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影融  作者: 椿 冬太郎
4/6

Episode4 「操」

[人物紹介]


日和(ひより)影郎(かげろう)

人々の影を喰らう暗酷と戦い始めた高校2年生。

面倒臭がりで、ゲーム好き。

灯とは幼馴染で、よく怒られている。


菊月(きくづき)(あかり)

高校2年生。

礼儀正しく、勉強なども得意な優等生。

幼馴染の影郎の前だけ冷たい。


水裏(みずうら)零華(れいか)

影郎達と同じ暮宮高校に転校してきた、物静かな少女。

普段は本を読んでいる。

どうやら影師らしい。


天木(あまき)(よう)

零華と同日に転校してきた灯の従兄弟。

人気モデルであり、実名は天木陽介(あまきようすけ)

介という字が古臭いと思い、介を消した名を芸名にし、普段も使っている。


日和(ひより)彩愛(あやめ)

影郎の母。シングルマザー。

影師などの存在を知らず、影郎が最近夜な夜な出かけていることを心配している。


菊月(きくづき)照地(しょうじ)

灯の父。

先代の光師(ひかりし)である。娘と妻を溺愛しているが、ウザがられている。


菊月(きくづき)美生(みき)

灯の母、照地の妻。

影師や光師などではない。

一家のまとめ役、陽が加わり更に手を焼いているとか。

-2020年4月27日 夕-


「やばいやばいやばい、え?今どんな状況かって?転校生に突然襲われてる!説明終了!うぉ!」


無数の華が、扇子の影から浮いている。

その華が影郎に攻撃を仕掛けていた。

「なんでこんなことすんの?同じ影師なんでしょ?」

言われた少女は、口を開かずそのまま扇子を持ち、舞を踊っていた。

「少しは聞いてよぉ!もう!×(ばっとう)!」

影郎は、襲いかかる華を叩き落とし始めた。

すると突然、少女が舞をやめた。

「ありがとう、君の事、何となくわかったよ」

そう言うと、携帯を取りだし電話をかけた。

「もしもし、はい、時間あれば来てください、それでは」

電話を終えるとこちらに近づいてくる。

「君、誰に習った?」

少女の問いに対して正直に答えた。

「誰にって、突然送られてきた本を見て、見よう見まねで…」

すると話終える前に、腕を掴まれマンションに連れ込まれた。

最低限の家具と本棚があるリビングに通された。

座っていると、お茶を出され、自分の分も置いた後少女も座った。

そして口を開けた。

「基本しか知らないし、影術の種類とかも知らないのね」

頷く影郎。

「わかった。説明下手だけど教える」

零華がカバンからペンとノートを取り出し、何かを書き始めた。

書き終えたものをこちらに見せ、説明し始めた。

「まず、君に突然攻撃したのはごめんなさい。君がどのくらいできるか調べたかった」

突然の謝罪に、呆気にとられていると間髪入れずに説明が始まった。

「始めるね、まず変影術には3つの種類がある。君が使っている「()」、私が使った「(そう)」、最後に「(てん)

()は、影から武器を作ることが出来る。その武器は自分の影と繋がってないと消えてしまうけど、自分の影を喰われないようにしながら戦えるのが利点。」

影郎が口を開いた。

「影と繋がってなきゃいけないから、光が大事になるし、向きとかで形が変わったのか、なるほどなるほど」

「納得してくれたようでよかったよ」

と言うと、説明を続ける零華。

(そう)は、自分の影を別のものに変えて操る変影術。私みたいに小さなものならいいんだけど、デカイものを使うと一気に食べられる可能性あり。自分の影を使ってるから食べ尽くされちゃったら消える」

「最後に(てん)、自分の影を鎧のように纏う変影術。身体能力諸々強くなれるけど、影が喰われると自分の体も喰べられる」

「以上、何か質問ある?」

影郎は頭の整理があまり追いついていなかったが

「取り敢えず、会ってみりゃ分かるだろうしいいや、ありがとう!」

そう言うと、突然腕を掴まれた。

「ちょちょ、何すんの!」

言ってる間に玄関に出された、数秒後カバンも出された。

「痛いなぁ…ん?」

よく見ると、メモが置いてあった。

「また明日、数日後髭のおじさん来る」

と書かれていた。

よくわからなかったが、カバンとメモを持ち家に帰った。


-同時刻 菊月家-

「ただいま」

灯が言うと、隣で

「お久しぶりでぇーす!ただいまぁ!」

大きな声で陽が叫ぶ。

灯が嫌な顔をしていると、大きな足音をたてこちらに向かってくる人がいた。

「灯おかえりー!陽介、うるさいわ、灯の声が聞こえんだろ、灯?大丈夫か?従兄弟とはいえ、こいつになにかされてないか?」

呆れた顔で陽が話す

「何もしてないよおじさん、それに陽介はやめてよぉ、陽って名前にしてんだからぁ…あとうるさいのはおじさんもだよ…」

小声で呟くと

「なんか言ったかぁ?あぁ?若造が…」

聞こえていたらしく圧をかけている照地は、後ろから肩を叩かれる。

「この感覚は…美生ちゃぁ…ぐはぁ!」

振り返った瞬間、ビンタされて吹き飛んだ照地。

そこには不機嫌そうな美生がいた。

「はぁもう…ごめんね陽ちゃん、大丈夫だった?」

問われた陽は

「ありがとぉ…おばさん…助かったよぉ…」

と感謝した。

灯は隣で呆れていたが、一段落したのを確認した後

「あんたが来た理由教えて」

と言い靴を脱ぐ

「あぁ!そうだねぇ、取り敢えずおじさん引っ張っていかないとねぇ…」

陽も靴を脱ぎ、横たわった叔父をリビングまで引っ張って行った。

リビングに一家が揃ったところで、陽が口を開いた。

「まぁおじさんには、少し話してたんだけどぉ、最近この暮宮町に暗酷が集まってきてるんだよねぇ」

それに対し、少し考えた後に口を開く灯

「だから最近増えてたし、バカ影まで巻き込んでた訳ね」

「そう!その通りだよ!まぁあの日和って子はなんか、保護観察しとけぇって言われてるんだけどねぇ、俺もよくわかんないんだよねー!はは!」

と陽が言うと照地が

「よし、飯でも食おう」

「寿司行くぞ寿司!」

あからさまに話題を逸らした。

強引に連れていかれたのもあり、その後話は進まなかった。

そして一家で回る方の寿司を食べに行った。


-同日 夜-

月の光が窓から射し込む部屋で、1人寝転びながら華を作り眺めていた少女。

「母さん、友達できるかな」

独り言を呟いていると、突然電話がかかってくる。

「もしもし、わかった、行く」

外へ出て言われた場所に行くと陽が居た。

「やっぱり早いねぇ、あそこだよあそこ、散歩と称して見回りに来といてよかったよぉ、まぁ?俺にかかれば?このくらい見つけて当然…って聞いてる?おーい!」

陽が話終える前に接近する零華

「早く開いて、倒すから」

言うと同時にこちらに気づいた暗酷が臨戦態勢に入った。

「ほいじゃあ、行ってらっしゃいぃ!」

光結界を開いた陽。

その中へ暗酷と共に吸い込まれていく零華。

「始めます」

扇子を取り出して舞を始めた。

()(まい)鏡華演舞(きょうかえんぶ)

その掛け声と同時に、零華の影が華へと変わり暗酷の周りを包み込んだ。

みるみるうちに暗酷の体を覆うと、そのまま雑巾を絞るように捻れていった。

「これでしまい」

と言うと同時に暗酷が浄化された。

扇子をしまい、結界に向けノックする。

すると、結界は閉じていき、陽の姿が見える。

「今日も早かったねぇ、流石!水裏家の若き天才少女!って言ったところですかね!」

それを聞き、不機嫌そうになった零華が言った。

「家の事は関係ない、それじゃ」

早歩きで帰宅していく零華を見て

「家の事ほおって影師やってるの見てると、なんか重なるんだよなぁ…でも変に言わんでよかったかぁははは…今度本買って機嫌直してもらわないと!」

前を向き、自分も帰宅していく陽であった。

読んでいただきありがとうございます。

不定期なのではありますが1週間に1話程のペースでこれからも投稿していこうかなと思いますので、また読んでくださると嬉しいです。それでは!

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