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8 これから


「す、凄い!」

「フッ、こんなもの大したことないな!」

「いや〜疲れた……」

(2人とも凄すぎる……)


サキとアイルのゲイル討伐シミュレーション訓練が終わり、ヒメナは驚いた。

(正直、アイルくん。去年、ただ年齢が若いだけで実力も全然身についていなくて、ただ威勢がいいだけって聞いていたのに、全然違う。過小評価され過ぎてるよ……)

「アイルくん、凄いね…」

「まだまだ改善するところはたくさんあるけどな!」

ニシシッと笑うアイルに可愛さを覚えつつ、それよりも

(サキちゃん、何だろう……。的に当たるのは当たるけど急所や敵を倒すことは出来ないって感じかな…)

的には当たるが、ただ当たるだけであり正確性はなかった。

(サキちゃんは、今のだけだとアイルくんに比べて実力が劣って見えてしまう。けど2人のコンビネーションで上手くカバーをしていた。私もこの2人と一緒に戦いたい。どうやって伝えよう………)


訓練中___


「なぁ、サキ_」

「??」

「お前はどう思う?あいつ…ヒメナだよ」

「……ポジションは被ってないし中衛は欲しいなって思ってたし性格も優しそうだけど、まだ会って日も浅い。悩むね」

「あぁ、俺も少し警戒してたんだけど、害は無さそうだし腕もなかなかだ。サキがいいなら俺は別に構わねぇぜ」

(…………)

サキは悩むというより困っていた。アイルは自分が決めろと、ヒメナは先程の会話では、自分たちのチームに興味があると言っていた。現に今こうして一緒にいる。ただチームというのは、こんな感じで一概にも組んでいいものだろうか、そう思ってしまう。

(アイルと組む。ってなったとき最初は不安は大きかったけど今は全然…むしろ良かったって思う。だから彼女もそうなる可能性がある……



悪い子じゃない。頭ではそう分かってる)

ヒメナとアイルが話している様子を見て改めてそう思う。この選択が吉と出るか凶と出るかは分からない。ただ、心の中で密かにある楽しみと期待。そした、1番にこの3人で部隊を組みたい。と願う____


「サキちゃん、アイルくん」

「??」

「なんだ?」


「私を2人の部隊に入れてください」

バサッと勢いよく、頭を下げた。まるで、サキの全てが知りたいと勢いよく立ち上がったあの時のようにヒメナは、2人に向かって自分の気持ちを伝えた_


サキとアイルはもう一度、アイコンタクトを取り

「………私たちと組んでみる?部隊を」


「!!」

「フッ……」

目を大きく開き輝かしく驚き喜びに満ちた顔のヒメナと、まだ14のくせに大人びて達観しているアイルを見て、この選択は良かったと感じるサキであった。


あのあと、半泣きで顔を真っ赤に染めたヒメナの髪は少し崩れていた。


そうして、アイルに部隊編成期間でもないのに部隊を編成できるのかと聞けば、元々あの期間は新入隊員が少しでも多く部隊を組んで欲しかったため部隊編成や結成に専念できるようにするための期間であったため、普通にいつでも部隊編成届けは出せたのであった。


「いいか、ヒメナ。俺たちは次の模擬戦に出場してゆくゆくは上位を目指す。」

「うん!」

元々ヒメナ加入前からずっと、ヒメナにも言っていたので、3人はどうやって連携したりしていくのかを話し合っていた。


模擬戦___

模擬戦には、3種類あり、

1、公式模擬戦。3人が上位を目指している模擬戦。2、練習模擬戦。名の通り、公開模擬戦に向けて練習する模擬戦のこと。

3、公開模擬戦。敵組織であるオールゲンアとの力量も測りあう模擬戦。

基本的なルールは全て同じだった。


正方形の地形を4等分に分け4部隊で戦い、相手の陣内にある旗を取り合い、自陣の旗を守るといった形式で、なぜこのような形式なのかと言うと、旗を任務条件とし、旗を取ることで任務遂行力を見るためであった。そして、自身らが守る旗を重要人物だと考え護衛力を。そして敵部隊と戦うことでゲイル討伐に対する気持ちやオールゲンア側や他国との対戦に役立てるといった目的をしていた。


勝敗は最終ポイントで決まる。ポイント獲得にはいくつかの項目がある。


・相手の旗を取る →10pt

・相手陣内の旗3m以内に入る →2pt

・敵を倒す →3pt

・敵の隊長を倒す →5pt

※ 自発的に退場したい場合は自陣に配置された退場ポイントに行かねばならない。


ポイントが最終1位部隊には、500pt

2位に300pt 3位に100pt 4位に50pt付与される。


1シーズンに、計10試合 各部隊それぞれ戦い順位を決める。


15位に以内に入れると、シーズンが終わって少し経ってから、1位から10位までの隊と全4回 戦う。

(1〜4位までは全5回)

試合後、今期の順位が変わる。1〜4位は1戦試合数が多いので、ここ2~3年は変わっていない。


練習模擬戦______

公式模擬戦の練習版。4部隊揃わなくとも試合は可能。ポイント変動は両部隊で事前に話し合って決める。10位以上の部隊とも戦えるがポイント変動はない。


公式模擬戦______

オールゲンアとの公開戦。


※順位は、総ポイントで決まる。


「そっか、アイルくんは上位を目指したいんだね!」

「あぁ、目標はもちろん1位だ!」

「1位!?…あぁ、私…だいぶ弱いよ………」

「気にすんなって!俺がお前とサキを期待あげてやるからよ!」

そんな、会話を尻目にサキは考えていた。

(まぁ、いきなり1位は流石に無理だろうし、アイルもそれは分かってる。ヒメナも)

「あ、そういやサキ。お前新人戦どうだ?」

「あぁ、新人戦……」

「あ!そっか!サキちゃんは今年入隊だから新人戦があるもんね!」

「まぁ、新人戦っていっても模擬戦のために私の実力は…隠すつもり…」

「隠すって、お前隠すほどの腕前ないじゃん」

「あはは……。いつも通りで大丈夫だと思うよ」

「いやいや、私結構実力あるよ〜??」



そんなこんなで、あっという間に新人戦の日が訪れた。アイルとヒメナは、応援室のモニターでサキを見守っていた。

「結局、サキってちょい手抜きでってことだよな?」

「うん、サキちゃん。これからの模擬戦に向けて…ってずっと言ってたしね」

「まぁ、その気持ちは分からねぇでもないけどな…」

(後衛は全体のサポートと後ろ…いわゆる舞台の背中を任されているポジション。スナイパーの力量でどれだけ相手の集中力や警戒範囲を広げられることができる。重要なポジション。サキ…大丈夫か…)

「あっ、次のブロック、サキちゃんだよ…!」


(すっごい緊張するな〜。今回少し形式が変わって、後衛とか関係なくスナイパーは、全員、どれだけ的に当たるかを競うことになった。訓練の的中率は50%)

アトラティカルの隊員が皆経験する。登竜門のような初めての公式試合。期待と不安と仲間がいるという安心感を覚えつつ、サキは舞台へと足を動かすのであった______


「全隊員、かまえ」


試験管の一言で皆が銃をかまえる。そして、発砲の合図で一斉射撃。20回の内、サキの命中率は8。

ブロックでは20人ごとで15位で終わった。

今期のスナイパーは、45名。そして全体では31位。記憶がないわりには上出来だろ!といった結果で幕を閉じた。


「ま!最初の公式試合としては、まぁまぁの出来だな」

「お疲れ様!まだまだ全然伸び代あるよ!」

「結構、上出来だな」

思っていた程、緊張や不安もなく呆気なく終わった初の公式試合はスッキリした気持ちで終えることが出来た。

(名前は忘れたけど、新人のリーグ戦形式の前中衛隊員の優勝者は首席さんだったらしいな_流石首席……)

「…ね、ねぇ」

「??」

「どうしたヒメナ?」

「その、サキちゃんの新人戦も終わったことだし、みんなで何か食べに行かない?」

「!?」

「お!良いなそれ!行こうぜ!サキもいいだろう?」

「もちろん」


(なんか、いいな…こういうの…)

何食べに行く〜?って言うだけで、こんなにも盛り上がれる幸せを噛み締めて、サキは2人の後を歩いた___






「ねぇ、今度。隣国の宰相様がラングールにじゃなくてアトラティカルにくるんだって」

「えぇ!うそ!なら、護衛任務があるんじゃないの!?」

「だよね!やっぱ護衛任務ってお金めっちゃ稼げるし上位の方たちにも会えるのよね!」

「そうそう!」

隣国の宰相が来る。という話は上層部だけでなく、アトラティカル全体の話題になった。

これが、初めての護衛任務で思っていた以上に自分たちが頑張る羽目になるとは3人は思いも知らず、何を食べに行くかで話し合っていたのであった___

次から模擬戦の前に、これからの重要人物となる隣国の宰相様護衛任務になります。

護衛任務が終わり次第、ずっと頑張って執筆していた模擬戦に入ります。

自分なりに頑張って伏線を入れているため、読みにくくて大変申し訳ございません。


読んでいただき大変誠にありがとうございました。

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