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響さんの日常  作者: ZEXAS
彼氏彼女になるまで
1/91

プロローグ 前編



単に話を繋げてちょっと修復しただけなのでお気をつけ下さい



初期修復 2013/0817






俺の名は明治響(めいじひびき)。4日後には高校生活がスタートする仮中学生だ。


今日もいつも通りだった。

休日に友達と遊ぶって言う程の仲良い奴は居なかったが、みんな良い奴だった。

…あれ?そういや一人居たな。

明日はそいつと卒業祝いに遊びに行くんだった。ちょっと楽しみだ。


それじゃさっさと寝よう、そうしよう

俺はベッドに飛び込み、意識を睡魔に委ねた。




・・・・・・・・・・・・


「宝を取って来るのじゃ!」


「イエス王様!!」




「さて、ダンジョンに着いたが行きなり角を曲がったとたんに宝箱が♪」


「だが罠かもしれんぞヒビキ」


「うーんそうだな…」


「さっさと行こうぜ?」


「だがユイトよ…。それを開けるのが俺という事を忘れてもらっちゃ困りやすねぇ」(パカッ)


「おい馬鹿やめ…」


ゴアアアアア


「うわっ!?吸い込まれるっ!?」


「おわぁぁぁぁぁあ!!」


「ヒビキィィィィ!!!」



・・・・・・・・・・・・



「うわっ!?」


俺は中々恐ろしい夢を見てしまい目が覚めた。まるで俺が闇に消えた様な夢だった。

夢のせいかは知らんが体に違和感がある。だが時刻はまだ3時

今起きると後が辛いので俺は二度寝する事に決めた。

自分の変化を確かめもせずに…




・・・・・・・・・・・・



「んぁ、まぶしっ」


窓から差し込む眩しい光で目が覚めた俺は思わず声を漏らした。

春にこの日光はキツい


「とりあえず顔洗おう…」


二度寝は気持ち良いが眠気余るという体質なので正直辛い。


俺は寝ぼけながら洗面所へ向かった。


「…わっ!?」


ガタガタガタッドン!


まぁ寝ぼけてるし?仕方無い。俺は階段から転げ落ちた。いてえ…。




歯磨きをしてる時、何故か歯ブラシが若干甘酸っぱかった。誰かが間違えて俺の使ったな?…ん?


俺ん家の洗面所には鏡がある(大抵の家にはあるだろうが)。

そして鏡に映る小さな少女を俺の目が捉えた。


(こんな子居たっけ?まさか隣に?ヒャッホーイ!!あれ?でも俺は何処だ?)


少女がキョロキョロしだした。


かあいい



「じゃなくて俺は何処に映ってる!?あれ!?いや俺は俺だから鏡に映ろうが映らまいが俺だが、何を言ってるんだサッパリ分からん」



少女はあたふたしながら何かを言ってる


そういえばこの少女何処だ?さっきから見当たらないのだが?


「んっ?」


よく見ると少女はいつも俺が着ている寝巻き(ジャージ)に似ているブカブカのジャージを着てる。


更に俺の行動と同じ事をしてるような……。


俺は「そんなの関○ねぇ」をした


少女も「そんなの(ry」をした


俺は「1、2、○ッ!!」をした


少女も「1(ry


俺は「ドゥドゥビドゥバドゥビ」をした


少(ry



とたんに少女が青ざめた

でもかあいい…



俺は腹を抑えながら

「なんじゃこりゃぁぁぁぁあ!?」

と可愛らしい声で叫んだ


お腹は柔らかかった



ドタドタドタッ!


「響!?何かあったの!?あんな裏声出してっ!?」


母が俺の叫び声を聞き駆け付けてきた。


「あれ?貴女は?」


「え?あ、俺は俺だが?…あっ」


そういえば今はこの少女だっけ


「響…?」


「そうだ母さんっ!なんだこれ!」


混乱気味の俺はこの状況が一体なんなのか母さんに聞いた。


「かあいいっ///」がばっ


突然母さんは俺に抱きついてきた


「うぐ、うぐぐ…」


「かあいいわぁ///」スリスリスリ


俺は成す術も無くしばらく頬擦りされた。




「で、貴女は響でいつの間にか美少女になってたと?」


「まぁ、な」


取り敢えずありのままの事を話したが、信じてもらえなかったら俺はどうなるんだ?


不安とBADEND予想図で涙腺が緩くなりそうだ…。


「あり得ない話だよな…」


これからどうしよう…。と考えてく内に眼が潤ってきた。


「信じてみるわぁ♪」


「え?」


「響の彼女って言う可能性もあったけどあの子ロリコンじゃないし、だけど一応貴女が響である事を認めるテストをします。だからそんな泣きそうな顔しないで!じゃないと食べちゃうぞ♪」


テスト?それにロリコンって…。今の俺は一体


「あ、うん…」


「よろしい♪じゃあまず1門目、最近響が愚痴ってた事とは」


簡単だ。


「業○スーパー寄んな!また立ち話か!電話なげーなオイ!どすこい!どすこい!のこった!はぁ〜のこった!?のこらない!?のこんねぇ!?のこる!?のこんねぇ!?のこ…え?え?は、はぁっとタァァイム!…また、イチローかぁぁぁぁぁ!ッマッ!!」


「せ、正解よ…。って言うかもう貴女は響だわ…。確実に…」


俺はこの時に限り業○スーパーに感謝した




「で、唯斗君とはどうするの?」


「…ぐ、ゴホゴホ!た、確かに」


軽い朝食を済ませてる時不意に放たれた一言は俺の喉をつまらせた。


「この見た目じゃなぁ…」


身長は140くらい

白と言うよりは若干銀の長髪

青か緑かと言われれば青の瞳

可憐で華奢な体

AA…(助かった)

もう完全に美少女です


俺が響ですって言っても唯斗は信じてくれる訳が無い


「取り敢えず会ってみるわ。どうせ高校同じだしいずれ…。そうだ高校!!どうすんだよ!?」


「…どうしましょ〜(汗)」


やっぱりヤバくないか?あ、また涙腺が…。どうなってやがる…。


「でも国籍の事でしょ?大丈夫!なんとかなるわ♪」


「なんとかなる訳…」


「親を信じなさい」


無理があるだろ…。


「響は何も気にしなくていいのよ♪私達が何とかしとくから」


「やっぱ男として隠し通す方が…」


うむ、それなら大丈夫そうだ


「駄目よ!ズルズル引きずると後が大変なんだから!」


一理あるけどさぁ

母さんは楽観的だけど時には決断力があってタマに偉大だと思い知らされる。


国籍とか面倒なのはもう任せる事にした。

だってそうしないと食べるって言うんだよ。

きっとあの親は隠していたハーゲンダ○ツでも食べようとしてるに違いない。

そんなの鬼畜だ、あんまりだ。


て言うかたかがアイス一個で動かされる俺って…。





「それじゃ行ってくるわ」


そろそろ時間だし唯斗を待たせるのは悪い。

俺はぱぱっと着替えて(当然男物でブカブカだが)、あ…、じょ、女性的な部分を間違えて見ないように目を瞑りながら本当に素早く着替えた。本当だぞ!!


「うーん、やっぱりおかしいわね…。靴は縛れば何とかなるけど…」


「そうだわっ♪1万円貸してあげるから即席で服買ってきなさい♪」


なんという無茶振り…。

だがいつまでもブカブカの服を着るわけにもいかんしなぁ。恥ずかしいが子供用のとこにでも行こうか?て言うかそれしか無い…。


「ありがとう母さん、この貸しはいつか返すよ」


「その言葉、忘れないわよ♪(デュフフ…)」



なんか冷や汗をかいた気がしたが、気にせず家を出た



家から徒歩10分(この背じゃ今まで乗ってたチャリにも乗れん…)程の駅から電車に乗り街へ向かうにつれ、周りから視線が飛んで来る様になった。


注目されるのは好きでは無いので顔が赤くなった。

そしたら「ロリ外人の赤面ktkr」「かわいい///」「抱き締めたい///」「斬新なファッションだなぁ」とかいろんな台詞が飛んできた。


恥ずかしいったらありゃしない…

流石ロリコン大日本帝国(あくまで個人的な意見です)と感心した。


元々俺の身長は160近くあった。中3ならこのくらいあって当然。て言うか背順だと前の方なのでもっと欲しい…。

それがまぁ、140にも縮んで…。はぁ…ため息しか出ないよ。




・・・・・・・・・・・・




精神的には傷を負ったが一応無事に街に着いた。


目的地はこの一原町の一原街1にデカイ、30階くらいはある、通称一原ビル

ではなくその裏にポツンと佇むコ○リだ


何故待ち合わせ場所がコメ○なのかは知らん。もしかしたら唯斗はボンドや土を主食とする変態なのかも知れない



冗談はさておき、待ち合わせ場所には既に唯斗らしき人影があり、なんかゲームやってる

今日は曇りだがそれでも外でゲームってのは見辛く無いのか?



今はこんなナリだから唯斗も気付く筈が無い。


だがしかし、この注目を浴びる外見の為、奴に存在を感知された。

唯斗は此方を見た瞬間目を大きく見開いた。そんでもって凝視している。



ちょっとの間モジモジしていた俺だが、勇気を振り絞って唯斗に接近し…


「待たせたな唯斗」


と言った


「え?どちら様?君みたいな可愛い女の子の知り合いは居ない筈なんだけど?」

可愛い女の子だって


「俺だ、響だ…。このタイミングで来るっつったら俺だろ?」


「取り敢えずどっか話せるとこ行こっか」


俺は唯斗の提案に乗り、喫茶店へホイホイついていった




・・・・・・・・・・・・




「で、目の前居る美少女が響で、色々あったけど卒業祝いは進行しようと言う訳か」


「まぁ、そんな感じだな」


取り敢えず経緯を話したが、信じてくれるのかなぁ…。


「そいじゃ響に電話かけてみるわ」


「ちょっと待て!まだマナーモードにしてな…」


HEY!HEY!YOU!HEY!YOU!YOUHOOOOOO!HEEYHE ピッ


「あーはい俺でごぜぇますぅー。どっかのバカタレのせいで赤っ恥をかいてた所っすぅー。…死ね!仮面○イダー!」ピッ


あーあ…。この前ノリでつけた謎の着信が…


「ごめんな」


「ごめんで済むなら警察は要らねーよこの仮○ライダー」


「すみません死○博士」


「よろしい」


他の客も此方を見ている。

全く恥ずかしいったらありゃしない(何度目だしこの台詞…)


「かわいいな」


「えっ?」


「いや何でも」


……………。


「よし、じゃあ信じてやる為にはクイズをしてもらおう!」


「またクイズかぁ…」


「また?まあいい。この前俺が貸した秘蔵DVDのタイトルは?」


ええと確か…


「『幼女みなみの大冒険!!ドキっ!?大きなお友達と宿泊旅行で夜祭り!!』…だろ?」


「おお!流石変態紳士!今はレディか…。俺はお前を響と認めるぞ!!」


そう言って奴は俺の頭を撫で撫でした。ちょっと気持ち良かった。


周りからの視線が「かあいいなぁ」と「やっぱりかあいいなぁ」と「でもやっぱりかあいいなぁ」に増えた


それにさっきは大口叩いてたけど俺もロリコンじゃん…。



俺達が店を出たのはそれから数分後の事だった











「そうだ!服!どっかの服屋へ行こう!この格好じゃ不味いからって母さんが諭吉先生をお貸し下さった!」


俺は先生をヒラヒラさせてそう言った。本当は太子を授かったのだが、勿体無いじゃん?という訳で変わりに先生を連れてきた。

太子様は秘蔵コレクションの仲間入りだ。フフフ♪


「よし、じゃあ良い店を知ってるから目隠しして俺に乗れ」





「お、おんぶって…」


「仕方無いだろ?目隠ししたまま歩けるか?」


「確かに」


おんぶはともかく目隠しって…と思い後から聞いたら、『いつでも安眠出来る様に常時携帯してる』だそうだ。奴らしいな


俺は楽が大好きだから了承した。ついでに唯斗は色んな面で良いセンスをしてるので目隠しも了承した。


厨二臭い目隠しだった

だがそれが良い!


とにかく、まぁ男の仲だし大丈夫だろう、と甘い考えをしていた。


しかし…


何かこう…ドキドキするんだ!

ま、まぁ精神は肉体に引っ張られるらしいし仕方無いよな!?


「楽をするのも楽じゃないよ」


どっかで聞いた名言も出た。


唯斗は

「お前ってタマに変な事言うよな」

ハハハと笑いながらそう言った。




・・・・・・・・・・・・



「おい(怒と汗)」


「ん?」


俺は唯斗のセンスに期待した愚かな自分を恨んだ


「ここって女物の店だろ?」


「何か問題が?」


「あんだろ!」


「今のお前は女だ。むしろ男物の方が問題だと思うが?」


「うう…」


仕方が無い、だがっ!


「スカートだけは履かないからなっ!!?」


「まぁ任せとけ」


爽やかな笑顔で言われた。ちょっとドキっとした。精神は肉(中略)ので仕方無い


奴は誰が見てもイケメンで、能天気な為女子臭がヤバい店であろうと構わず入る。男付き合いも良く、女子とも話せてスポーツも出来て頭も良いという本当に良くできた人間だ。妬ましい…。


その為女子からはかなり人気があるのだが、糞鈍感で女子の気持ちに気付かない阿呆だ。


世の中完璧な人間など居ないと実感させてくれる良い見本だ。だがそれでも羨ましい。


悲しくなるので話を戻そう


わりと大事な事なので再度言うが、唯斗は何かとセンスが良いのでこういう服選びなどの慣れない事は任せた方が良い。



取り敢えず最初は下着を用意してもらった

可愛い水色のパンツでした。同系の白いヤツとオレンジ色いヤツも買いました。


ブラは迷うこと無くスポーツブラを渡されました。

若干目が潤ったがこれも精神は(ry


「とりあえず買え。そんで着てから服選ぶわ。そんな訳でホイっ。これ貸すから。下着なんて買ってたら服代無くなっちゃうだろ?」


「あ、ありがと…」


野口さんを4人程渡され、こいつホント良い奴だよな♪と思いながらレジへ向かった。


後から聞くと下着を抱えて嬉しそうにトテテテとレジへ向かう姿は、それはもうとてもとても可愛らしかったらしい。周りの客もうっとりしながら見とったとな。





「ううむ…」


下着はあっさり着れた。理由はスポブラなので面倒無く着れた。あとパンツもあっさり履けた。


やっぱセンス良いな


「おーい唯斗ぉー着たぞぉ」


「おまっ!?何やってんだ!」


「へ?」


「へ?じゃない周りをよく見ろ!」


「あ、やべっ!」


俺は顔を真っ赤にしてカーテンをしめた。だって他の客が「おお、眼福眼福…」という顔で此方を見てたからだ。そういや下着だったな。




「これは如何かな?」


と唯斗は服を試着室に入れてきた。


「ま、まぁ着てみるよ」


初めての女装ってやつだな…

いざ行かん!未知なる世界へ!


変なポーズとってないでさっさと着よう。


(別に重要ではない服なのでアナタの脳内で好きな服を着せたってくだしあby作者)


「んしょっ…よいしょ…」


頑張りゃ何とかなるもんだ。


シャー(カーテンをあける音)

「どうだ唯斗」


「おお!似合うじゃん」


「そ、そうか?」


ちょっと照れるな…。

だ、誰だって誉められて嬉しくない又は照れないなんて事は無いだろ?



それから色んな服を着せられたが、買う服が決まるのは30分後の事だった。


ていうか俺がもういいって言っても唯斗は止めなかった…




今の俺は薄ピンクの七分袖のワンピースに白いジャケット?みたいのを羽織い、ショートパンツとか言う半ズボンより短いズボンを履いていて、花のヘアピンを着けていると言う中々女の子な格好だ。


スカートは避けれたがこれはこれで恥ずかしい。白くて綺麗な生足が見えまくってヤバイのだ。


試着室の鏡で見てみるとそれはもう凄く可愛い銀髪の女の子が映っていた。


あまりにもの可愛いさに俺は目を反らした。恥ずかしいやら何やらで顔は赤面していた。


(そしてその初々しい表情もその可愛いさを更に引き立てていたとは本人は気づかなかった)


「何を考えてるんだ…これじゃナルシストじゃないか(小声)」


そういえばこの服は前よりシンプルだな。やっぱり先生とは言え1人の力では何とかならないものなんだなぁ…。


でもなんで買えない服を着せたし…


まぁシンプルなのは俺が女物に慣れてないのと金銭的にも調度良いって事を考慮して選んだんだな。やっぱりアイツは良い奴だなぁ♪



こんな甘々の響では唯斗が何気に響を着せ替え人形にしていた事に気付く筈も無かった



そして響は恐る恐るカーテンを開けた




・・・・・・・・・・・・




店を出てから街道を歩く2人


1人は銀髪の美少女、1人はイケメン(しかし響のあまりにもの可愛いさにイケメン度がくすんでしまっている)


当然ながら目立たない訳もなく



そこら辺で銀髪の美少女の話が聞こえた



「唯斗、視線が…」


「我慢しろ」


「えー」


「可愛いんだから仕方無いだろ?」


「だって…」


「我慢だ我慢」


「へいへーい…」


「(響)…………」


「(唯斗)……………」


「次どこ行こうか?」


「ん?じゃあカラオケで」


「ちょっとそれは…」


「理由は?」


「まだこの声に慣れてないし?」


「むしろ慣れる為に行こう」


「えー」


「でないと強制お姫様抱っこだぞ?」


「フフフ、仕方無いなぁ」

全く唯斗には敵わないよ…。


「抱っこする?」


「遠慮しときます」




・・・・・・・・・・・・




最初は戸惑ったこの声だが、慣れてしまえばどうって事も無く、後半からはもう笑顔で歌っていた。その時の可愛いさといったら相当らしくジュースを持ってきた店員も思わず「かあいい」と言っていたとかいないとか…



最後の方はデュエットなどもした。今日の唯斗はよく俺にメタル系を歌わせた。理由を聞くと、


「声とのギャップが素晴らしい!」

だそうだ。 解せぬ…




・・・・・・・・・・・・




そろそろ夕方だし帰らないと、という訳で俺達は帰りの電車に乗った



行きも帰りも微妙な時間の為空いていたが、これから混むのだろう。早めに切り上げて良かった


穏やかな空気が溜まっていた疲れを波のように押し寄せさせた。


「…ゆいと」


「…ん?」


「おれ、いまから寝るけど、つ…いたらおこ…し……て…………zzz」


「寝ちゃったのか?」


「すぅ、すぅ」


「可愛いなちくせう」


「ち、ちょっとだけ…」


唯斗のてが響のちっちゃい胸に手を近付けた、が…


「駄目だ駄目だ…。俺は紳士だ、天使は共有するのが紳士の掟だ。それに電車の中だし…」




彼は光の変態紳士。フラグを建て、正しいルートを通り、愛に染まった笑顔を見るまでは事を始めない。これが光の変態紳士なのだ。


代わりに頭を撫で始めたが…


「…ぅん、んぁぅ…」




「耐えろ俺」


「欲を抑えろ」


「クールになれ…!」



この路線は比較的、客が少ない(獲物が少ない為)のだが、奴らの情報網を甘く見てはいけない。


この日を境にこの路線は客(奴等)で溢れる様になり、響は自分が原因である全く気付いてない為とても危険だ。


唯斗は何かを悟ったのか、「俺が響を守らねば!」と心に誓ったとか






別れ際に唯斗が


「着せた俺が言うのもなんだけど、そんな装備で大丈夫か?」


「大丈夫だ、問題ない(キリッ」


とんだ茶番である


「送ってこうか?」


「一番良いの(おんぶ)を頼む」


「嫌じゃなかったのか?」


「悪くはなかった」


「よろしい(目を逸らす仕草、堪らんな…)」


「いいか?これは慣れない体で歩き回ったから足が疲れただけだぞ?案外おんぶが心地良かったとかじゃないからな!?」


あれ?墓穴掘った?


「わかった、さあ乗るのだ姫様」


「うるさい」


そう言えばおんぶってどうやって乗るんだ?さっきは普通に乗れた気がするが、目隠ししてたから思い出せん。


よし、飛び乗ればいいんだ


せーのっ


「よいしょっ!」


ぽすっ


「うお!?」


するっ、さわ


「ひゃうっ…」


勢いで飛び乗った拍子に唯斗の手がずれ、俺のお尻に当たった。そんでもって俺から変な声が出た。


さわ


「唯斗くすぐったい」


さわさわ


「あははは!くすぐったいったら、…ぅ?」


さわさわさわ


「ゆ、いと…くしゅ、あぅっ、ぐっちゃいってばぁ」


さわさわさわさわ


「だ、だめぇ、駄目っ、ゆいとぉ、何かおかひっあっ」


さわさわさわさわさわ


「あぅぅぅぅ…も、もうひゃめて、ひっ、まじでやめひゃいっ!」


だだだだ駄目だっ!何だこの感覚はっ!


ってやっと手を止めてくれた。


「はぁ…はぁ…ひゅいとぉ」


何かほわほわしてマトモに話せない。それに息も荒いから余計だ


「すまん、つい…」


「お前…くしゅぐり名人だな…はぁ…」


「えっ?」


唯斗は驚いた顔をしてるが俺は変な事言ったか?

脇と脇腹、そして足の裏がくすぐりポイント。それ以外は知らんという俺に新たなポイントで攻めてくるとはあっぱれじゃないか?


「お前って純粋だったのか?いやでもスケベDVDは貸したよな?一体…」


「あぁ、あれか?俺にはとにかくエロいって事しか理解出来なかったわ。まだまだ修行が足りないな」


「そうだった。お前普通にイケメンでスポーツも底々出来て頭は良くないけど明るい良い奴だから割とモテたのに甲斐性無しだから彼女がみーんな去っていったんだったな」


「中学生には中学生の付き合い方があるだろ?それに俺は遊びとゲームしかやらないし」


「恋愛に関しては全くもってダメダメだもんな響は」


「るせぇ、お前なんか超絶イケメンで神も驚く運動神経と最早機械レベルの頭脳を合わせ持ちながら、性格に難もなくオマケに優男って言う究極人間の癖に告白は全部断るって言う意味不な行動で男子からの人望も厚い馬鹿野郎じゃないか!…はぁはぁ」


自分でも何言ってんだか…妾はもうちかれたぞよ


「そんな可愛い声で必死で言われると、なんかグッと来るな!」


むにゅっむにゅむにゅっ


「んっんぁぅ!?やめ、変な声がでちゃっ、ひゃぁ!ふぁいぃ!!んむ!んん!!んんんーーー!!!」


これ以上変な声出すと怪しまれる!

俺は咄嗟に自分の口をおさえた


「声を堪える姿も堪らん!」


べしっ


「ぃで」


なんか殴れと体が言ったから奴の後頭部を殴った。いい気味だ


「ぜぇぜぇ…どうだ…」


「俺がすまんかった」


「お前のせいで春だってのに汗かいた」


身体中が火照ってる…。きっと顔まで赤くなってる事だろう。あー熱い…

ちょっと息を整えて…


「それにしてもいつもCOOLなスーパーイケメンのお前がこんなテンションになるなんてラプソ○ン戦以来だな」


「だってお前が可愛いんだもん」


「はぁ?」


確かに鏡で見た時は恐ろしいくらい可愛い女の子だったが


「正直の所ウチの学校でお前に勝てる奴は居ないぞ?」


「…マジか」


「大マジです」


「参ったなぁ、ははは」


どうせなるなら良い方が好ましいが、喜ぶべきかな、悲しむべきかな

こんな贅沢な事を考えてる俺はきっと全国の女の敵であろう。参ったなぁ



「それじゃあ送ってもらいますか!」


「おう!可愛いは正義、姫様の為に存在するのが紳士(ジェントル)なのだぜ!」


なのだぜ?…それよりさっきのほわほわがまだ残ってるし凄い睡魔が…ヤバい、おんぶ超心地良い…


「出来れば…早く…か、え…」



寝ない様に頑張ったけど無理だった。

俺の意識はそこで消えた





ちなみに、響の攻撃は全く痛くなかったらしい。

リモコンで軽く叩いた方がまだ痛いとか





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[気になる点] 国籍国籍言ってるけど戸籍の間違いでは?
[一言] 主人公はロリ...
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