Episode3 「華」
[人物紹介]
・日和影郎
人々の影を喰らう暗酷と戦い始めた高校2年生。
影師になったばかりだが、実力はある。時々詰めが甘い。
※尚教えれる人材が周りにいなかったため、本で学習した模様。
・菊月灯
影郎の幼馴染の高校2年生。
礼儀正しく、勉強なども得意な優等生。
影郎の前だけ冷たい。
・東京太
影郎のクラスメイト。
ゲームオタクで、非リア。
・阪西関大
影郎のクラスメイト。
実家が飲食店で、料理が得意。
・三空角夏
灯のクラスメイト。陽気。
成績は良いが、学校に内緒でバイトしている。
[用語]
・暮宮町
影郎達が住む町。
年々暗酷の被害が多くなっているらしい。
・県立暮宮高校
影郎や灯達が通う高校。
約350人程の生徒がいる。
・影力
影を操る力。
高ければ高いほど、自由に使いこなせる。
・変影術
影師が使う術。
自分の影を用いて使用するため、暗酷に喰われてしまう可能性がある。
だが、暗酷に対して有効なのも変影術のみである。
自分の影を使うため、光結界で影の形を一定に保たなければ弱体化してしまう。
・光結界
光師が使う結界。
影師の影を安定させるのと同時に、周りへの被害を防ぐ役割をしている。
-2020年4月25日 夜-
「はぁ、はぁ、はぁ、助けて…」
息も絶え絶えになりながら、走る女子高生。
後ろには、背びれのような形をした黒い影。
「きゃっ!」
女子高生が倒れると、その影は狙いを定め、勢いよく飛びかかった。
その瞬間。
いきなり目の前から襲いかかってきたものが消え、自分と変わらないくらいの眼鏡をかけた少女が立っていた。
「大丈夫?早く隠れて」
そう言われすぐに身を隠した。
すると少女は携帯を取りだし、電話をした。
「まだ?もう戦ってるんだけど」
すると、少し離れた場所から大きな声で返事が返ってきた。
「もうつくから待ってぇ〜!」
来たのは、派手なパジャマを着た男性。
すると少女はすぐさま言い放った。
「なにそれ、ダサ」
そう言われて、息を切らしながらも答えた。
「もう寝ようかとぉ…はぁ…思ってたの…はぁ…てか相変わらず…」
男が言いかけたのを遮り
「来るから、結界はって」
と少女が良い、すぐさま結界がはられた。
「あとは頼んだよぉ〜…はぁ…」
男は結界の中には入らず外で座り込んだ。
入ってから1分程。
男がスマホを取り出して連絡をチェックしていると、結界がノックされる。
「お?もう終わったのかぁ流石だねぇ〜」
言い終わると結界は閉じていった。
「それじゃ、あっちにいるから、お疲れ」
と出てすぐに言い、帰っていった少女。
それを聞き、男は逃げていた女性に話しかける。
「君ぃ、ちょっとごめんねぇ?一瞬チカっとするけど、僕が眩しいってことにしといてね?あ、先に連絡先…ってダメダメ後でなんて言われるかぁ…それじゃごめんね?」
そう言うと、指を鳴らし記憶を消した。
-4月27日 朝-
いつも通り二人で登校してきた影郎と灯。
相変わらず、灯が影郎に怒っていた。
すると後から声がした。
「灯ー!」
灯を呼んだ後近づいてくる。
「なになに?また夫婦喧嘩?仲良いねー!」
と笑いながら言ってくる女子。
この子は三空角夏。
灯のクラスメイトである。
「は!?違うし!こいつが私の言うことを!」
と灯が言い終わる前に
「日和くん貸し1つね!」
と小声で言って、灯を強引に教室へと連れていく。
苦笑いしながら手を振り、自分も教室へと向かう影郎。
教室へ入り席へ座ると、仲のいい2人が近づいてきた。
「なんでござるか?あのイチャイチャっぷりは…許せぬ…今日放課後、僕とデュエ!するのだ!」
と言ってくるのは東京太。
目の敵にされてはいるが、気の知れたゲーム仲間である。
「まぁまぁ、けいちゃんもそう言わずに」
「おはよう、影、相変わらずの登校やね。…それで隣のクラスの菊月さんとは、どういう関係なんですか?教えて貰えますか?」
と笑みを浮かべながら、近づいてくるのは阪西関大。
人のことをよくいじるが、一緒にゲームをしたりして遊んでいる、いわゆるイツメンだ。
「2人とも落ち着けって、ただの幼馴染みだからさ」
と接近するのを静止しようとするが、少しづつ近づいて来ている。
「どうなの? (なんです?) 菊月さんとは、どういう関係なんだい? (なんだ!)」
2人から詰め寄られて、逃げ場が無くなりそうになった時。
学校の鐘がなる。
すると、2人とも大人しく席に座った。
そして先生が来る。
朝礼が始まるかと思いきや、おもむろにチョークを持ち、黒板に何かを書き始めた。
書き終わると、そこには名前が書いてあり
「今日から、新しくこの高校に転校してくる生徒を紹介します。入ってきなさい。」
とその生徒を呼んだ。
入ってきたのは、黒髪の眼鏡をかけた女子。
黒板の真ん中辺に立つと、口を開けた。
「今日からこのクラスに入ります。水裏零華と申します。よろしくお願いします。」
自己紹介をし、一礼をした。
クラスの皆、拍手をし出迎え、先生の案内で自分の隣の窓側の席へと案内された。
こちらを見て一礼をし、すぐに席に着いた。
そのままいつも通り、朝礼をしようとしていた時に廊下の方が慌ただしくなっていた。
「おい、あいつって?」
「まさか、こんな都会でもないような高校に?」
「おい!隣のクラスに入っていったぜ!?」
その後、一瞬の沈黙があり、女子の黄色い声が響いた。
隣のクラスで何かあったらしい。
一方隣のクラス
こちらのクラスにも、転校生が来た。
その名は天木陽。
SNSで人気沸騰中の高校生モデルである。
初日から遅刻しているが、入って早々沢山の黄色い声で、担任の進行が進まない。
そんな中口を開いた。
「あぁ!灯ちゃーん!久しぶりぃ!」
真っ直ぐに灯を見て言ったその言葉を、不機嫌そうな態度で受け取った灯。
前の席の角夏が、話しかけた。
「え!?灯って陽くんと知り合いなの!?」
それを聞いて、嫌そうに答えた。
「まぁ…ね…」
すると、周りの女子から一斉に睨まれる。
その沈黙を好機と見た担任が、無理矢理進行し、席へと誘導した。1番後ろの席だった。
席に座ると口を開け、こう言った。
「皆怖い目で見ないのぉ、灯ちゃんは俺の従姉妹だよぉ!大丈夫だからね!俺は皆の太陽だから!」
と言うと女子達は一斉に目の色を変え、安堵の表情を見せた後、前を向いた。
多分内申点を稼ぎたいんだろう。
そんな状況に呆れた顔をしていた灯であった。
-夕方-
「で?これはどういう状況…?」
と影郎が言う。
「私にも分からないわよ…」
呆れた灯が答える。
「ははは!ごめんねぇ〜、みんな?お家にちゃんと帰ってねぇ〜!ははは!」
いつも2人で帰っていた道に2人別の人がいた。
陽と零華である。
その後ろには、沢山の女子。
「あの…2人はなぜこっちに?」
影郎が問うと
「私、家こっちだから、たまたま」
と言う零華
「えぇ?灯ちゃんの家で泊めてもらうことになったからぁ!ってことでよろしくね!灯ちゃん!」
と言った陽を、呆れた顔で見つめ、口を開けた灯。
「聞いてないんだけど…」
それに続けて
「てかまず、なんで引っ越してきたのよ…」
ため息混じりに言っていると、陽が答えようとした。
だが、言いかけた時に零華が止めた。
「天木、あんたのファンがいる。」
陽は口を閉ざし、そのまま答えは言わなかった。
少し歩くと、菊月家が見えてきた。
「俺、あそこに住んでるからぁ、でもあんまり突撃とかぁ?迷惑になることはやめてねぇ?今日はありがとうね!また明日会おーう!」
と言うとファンの子達は、それぞれの帰路についた。
そして、灯と陽は家へと。
影郎と零華は、近くの自分の家へと足を運んだ。
突然影郎の家の前で、零華が足を止めた。
そして、振り返り話かけた。
「日和 影郎くん、見せて変影術」
「そうしないと、怪我しちゃうよ」
突然影師関連の話をされ、影郎は同様していた。
そんなことは他所に、カバンの中から扇子を取り出し広げ、目の前に突き出し構えを取る。
すると、扇子の影から無数の華が浮かんできたのだった。
読んで頂きありがとうございます。
どうでしたか?楽しんでいただけましたか?
今回は新しく2人のキャラ零華と陽が登場致しました。今後どう活躍していくかはまたお楽しみということで!
これからも至らない点多いと思いますが生暖かい目でご覧下頂けると幸いです…
それではまたお会いしましょう




