっ、ちょっと!?」


いきなりの出来事に体が反応せず、響はそのまま後ろに倒れてしまった


「うっ…」


「お兄ちゃん!」

「響ちゃん!」


あ、あれ?痛くないのにちょっと目が湿っぽいぞ?


金A「おいおい…大丈夫?」


「あんた達よくも響ちゃんを…」

「お兄、お姉ちゃん大丈夫?」


金B「何やってんだよトシちゃん!泣いちゃうかもしれないだろ!」


金C「女の子には優しくしないと駄目だろ」


金A「すまん…」


あれ?以外と良いヤツ?


「おりゃっ」


「わっ!?」


その時響は別の男に持ち上げられた


「あ、この子俺の連れなんで貰ってくわ」


ギロッ


響を持ち上げた男の眼光は鋭く、金髪達は頷くしかなかった


「んじゃ、行こっかお嬢ちゃん」


な、なんなんだ!?


「誰だよお前!降ろせよ!離せよ!」


「お姉ちゃん…」

「響ちゃん…」



俺を持ち上げた男は素早い手付きで俺をおんぶした


そして何処かへ向かって歩き出した


まだ顔を見てない

だけど、おんぶされてから不思議と気持ちが落ち着いて抵抗する気がなくなった


「随分大人しくなったな」


「う、うっさい」


なんか…この感覚…


「響ちゃん…すっかりくっついちゃって…。なんか和むなぁ」


「こんな可愛い顔もあるのかぁ…お母さんに教えてあげようかな…」


た、たまには女の子っぽくべったりするのも悪くない…かな?


「(可愛い奴め)」


響がその謎の男が唯斗だと気付くのは美代達の所へついてからだった




十数分後


俺達は母さんの所についた訳だが、『先に遊んでらっしゃい♪』と言われたので母さんを除く女性陣で先に海に入ろうとしていた


ちなみに母さん以外はみんな連れションだとさ


だから三島さんの水着姿を見る栄光は未だ俺と唯斗と七海と母さんだけのものだな


「よっしゃあ!一番深い所まで行くぜー!」


「あっ駄目よ響ちゃん」


「なんで?」


「あ、いや…ほら学校でも大変だったじゃん?(ちっこくて天然だから危なっかしいなんて言えない…)」


「お姉ちゃん、これ!」


七海が持ってきたのは薄ピンクの浮き輪だった


「え?俺に?」


「うん、お姉ちゃんも色々と大変だろうから…。使って?」


うわあぁぁぁぁ!

なんて兄思いなんだ!


「ありがとう七海!ありがたく使わせてもらうよ!」


俺は嬉しすぎて浮き輪を奪う様に受け取った


「…可愛いわね」

「…うん」


「早く行こうよー」


「「(ぐはぁっ!)」」


…よく考えると本来男のする事じゃないよねコレ


まず浮き輪

正直男で浮き輪とかありえない

しかもピンクだぜ?

…ソレをあろう事か超嬉しそうに受け取るとか…。


…嬉しかったけどさ?


うーん、男ならクールに

『俺は良いから。それに可愛い浮き輪は可愛い女の子が使うべきだと思うぜ?』

ってな感じにさ?超クールに断りつつ印象付けしたいもんだよ


そんでさ?

段々お近づきになっていつかは付き合っちゃう訳だ


相手は勿論三島さん!

いやぁ、あははは〜


「えへへ、えへへへへ…」


ズガーン!


(※雷の音?だと思います)


「守りたい、この笑顔(お兄ちゃ〜ん♪)」


「同感ね」




―少し経って―




「浮き輪も悪くないな」


この体は水に少し弱いのか、長時間冷たい水の中にはいられなかった


だから今は浮き輪に乗る?というのかな…?

お尻だけ水に浸かる体制で波に揺れる浮き輪を堪能していた


「あー、太陽あったけ〜」


「お姉ちゃんってこんなに可愛いかったっけ?」


「七海ちゃん…。あなた十数年一緒に居て気付かなかったの?」


「あ、いやぁ…あはは」


「仕草はまさに姉妹ね」


「……?」


和やかな雰囲気の3人の元に1人の少年がやって来た


「おーい、七海姉ちゃ〜ん!」


「博樹、どうしたの〜?」


「テントを建て終わったから来たんだよー」


「他のみんなは〜」

「唯斗は!?」


「「(おおう…?こりはこりは…♪)」」



「母さんはもうすぐ来るけど、唯斗さんとその友達はおっきな穴を作ってその中に1人を突き落として埋めてるよ」


「…落とされたのは藤崎だな…可哀想に」


「ちょっとした娯楽には丁度良いじゃない」


「うへぇ…」


そしてすぐに母さんが来た


「お待たせ〜」


もう海水の中だというのに胸が揺れている様に見える…

こりゃ男も悩殺だな…


まぁそんな母さんの子供である俺や博樹には耐性が付いているから大丈夫だが


ここに耐性の無い女性が1人いた


「ま、まるで浮き袋ね…」


「浮き袋?響ったらピンクの浮き輪に…。お人形さんみたいねぇ♪」


「ぼ、僕は唯斗さん達を呼んで来ようかな…」


博樹は素早く泳いで浜の方へ行ってしまった…


ま、まぁ女性の中に男が1人って辛いよな…

今まさに俺がそんな状況下にいるんだが…


「さぁみんなぁ、響を回すわよぉ♪」


美代がいきなり浮き輪ごと響を回転させた


「のわぁ〜!」




唯斗達が戻ってくる頃になるまで響は回されていて、すでに目が回っていた




別に朝早くに家を出た訳ではなかったので、あっという間に12時になってしまった


紳士である俺は浮き輪を女性陣に与え、自分は海に体を預けている訳なのだが、これがまた足が地面に着かなくて超不安だった


浮き輪のお蔭で深い所まで来たこの体には身長的な意味で合わなかった様だ


男共でさえ胸の辺りまで浸かっているんだもの…


しかしみんな水とか海とか得意なのか、さっきから波に飲まれる気配が全くないのだ


それどころか俺が浮き輪に乗っている時は支えてさえくれた


「大丈夫か響?」


唯斗が声を掛けて来た


「な、なんで」


無理して強がってるのを悟られたら恥ずかしいな…


「よく頑張ったな響。もう俺の背中に乗っていいぞ」


「えっ?」


ば、バレた!?


「ははは、さっきから必死で浮こうとしてるのが見え見えだからなぁ。きっとみんなも気付いてるぞ?」


「頑張る響ちゃんがあまりにも可愛いかったから見ててしまった…。だが脳内フィルムにはしっかり収めたぞ!」


「こればかりは藤崎には同意するわ♪」


みんなの言葉を聞いている頃には俺は既に唯斗に乗っていた。

体は相当負荷が掛かっているみたいだな…


「あまり無茶すんなよ?今までとは勝手が違うんだからな」


「ああ、すまん…」


「よしよし良い子だ。そいじゃ、急いで拠点まで行くぞ!」


拠点?


「なんだっそら」


「テントだよテント。あんな大きなテントを組み立てるには男手は欠かせないからな。男性陣の全員で建てたんだ」


「そうなのよ〜。これだけの人数なんだからおっきなテントを2つも持って来てたよー♪」


「ほうれ泳ぐからしっかり捕まってろ」


唯斗が浜に向かって泳ぎだす。

俺は唯斗に手を回し、しっかりがっちりギュッてした


「(おほぉ…絶壁の筈なのになんか柔らかいんだが?これが女の子の肌なのか〜!?)」


「おお〜。早い早い〜♪」


俺を装着している割には唯斗の泳ぐスピードは早かった。


俺は自分でない何かの力で水に抵抗するときの心地良さに浸っていた


「どうだ、良いか?」


「うん!…あ、いや、最高だよ、だぜ!」


精神は肉体(ry

仕方無い…仕方無いのだ


「いやしかしだな…この感覚…何処かで…」


「おん?」


…そうだ、昔父さんを含む家族全員で海に行った時も父さんが俺や博樹や七海を乗せてこうして泳いでくれたっけな…


今は海外に居る父親との思い出が甦り、響はいっそうギュッてした


「(な、なんかエロゲじゃね!?超エロくね!?)」


もちろん響に唯斗の心など読めはしまい




・・・・・・・・・・・・




昼飯を食べ、何の事件も起きずに4時になった


片付けは俺を除く男達がして俺達女性陣は海の家で待機

全く面目無い…


だが三島さんにカッコいいところを見せようと唯斗達に混ざろうとしたらみんな必死に止めようとするんだ。解せぬ…


実は今回母さんが起こしたイベントは2泊3日の特大イベントであり、近くのホテルに泊まるのだが…


結構高いホテルで、内装もゴージャスだった


いくらエリート校の三島さん達もまだまだ学生

そんな所に泊まる余裕も無い…のだが、なんとこの馬鹿あさんはみんなの宿泊代をぜーんぶ払ってしまった


しかも海に来ている時には既に予約していたらしく、みんなは「キャンセルされると困るのよ〜」と嘘泣きする母さんの策略?にはまり渋々ホテルにチェックインしたのだった




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