おなじ
いいなり「ふざけやがって…俺はなりたくて殺人鬼になったわけじゃねーのに…」
ナースコール「でも、殺さないと…私たちがやられる…つらいわねぇ…」
スクープ「皆も僕みたいなやつだったらよかったのにねぇ。僕愉快犯だからさ~!楽しくて仕方がない…!」
各々の意見があるなか…ふと忌み鬼は言った。
忌み鬼「生き延びた者…といっていたが、そういうやつらはどこにいるんだ?」
いいなり「でも水浴びしてる男をみたことはあるから案外近くにいるのかもな。だが儀式以外では手を出さない。そういう決まりだ。俺達の中ではな。」
そしていいなりは自分の古傷をみせる…
いいなり「これは邪神につけられた傷だ。今も残るほど深い…傷だ…」
忌み鬼「……ひどいな…でも…殺るしかないのか…?」
皆うなずく。
そして、全員一人というノルマがありそれを満たせぬものは罰を与えられる。人数分か、それ以上はいるがスクープやシャドウがいつも多く殺してしまうため、誰かが見張っている必要があった。今回の見張りは忌み鬼になった。
いいなり「じゃあ俺達は行ってくるから。シャドウとスクープ頼んだぞ。シャドウはお前に懐いてるようだがスクープは違う。気を付けろよ…」
シャドウは食事をあげないと言うと言うことをきくようになった。だが…
スクープ「つまんねー…早くこんな世界から出たいとこだな…もっと記事を書くために…!」
忌み鬼「無実の人々を殺す何が楽しいんだ?それなら悪人を殺せばいいだろう。」
スクープ「そういう考えが僕には無いんだよ。ただ苦しんで、なにかを怖がる顔が見たいだけ!だから記事を書くんだ。僕が起こした事件をね…」
忌み鬼は話をするのを諦めた。サイコパスの考えなどわからない。それに尽きる。
そこに誰かが一人通ってしまった。不運なことに…
スクープは殺人衝動をおさえきれず、その者を…殺してしまった。
忌み鬼「言うことを聞けといっただろ!何故殺人にこだわる?」
スクープ「だーかーらー…僕は君たちとは違うんだよ。な、シャドウ?」
それに対してシャドウはなにも言わない。
忌み鬼はスクープの胸ぐらを掴む。
スクープ「シャドウに気に入られたと思ってるの?彼は一番冷酷で残酷なのに。彼は儀式に来た人間を全員殺したことだってあるんだ。それでも私は気に入られたいって思う?」
忌み鬼「今はシャドウじゃなくてお前の話だ!気に入られたなんて傲慢は無い!貴様を今ここで殺してもいいんだぞ…!」
忌み鬼はビリビリと殺気を辺りに放つ…
スクープ「わかったわかった。悪かったよ…面倒くさいな…お前の飯は好きだけどお前は好きじゃない。」
二人が喧嘩している間にシャドウがいなくなっていた。
忌み鬼「!?シャドウ!どこにいったんだ!」
スクープ「僕ここにいるから。探しといでよ。」
忌み鬼はシャドウを探しに森へ入る。
しばらく歩くと…美しい花畑の中にシャドウが座り込んでいた。
忌み鬼「シャドウ…ここにいたのか…」
忌み鬼は隣に座り込む。
忌み鬼「あいつはどこかイカれてる…困ったものだ…全員殺人鬼って時点でまともじゃないんだろうけど…ところで、本名…なんていうんだ?」
そう訪ねると…シャドウは地面に文字を書き始める…
「名前は無い」
名前が無い…ということをきき、忌み鬼は訪ねる。
忌み鬼「もしかして…お前も…虐待されてたのか…?」
シャドウはゆっくりうなずいた…
不思議なことに、二人はおなじ傷を抱えていた。一生癒えることのない、心の傷を…
忌み鬼「そうだったんだ…私たち…一緒なんだね…」
そういうと、二人はしばらく花畑の上で月を眺めていた…
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