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空に歌えば  作者: カツオ
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第一話:黒崎の微妙な嘘

 それはいつものように晴れた空。ゆっくりゆっくりと流れる雲を眺める男。

「空…か…」

 男は空を見ながら呟いていた。

 

 そこはいつも深夜に活動するまるでハムスターのような人間が集まる青春通り。

 そこに、いつものように違法改造バイクを乗っている五人組がいた。

 だが、今日はパトカーと鬼ごっこしてるみたいだ。

「そこのバイク三台、停まりなさい」

 違法改造している上に、50ccなのに二人乗りのバイクを見つけて何もしない警察官は見つからないと思う。

「うるせー!!捕まるために停まる不良がどこにいる」

 バイクの後ろに乗っている屋良が叫んだ。

「ばか、危ねぇよ!!」

 屋良が後ろを向いた時の重心でバイクが傾いてしまい、大沢は焦って、右のバイクの方へ走った。

「稲垣、黒崎危ねぇ!!」

 その声に気付き振り向くと、もう大沢達が乗ったバイクが目の前に来ていた。

「ふざけんなぁ!!」

 前方の稲垣は、アクセルを上げて、思いっきり左に曲がった。

「ふぅ、助かったぁ」

 稲垣はアクセルを戻しながら言った。

「先輩、何してるんですか?あいつら?」

 パトカーの助手席にいる警察官が運転席にいる警察官に話しかけた。

「ああ、それは俺も激しく思っている」

 そういって警察官はアクセルを思いっきり踏んだ。

 

「たくよー、お前らはドライバーテクニックがデンジャラスなんだよデンジャラス」

 唯一、一人乗りの大塚のバイクには誰も乗らない。

何故ならあと少しで爆発しそうな改造だからだ。

「うるせえ、大塚、英語の小テスト2点だったくせに」

 黒崎が指を指しながら言った。

「そんな黒崎くんも15点だけどな」

 屋良がタバコを吸いながら言った。

「うるせえ、タバコくれ」

 屋良がタバコの箱とライターを投げて、黒崎がそれを受け取った。

「第一、あのテスト20点満点だろ?」

 黒崎がタバコに火を点けながら言った。

「いや、50点満点だ」

 大沢がクギを刺したように言った。

「えっ?」

「ああ、そうだよな。俺39点だし」

「稲垣くーん…」

「俺は45点だけどな」

「すっげーな!!大沢」

「大沢くーん…」

「いいからてめえら停まりやがれ!!」

 パトカーが我慢出来なくなって叫んだ。

「うわぁ、すげえ近い」

「みんな逃げろー!!」

 

「んで結局逃げ切ったわけよ」

「すごーい」

 人気者の黒崎が女子に昨日の出来事をはなしていた。

「なーにが逃げ切っただよ。嘘なんか付いちゃってよ」

 大沢と稲垣がベランダで黒崎たちを見ながら話していた。

「そうだよな。結局厳重注意を受けたのによ」

 

 実は昨日の夜は確かにパトカーに逃げきった。

 だが、黒崎がコンビニに寄ろうとした。

 パトカーから追われてたのが普通コンビニに行くか?と稲垣は思った。

 黒崎が行ったコンビニにはパトカーとしか表現出来ない車があった。

だが、黒崎は『行こうぜ!!』と言って中に入った。

えーーー!?普通これ見てパトカーに気づかない?と四人は思った。

 その頃、黒崎は中に入った途端、レジで精算している警察官と目が合った。

「あーーー!!」

 警察官は呆れながら叫んだ。

警察官ながら普通パトカーが停まってるのに入るかと思ったからだ。

「あっ、おはようございます」

 警察官は呆れながら立っていて、4人は涙を流しながらコンビニの入り口の前で崩れていた。

 警察署で5人の保護者と担任が来て、厳重注意の上、家に帰った。

 黒崎はいつもそうだ。

いつも俺たちが悪いことをすると、いつも警察に追われる。

万引きして逃げたらいつも交番の前を通るし…。

あれはワザとなのか?稲垣は捕まるといつもそう思う。

「でもよー、よくこんなに捕まるのにいつも自宅謹慎か何も無いよな」

「全部ゴジラのおかげだよ。ゴジラの父ちゃん、教育委員会の会長だもんな」

 ゴジラとは大塚と屋良のクラスの担任で、いつも稲垣達を助けている。

 でも先生が何故こんなにもあの五人を助けるのか。実はそれにはある理由があった。

 

 それは、五人が学校を帰ってる途中、リンチを発見した。

しかもリンチしてるのは犬猿の中の高校だった。

「黒崎、どうする?アイフル」

「もちファイト」

 その後、五人はうおぉと叫びながら走っていった。

 30分後。

「はぁ、はぁ。ふぅー、久しぶりに本気で喧嘩したな」

 稲垣が傷がついた拳を見ながら言った。

「とりあえず、こいつ、助けようぜ」

 大沢が倒れている被害者を指指しながら言った。

 屋良が被害者の所に行った。

「おーい、平気か……ゴジラやんけ…」

「はぁ、ほんま!?関西弁だよ」

「とりあえず病院だ!!」

 もうちょっと遅くに発見されたら死んでいたそうだ。

それを知ったゴジラは命の恩人と慕って、五人の処分を甘くしていたのだ。

 

「ところでさ、なんでマッポに捕まってるのに処分軽いの?」

 一人の女子が黒崎に聞いた。

「俺のじいちゃん、町長なんだ」

 ちげえよ。二人は思った。


嘘を付いている黒崎に不信を抱いてる4人。そんな中、稲垣が不良を卒業したくなった…。

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