9、マリリナとのお茶会
シャルロッテは、学園の温室で咲き誇る色とりどりの花々を眺めながら、ハーブティーを口にしていた。
穏やかな午後の日差しが差し込む温室は、シャルロッテにとって心安らぐ場所だった。
そこへ、軽やかな足音が近づいてきた。
「お姉様、お邪魔してもよろしいでしょうか?」
やってきたのは、マリリナだった。
彼女は、シャルロッテの姿を見つけると、満面の笑みで駆け寄ってきた。
「マリリナ、今日も可愛いね。ちょうどよかった。一緒にハーブティーを飲まないか?」
シャルロッテは、マリリナに向かいの席を勧めた。
マリリナは、嬉しそうにシャルロッテの隣にぴったりとくっついて座り、ハーブティーを口にした。
「お姉様の淹れるハーブティーは、本当に美味しいですね」
マリリナは、シャルロッテに微笑みかけた。
シャルロッテは、人々の役に立つためにさまざまな分野の勉強をしており、今ではハーブや薬草に関する知識も深めていた。
シャルロッテが「君たちは美しいだけではなく、人々を癒す効果もあるのか……素晴らしいな」とハーブを褒めながら淹れるハーブティーは、単に美味しいだけでなく、飲む人の心身を癒す効果もあった。
二人は、他愛もない話をしながら、穏やかな時間を過ごしていた。
シャルロッテはマリリナとの会話の中で、彼女が以前とは全く異なる人物になっていることを感じていた。
以前は、リューズ王子に夢中で、白豚シャルロッテを馬鹿にしていたマリリナ。
しかし、今のマリリナは、シャルロッテを心から尊敬して慕っているようだった。
「リューズ様は牢にいらっしゃるそうですね。あんな嘘をついてまでお姉様を陥れて……。お姉様……私も以前は、お姉様のことを誤解していて本当に申し訳ありませんでした」
マリリナは、シャルロッテに頭を下げて謝罪した。
シャルロッテは、マリリナの言葉に優しく微笑み、彼女の頭を撫でた。
「もう、気にしないで。過ぎたことだ」
シャルロッテの言葉に、マリリナの顔は安堵の表情で満たされた。
二人は、過去のわだかまりを完全に消し去り、真の友情を育み始めていた。
シャルロッテはお茶をしながら、マリリナが抱える悩みについても耳を傾けた。
マリリナは、今では幻滅したリューズとの関係に悩んでおり、シャルロッテに相談したのだ。
シャルロッテは、マリリナの悩みに真剣に耳を傾け、彼女にアドバイスを与えた。
「マリリナ、自分の心に正直になりなさい。そして、自分の幸せを一番に考えなさい」
シャルロッテの言葉は、マリリナの心に深く響いた。
マリリナは、シャルロッテの言葉に励まされ、自分の気持ちに正直になる決意を固めた。
シャルロッテはマリリナとの友情を深め、彼女を支えながら、自分自身も成長していくのだったーー……。