boy went to the OOO
僕は今、ラリアール城の石垣の下の草むらにいます。
さすがに12月の草むらは寒いです。
何でも僕は、隠密行動班に配属されたそうですよ。
ええ、何がなんだかわかりません。誰かにこの状況を説明してほしいほどですよ。
とにかく、この地元でも高いと有名な石垣を登って、どこかの窓ガラスを割って進入するらしいです。窓ガラスを割るのが僕の役目だったりします。
それにしても寒い、寒すぎるので早く終わらせましょうか。
これでも運動神経には自信がある僕は、昔この石垣を登りきったことがある。
その時と同じ感覚で、石と石の間のくぼみに手を掛け、足を掛け、登りきった。意外と楽だ。
目の前には、大きな城がある。
これが目標の城のわけだけど、問題は、どこの窓を割るか。
ダンスパーティーをしているであろうメインホールは除外、目立つから。
次に、客人を迎え入れるであろうエントランスホールも警備が厳しいという理由で除外。
残っているのは、といってもこのラリアール城には、数え切れないほどの部屋があるが、考えられるのは、ろうそくの火の着いていない部屋。
僕は、探してみた。
一番角の部屋、警備員がいるので除外、エントランスホールの奥の倉庫、怖いから却下、屋上、高い、届かない、探して、探して、探して、気がついた。
僕は何をしているんだ?何で泥棒みたいな真似をしているんだ?
あれ?えーっと?と考えているうちにちょうどいい部屋を見つけた。
警備の人はいない、暗がりで、二人ほどいるけれど問題はなさそうだ。
ここに決めた。
配られたトンカチで窓ガラスを叩き割り、中に入って、驚愕している男性を思いっきりたたいたら失神した。
周りを見渡すと、ベッドの上に、きれいな銀髪の、人形のようにかわいい、14~16歳あたりの少女がいた。
あまりの彼女の美しさに、僕は数分、いや数秒見とれてしまっていた。




