6、スパダリ令嬢は騎士をもオトす!
シャルロッテの魅力は、リューズ王子との決別を機にさらに輝きを増していた。
秘術によって得た美貌と魔力は、シャルロッテを社交界の女王へと押し上げていた。
そして、シャルロッテの周りには、彼女に忠誠を誓う騎士たちが集まり始めていたーー……。
中でも、筆頭騎士であるレオナルドは、シャルロッテに特別な感情を抱いていた。
レオナルドは、国の名門貴族の出身で、文武両道、容姿端麗とまさに完璧な騎士だった。
太陽色の短髪に逞しい肉体と真面目な性格を持つ、リューズとはまるで正反対の魅力にあふれた男性だ。
彼はシャルロッテの美しさだけでなく、本来の彼女が持つ、純粋な優しさに満ちた不思議な雰囲気にも惹かれていた。
「シャルロッテ様、今日もご指導のほどよろしくお願いします」
レオナルドは、シャルロッテに剣術指南の申し込みをした。
秘術による身体強化と日々の鍛錬で、シャルロッテの運動能力はすでに筆頭騎士すら凌駕していた。
シャルロッテは、優雅に微笑み、「喜んで」と答えた。
シャルロッテとレオナルドは、騎士達の練習場の中央で華麗な剣捌きを披露した。
二人の息の合った剣舞は、周囲の騎士たちを魅了し、練習場は感嘆の声で包まれた。
「シャルロッテ様……あなたは、まるで戦乙女のようです」
レオナルドは、シャルロッテの耳元で囁いた。
シャルロッテは、レオナルドの言葉に白い歯を見せて笑い、「世辞でも嬉しいぞ。レオの剣技も日に日に神がかっていくな!美しい努力の賜物だ」と答えた。
シャルロッテとレオナルドの素晴らしい手合わせは、他の騎士たちの羨望と嫉妬心を掻き立てた。
彼らは、シャルロッテの気を引こうと、競ってシャルロッテに剣術指南の申し込みをした。
シャルロッテは、誰の申し出も断ることなく、次々と騎士たちと剣を交わした。
彼女の周りには、常に騎士たちの輪ができていた。
剣術指南が終わると、シャルロッテはレオナルドに声をかけた。
「レオ、少し話をしないか?」
シャルロッテは、レオナルドを連れて、静かな場所に移動した。
「レオ、君はなぜ私にそこまでしてくれるんだ?……白豚令嬢と蔑まれていた頃からあなたは私に優しかった。今も、私が騎士達に受け入れてもらえるように、と行動してくれているだろう?」
シャルロッテは、真剣な表情でレオナルドに尋ねた。
レオナルドは、少し戸惑った様子を見せたが、すぐにシャルロッテの黒曜石の瞳を見て答えた。
「シャルロッテ様……。あなたに仕えることが私の使命であり、喜びです。あなたの美しさ、強さ、そして優しさーーすべてに、私は心を奪われています。お姿が変わる前も、あなたはそれらを秘めていらした……」
レオナルドの言葉は、嘘偽りのない本心から出た言葉だった。
シャルロッテは、レオナルドの言葉に心を打たれ、優しく微笑んだ。
「ありがとう、レオ。君の気持ちは、私にとって大きな力になる……」
耳元で囁かれたシャルロッテの言葉に、レオナルドの顔は喜びで輝いた。
「シャルロッテ様……!これからも、あなたの騎士としてお側に仕えさせてください」
こうして、シャルロッテは、忠実な騎士レオナルドを得ることになった。
シャルロッテの華麗なる逆襲劇は、さらに勢いを増していくのだった。