博樹を攻略せよ!
一応1週間ぶりですね…
さて、最初に言う事があります。
『この物語はあくまでHEIWAです!鬱展開及び可哀想な展開はありません!』
最初と言うか1話の時に言うべきでしたね…
その週の休日
俺は珍しく早起きした。
俺と博樹は朝に弱い
よって、俺は博樹を起こす事に決めた。
まずは親しく…
そう、スキンシップが大事なのだ。
ダダダダダダダダ!
バターン!
「博樹ぃぃぃ!起きろぉぉぉ!」
可愛い声が部屋中に響く
響は博樹に近寄り揺さぶった。
「ぅあぅあぅあ…」
「起きたまえ博樹ボーイ」
「母さん…?」
ギュッ
「………!?(なんだとぉぉぉぉ!!?)」
寝惚けた博樹が俺に抱き付いてきた。
う〜ん、何年振りだろう
あの頃を思い出しながら博樹の頭を撫でる俺
「母さん…」
て言うかなんで母さんと勘違いしてるし…
…なんて現実逃避
はぁ、今は女だもんな…
兄のぬくもりなど一ミリも無い。
そうだ、気付くまでこうしてようか?
そうしよう!
気付いた時の反応が楽しみだ。
いやぁ本当にイタズラ好きだな俺って♪
「母さん?じゃない?」
お?気付いたか?
「七海か?」
面白いから頷く。
七海は茶髪を越えて金髪がかかっている為(地毛)俺の白い髪がイイ感じに博樹の思考を誘導したのだろう
「いつもの様にほっぺにチューしてよ…」
いつもの様に?
意味分からんし恥ずいし!
兄妹だろ?
「そうやって七海はいつも恥ずかしがるね…」
いったい七海と博樹の関係って…
「あーあ、チューしてくれたら起きるのになぁ〜」
…………………。
俺の知らない世界があるぜぇー!
なーんも知らない世界があるぜぇー!
………どうすんのコレ?
「よっと」
「うわっ」
俺は博樹に引き寄せられ…
ほっぺにチューしちまった…
「んむぅ」
「…?あれ?七海ってこんなに弱かったっけ?しかもいつもより良い匂い…」
博樹が俺の頭を撫でる
悪い気はしないな…
唯斗…
ってなんで今唯斗が出てきたし!
意味が分からんよ全く…
だが撫でられるのは悪くないな…
今は博樹の膝に俺が仰向けになってる状態だ
「ん?あれ?」
二度寝したくなってきた
俺の目が閉じてきた
眠い…
「………?(七海ってこんな小さかったっけ?)」
最近はこうやって人に触れてると気分が良くなるんだよなぁ…
「………?(それに白い髪…?…まさか)」
………………。(←寝てます)
「ッ!?お前は!」
博樹が響のほっぺをつつく
「ん…んぅ…んぁ?」
「…!?(…一瞬可愛いって思っちゃったよ…)」
「…?博樹ぃ?」
…博樹か、…オレの眠りを妨げるのは…
ってなんで博樹んとこに?
「(何故焦ってるか知らないけど、これからどうしよう…。顔が赤いのばれてないよね?)」
なんでこんな事に…
思い出すんだ
……………………………。
やっぱ無理!
まぁとりあえず…
「博樹!とにかくメシにしようぜメシ!」
今は腹が減った!
「え?あ、ああ…」
それから母さんを2人で叩き起こし、涙目の母さんに朝食を作ってもらった。
七海には寝ててもらおう
今は博樹と過ごす時間を増やさないといけない
そこで俺はこんな提案をした
「博樹、ちょっと遊びに行かないか?今日は部活も休みだろ?」
「……!?(何考えてんだコイツ?あからさまに喧嘩腰の僕に遊びの誘いって…)」
「よし、9時になったら出掛けるから支度しとけよ?」
「えっちょっと…おい…!(どう言う事だ?)」
・・・・・・・・・・・・
今俺達は外に居る
まぁ正確には一原街だな
ははっ、博樹は無理矢理連れてきた。
それくらいの力はあるさ!
「まずはバッティングセンターにでもいこうぜ?(ホームランでも出せば威厳回復するかなぁ…)」
「ああ…(もしかしたら兄ちゃんの手掛かりがあるかも知れないな。コイツの正体を暴く為にも今回ついてきた訳だしなぁ。少しは収穫がないとな)」
響達はバッティングセンターへ向かった
それぞれ色んな思いを持って…
「よしっ博樹。すっごいのかますから見てろよ!」
「ああ……(ココに手掛かりが?)」
お金を入れ配置につく
そしてバットを構える…
「…誤解を解かないと」
ボシュッ
機械から球が出る
俺は己の感覚をこれでもかと言うくらいに研ぎ澄ます
球がスローになる
丁度良いところでバットを思いっきり振る
「ふんぬっ!!」
ブゥン!
「あれ?」
なんか思いっきり空振りした。
なんで?え?なんで?
ボシュッ
「とりゃ!」
ブゥン!
「………。」
ボシュッ
「いけ!」
ブゥン!
「………。」
(以下略)
「はぁはぁはぁ…なんで?マジでなんで!?はぁはぁはぁ…」
響はまだ自分が女だという事を自覚していなかった。
前より一回りも二回りも小さくなり、盛っても145前後の体で以前の感覚でバットを振ったらボールにかすりもしない
しかし響は諦めずお金を追加し、無謀な挑戦を続けた
「はぁ…はぁ……」
博樹は見てるよな…
こんなしょーもないお兄ちゃんを見てるよな…
って博樹居ないし!?
何処だ?何処に居る?
とりあえずボックスから出よう。危ねぇし…
と、目の前に3人くらいの男達が…
「お嬢ちゃん」
お嬢ちゃんじゃねーつーの
ってお嬢ちゃんか…ははは
(このパターンは結構続きます)
「ちょっとこれから良いトコ行って俺達のバットも触ってみないか?」
「ブランド物ですか?」
いやぁ安モンだろうなぁ
なんかバカっぽそうだし安物掴まされてソレをブランドだと可愛い女の子に見せびらかして惚れさせる魂胆だな?
(※響さんは純粋です)
「…え?…ぁ、ぁぁ…すっごいヤツだぞ〜。お嬢ちゃんの手だと握り概があるぞ(見た目通り子供か、………最っ高!!)」
「えぇ〜俺でも簡単に持てるヤツが良いなぁ」
「大丈夫だ、問題ない(粗○○で良かった、マジで良かった)」
そんな話をしながら博樹を探してたら見つけた。
博樹も俺達に囲まれてる
あれ?ヤバくね?
助けないと!
「ちょっとスミマセンね〜」
「お嬢ちゃん!?あっソッチは…(此処等を仕切ってる「皆逹組」だ。俺の姫がぁ…)」
バットは魅力的だったが博樹が第一だ!
「おい、テメェら!!」
「「ああん?ぁんだテメェ」」
5人くらいの極道の方達が声を揃えて此方を向く
「そこに居る坊やは俺の大事な弟だ!俺の弟に指一本でも触れてみろ、お前ら死ぬぞコラァ!」
俺が博樹の所まで駆け寄り博樹を庇う様に両手を広げると1人の男が此方へ来た
「おい嬢ちゃん!ワシ等とやろってのか?」
「やってみるか?」
「上等だコラァ!」
ブン!
どんっ
男の拳を軽く避けた俺はそのまま突っ込み男を倒す
「ぐはっ」
「「(アイツ、口だけで弱いんだよなぁ…。パンチは凄いけどコントロールは糞だし、打たれ弱いし)」」
世の中なんとかなるもんだ
「テメェらも黄泉送りじゃああああ!」
ばしっ
ばしっ
ばしばしばしっ
ばしっ
「ココが貴様の死に場所だぁ!」
ばしっ
「フッハッハッハッハ!」
ばしっ
「はぁ…はぁ…はぁ…」
全員に何発か喰らわしたが一向に痛そうな様子を見せない
「「(全然痛くないw)」」
男達は余裕の表情でにじり寄ってくる。
「うわぁぁぁ!なんで喰らわないのぉぉぉ!?」
もう半泣き状態で殴りまくった。
男達は俺を壁際に追い込んでいた。
逃げながら殴る戦法は使えない。
しかも半泣きが本泣きになりそうだ…。
「ううう…うううう〜…」
「さっきまでの勢いはどうした〜!」
「…ひっく……うるしゃぃ!…ひっく…」
ばしっ
「ぐはっ」
「「(調子に乗るからだwwwそれにしても可愛いなぁ…。このままヤっちまおうか?)」」
「「(異論は無し)」」
「く、来るなぁ…ひっく…」
「……(僕に絡んできた男達は居なくなった。何故か…。アイツが助けてくれたからだ。いくら憎いヤツだとしても、自分を助けた人を、ましてや少女を見過ごす訳にはいかないっ!)」
助けに向かおうとする博樹の前を1人の影が通り過ぎる
「(ってアレ?あの人って)」
「フヒヒヒwココは死角じゃ、ナニやってもバレはしまいwww」
「…な、何をする気だ…」
知ってる
このパターンはぶっ飛ばされて殴られて蹴られるヤツだ…
両腕を捕まれ身動きが取れない
糞ッ!女子ってこんなにも非力なのかよ!
「くんな!触んな!」
「可愛いねぇ、まだ抵抗しやがる!(最近の娘にしちゃあ良い根性してんじゃねーか)」
「このっこのっ!」
まだ自由な足を暴れさせる
ガシッ
「ッ!?」
「良い蹴りだな(技量はあっても力無しか)」
「どれ…」
「んぅ……」
男達の手が俺の足を這う
くそっ!何がしたいんだ!
数分後
俺は男達に足は尻を触られまくった。
胸が無いのが幸いさたのかな
しかし既に息は上がっていた
(皆逹は組長から幹部まで足、尻フェチで更にロリコンです。変態です)
「はぁ…はぁ…」
「そろそろチュッチュのお時間だな」
く、くそう…
女って男共に下半身を触られたくらいで息が上がるのか…!
男達は俺の足へ顔を近付けてきた。
ううう、気持ち悪い…。
「う〜ん、ナイススメル」
「良い匂いじゃー」
「すーはーすーはー」
「…にゃ、にゃにやってんだお前りゃ!」
もう泣き声である
「めんこいねぇ」
「フヒヒwww」
「ぐぇ!」
「「!?」」
な、なんだ!?
「助けに来たぜ!お姫様」
「ゆいと!」
絶望に染まった姫様の顔が王子の登場で明るくなる
「「んだてめえ!!」」
「お?お前らコイツを見てみろよ。一番強そうな奴を一撃で倒す俺に勝てるとでも?お?」
「「…ぐぅ」」
結局全員打ちのめす唯斗
ソレを見つめる響
「ほら、サッサと逃げるぞ」
「お、おう」
俺達はその場から立ち去った。
「博樹も来い!」
「ゆ、唯斗さん!?」
「おい、何が起きてんだ?」
博樹はまだタメ口かぁ…
こんなよわっちぃ兄ちゃんは嫌なのかな…
「色々あってな…」
そして唯斗が答える。
これは逃げる、のかなぁ
逃げてる途中で3人組の人を見掛けた。
「あ、じゃあねー」
「「え?ああ、うん」」
マトモに話せなかったけど今度会った時にでもちゃんと話すか
「ところで…いつまで走るんだっ?」
「お前ん家までっ。博樹は大丈夫か?」
「僕は大丈夫です唯斗さんっ」
「響はっ?」
「お、俺…もう…だめっ」
て言うか何で家まで走らにゃならんのだ。
「身長だけっじゃなくて体力がっ…下がってるみたいなんだっ」
つ、疲れた…
とにかく疲れた…
「それじゃっ」
「んにゃっ!?」
急に俺の足が浮く
そして宙を舞う
「あわわわわわっ!」
落ちるっ!死ぬっ!
と慌てていたら何かの上に乗った
「森永拳法、肩車だッ!」
何が何だか…
分からないが取り合えず目の前にある唯斗の髪の毛を掴んだ
「痛っ!くない!はは、痛みに耐える事くらい余裕だっ!」
なんか矛盾してる気がするが…
それにしても肩車って良い気持ちだなぁ〜
「(さっきから足とか色々柔らかいんだが…。あと良い匂いなんだが…)」
・・・・・・・・・・・・
何故か電車にも乗らずに家まで走ってきた。
一原商店街から住宅街までは少なくとも5㎞はあるのに…。
流石唯斗と言うか…
博樹も凄いと言うか…
唯斗はそのまま家へ帰り、俺達も仕方無く帰宅
あぁ、博樹との時間が…
お兄ちゃんは寂しいぞ
その日、博樹の脳内は混乱していた
「(アイツ、兄ちゃんみたいに僕を助けようとした。よわっちぃけど僕を確かに助けようとした。)」
「(あの子は本当に兄ちゃんなのかな…)」
「………………」
「(ないない、まだ信じられない…)」
「(まだ、材料が足りない…)」
どうやら響の努力は一応報われた様だった。
結局今回は攻略出来なかった訳ですが、博樹君の心に何らかの影響を与えたのは間違いありません。
博樹君は兄の響さんにはベッタリでしたので、もし今の響さんを兄と認識すると……ってネタバレみたいになりますが、これはパラレルの1つ、未来予想図の1つです。




