水着買い回(番外編)
今回は番外編です
なんで番外編になってしまったかと言うと、タイトル名を考えるのに苦労したからです
ちなみに候補だったタイトル名はこちら↓
『しま○らへ行こう』
『GO!GO!し○むら』
『しまむらヒャッホイ!』
…ね?酷いでしょう?
さて、いきなりだが俺はソファーでゴロゴロしている
程よい睡魔が俺を襲い、欲望のまま寝てしまいたいところだが、そうはいかないのだよ…
…母さんが居る
別に良いんだけどさぁ
俺を買い物へ連れていこうとしているのだ
それも水着の買い物に…
いずれ着るから仕方無いんだけどね…
ほら、最初くらいは抵抗しないと
母さんに抵抗してもムダなのは分かってるが、抵抗しないとどこまでも暴走するからなぁ
「響?準備は終わった?」
「まだです…」
「早くしなさい。今日は七海も一緒なんだから」
「で、でも…この格好は」
そう…俺の今の格好が問題なんだよ…
白いワンピース…
それもフリル?がいっぱい付いてるフリフリのヤツ
肩紐のある夏とか着てるの見るとこっちも涼しくなる感じのワンピース
あれって脇チラだよね
鎖骨チラだよね
こんな少女染みた服着て外なんて歩けないよ
全く男心の分からん母親で困ったもんだ…
いや、分かられても困るけどさ、察してよ…
元男ですぜ?
「こらっソファーでゴロゴロすると服がシワシワになっちゃうでしょ〜!…可愛いけれどもっ」
「うわっ!母さんいつの間に!?」
どてっ
「響!?大丈夫!?」
ま、またやっちゃったよ…
ソファーから落ちるのは男の時からなんだよな…
「…………いたい」
「(い、今だ!)」
ひょい
「わわわ!」
たった一瞬で俺は母さんに抱っこされていた
抱っこされたもんだから母さんの顔が近い
一般的にみればかなり美人さんなんだよな…
母さんだと分かっててもドキドキするな……
い、いかん…睡魔が…
「響?どうしたのぉ?」
「んぁ…母さん眠い…」
「あらあら、じゃあ暫く寝てなさい(チャァァァァアンス!!)」
「うん、ありがと……」
そして響の意識は消えた
「う、こんなに素直な子を騙すなんて…。いや、騙してるのかしら?これは響ちゃんの為の買い物なのよ?う〜ん…」
その後美代は何回か考えた後、響の寝顔を見た途端
『全然OK!みんなに可愛い我が子を見せ付けちゃえばいいわ!!』
となった
「七海ぃ?行くわよ〜♪」
そして響のあちこちを撫で回しながら車に乗せる美代だった。変態だね
ちなみに博樹は部活で今は居ない
今回七海は昨晩しまむらに行くから昼は各自で済ませる様に伝えると、「私も行きたい!」と言い出して今に至る
・・・・・・・・・・・・
響は到着地点又は止まる場所に近付くと起きる体質である
電車やバスで通学、通勤する人にとっては凄く便利な体質だ
しかし、今の響にとっては『心地よい夢』から早く覚めるのを助けてしまう、何かアレな体質であった
「……うー?」
「あら?起きたの?」
「ううぇあうえうえう…」
(訳 何か…揺れるよぅ)
「…え?(可愛いけど何て言ってるか分かんないわ)」
「うぇううぃ…」
(訳 ねむい…)
「取り合えず何か飲みなさい」
美代は運転中にも関わらず、器用に響にカフェオレを渡した
響はカフェオレを飲み、『冷てぇっ』と思いながら頭を回転させていった
「あれっ!?ここ、車の中!?」
「そうよぉ♪ふふふ」
「あわわ…まだこの服だ」
「今日はその服装でお買い物よ♪こーんなに可愛い子とお買い物なんて…ママは鼻が高いわぁ♪」
「ど、どうしよう…」
こんな姿を唯斗に見られたら大笑いされるに違いないよなぁ…
写メられて拡散だな…
…いや、唯斗の知り合いに俺の事情を知る奴は居なかったな。危ない危ない
(※もし見つかっていたらまずはC全員に拡散→C全員が他の人へ拡散→誰かがネットへ拡散となります)
俺が辺りを見回すと、七海が隣に居る事が分かった
「可愛い可愛い眠り姫のお目覚めぇ〜」
「な、七海っ俺は男だ!って言うか知ってるだろ?」
「こんな可愛い服着て言われても説得力が無いよ?」
「…まいったなぁ」
正論過ぎて言い返せねぇ
確かにこんな可愛い服は可愛い女の子が着るに相応しいよなぁ…
三島さんが着てたとしたら…くぅぅぅ!最ッ高〜!
「お兄ちゃん…いや、お姉ちゃん、何でそんなにコッチまで和んじゃう様な笑みを浮かべてるの?」
「え?あ、いやぁ…紳士のたしなみと言うか何と言うか…まぁ、男には色々あるんだよ…」
「今は女の子だけどね」
「慣れたよ…その流れ…」
「もう3ヵ月以上は経つもんね」
「ま、女になっても頭の悪さわ変わらないもんさ」
「どういう事?」
「飲み込みが遅いし、なかなか順応しない」
「飲み込みに関しては分からないけど、お姉ちゃんはかなり順応してると思うよ?」
「え?何で?」
「いや、普通は発狂やら何やらするものだよ?」
発狂て…無茶苦茶だな…
「でも、言われてみれば俺ものんき過ぎかもね」
「響は天然なのよ」
「私もそう思う」
「それは無いな」
ないない、あり得ない
それにもし俺が天然だとしても、男の天然とか天然じゃなくて天災じゃないか
まぁ、女の天然も最近は作られし天然「アーティフィシャル天然」だしな
もう本当の天然など居ないこの世界に「私天然だよ〜」って言っても誰も信じまい…
・・・・・・・・・・・・
それから数分もしたら目的地?のし○むらに着いた
母さんと七海はササッと車を降り、俺はダルそうに降りる
「(ふふっ、車を降りた途端に辺りの人の視線はみーんな響へ集まったわ♪ちょっと悔しいけど気にしないようにしましょう…)」
何故か母さんは隣で喜んでいる。のんきなもんだ…
よく分からんがこっちは物凄く不安なのに…
しま○らに入ると、母さんは俺の手を取りカカッと水着コーナーへ引っ張っていった
水着は最後でいいじゃん…
「うんうん、何が良いかしらぁ♪」
「私も買っちゃおうかな」
「今日はママがドーンと買ってあげる♪好きなのを選んでらっしゃい」
「おお…今日は随分と羽振りが宜しいようで…」
「わーい♪早速良い服探してくるねー」
「(七海と2人で堪能するのも素晴らしいけど、やっぱり独占が一番ね♪…まぁ偶然起こった事だけど、人使いが上手いって事にしときましょ)」
折角…でもないけど水着の所に来たってどれが良いか分かんないよ…
「か、母さん…」
「どうしたの響?」
「ううう…」
「ふふふ、大丈夫よ」
母さんは察してくれたのかそう言った
「ママが選んであげるわ」
察して無かった
「ほらほら、試着室に入ってなさい、良いのを持ってきてあげるわぁ♪」
「ひぇぇぇ」
何となく逃げてみたが逃げたその先は試着室
逃げる理由も無い?ので俺は試着室へ入って行った
「おおお…」
試着室には鏡がある
いや、無いと困るのだがって言うかそれはもう試着室ではなく更衣室だ
つまり俺は鏡を見た
そこには良い意味での爆弾があった
その破壊力は爆弾なんてもんじゃなく、ダイナマイト…いや核兵器と言っても過言じゃないな
白よりは銀=白銀の髪、白いワンピース、若干赤みの掛かった白い肌…
なんか今の俺って全体的にかなり白くね?って感じだが、その白く輝く爆弾はまるで天使の様であった
「ふぁぁ」
「ほらぁ、自惚れしなぃ」
「ひゃぁ!?」
「ひゃぁ!だって♪可愛いわぁ♪」
「母さん!?」
鏡があるからすぐ分かる
「見て見てコレ!響ちゃんにぴったりだと思わない?」
そう言って持ってきた水着は赤色の紐のヤツ
「原色って…ボクサーパンツやサンバの衣装じゃあるまいし…」
「あらぁ?今響ちゃんは全世界の色気使いのお姉さんを敵に回しちゃったわね」
「俺は…そんな詐欺師まがいの女なんかより純朴で普通な女の子が良い」
「ヒューヒュー、…と言いたい所だけど響ちゃんはおn」
「分かってる…分かってるよ…てか慣れたよ…」
「それはそうともう一着」
そして母さんが出した水着は水色の紐の着いたヤツ
紐好きだね
「あのさ、そんな胸の辺りとかユルくなりそうな水着よりさ、俺がいつもしてるスポーツブラみたいなヤツは無いの?」
「胸が無いならPADを着ければ良いじゃない」
「PADて…」
「大抵の女の子は着けてるわ♪」
「そんな夢も脂肪も無い事を…」
「逆にPADの方が夢があったりするのよ?『付き合ってた子は巨乳。しかし自分は貧乳派。…ある日の夜、彼女のお誘いで親が留守の彼女の家にホイホイ入ってしまった』」
「う、うん」
「『1つ屋根の下でカップルだけ、つまりやるこたぁ1つ!今日俺は魔法使いの修行を卒業し、栄光の道を歩み始めるのだ!』」
やる事って?
「『彼女の部屋…良い匂いだ…。この匂いだけで俺のタートルヘッドソードがスタンティングオペレーションだぜ。…そして彼女は恥ずかしそうに服を脱ぎ始める』」
スタ…え?
「『俺は目を疑った。彼女の自慢のエベレストはそこには無く、絶壁に近いものが広がっていた。彼女はとても恥ずかしそうに、やっぱり貧乳は嫌だよね?と言った』」
「彼女さんも不憫だね」
「『俺はこう叫んだ、イヤッホオオオゥゥ!と…。俺達は晴れて両思いとなり、数年後に結婚した』」
「いい話じゃん」
「ね、PADも悪く無いでしょ?」
「いや、それ以前に着けないし」
「確かにその身長ではPADは要らないわね。身体年齢自体が低ければ成長するかもしれないけどねぇ」
「身長だけは欲しいです」
「今考えても仕方無いわ♪それよりコレなんかどう?」
「よく分かんないけど、もうソレでいいよ、何か黒ってカッコいいし」
「うふふ、うふふふふ…(適当な話で響を疲れさせて「もうソレでいいよ」発言させる作戦大成功♪…うふふふふ…)」
後にこの適当な返事がわりと面倒な事を起こす事になろうとは、当時の俺が気付く事は無かった
…眠かったし