第二十話 怪しい話と防具入手
こんなに怠惰だからこの小説のpvそんなに伸びないんだろうな…(´・ω・)
いや、20話くらいしか出してない割には伸びてるのか…?
よし、面白そうな本を5冊も買えたし、しばらくはこれで十分かな?俺は結構読むの早いから、3周ぐらいすることになりそうだが。今更だけど、俺って活字中毒なんかね?関係ないから別にいいけど。
そうやって、無駄なことを考えつつ歩いていると、ふと、路地裏から不穏な会話が聞こえてきた
「私達が誘拐したとバレてはいないだろうな?」
そんな言葉が聞こえた瞬間、俺は路地裏から見えない居場所に隠れる。別の人間の誘拐事件のことかもしれんが…聞いておくに越したことはない。
「あの愚王はまだ気づいておらんよ。そちらも、兵士どもが探さないような場所に隠しただろうな?」
「もちろん。馬車の準備さえしてくれれば、私達が教皇様の元へと運び、交渉の材料とする」
「教皇様も酷いことだ。王子を使って、戦争のための戦力を得ようとは。確かにここは強国だが…ここの戦力を使わずとも、勝てるだろうに」
…確定だな。こいつら告発したら大金もらえねぇかな?王子の誘拐事件だったら白金貨とかを報酬として出されそうだな…いいや、めんどくさいことになりそうだし。
「勝利を確実にしたいのだろう。でなければ、『星隊』の1人である私が派遣されるはずがない」
「確かにな。『星隊』は今人員不足なのだろう?世に出ている星刀12振りのうち、2振りが存在すら不明。発見されている10振りのうち、5振りしか教国は集め終わっていない。そんな貴重な武器を使いこなせる少数精鋭…こんな案件に駆り出される小物でもないだろうに。」
「そうだ。だが、まだ入手できていない5振りは全て持ち主が見つかっている。あとは、それを奪い取るのみだ」
「まだ存在が確認されていないのが…『蛇蝎』と『天馬』だったか?『星刀全集』には載っているが、本当に存在しているのかすら不明…『星刀全集』には能力も書いてあるが…どちらもかなり使えそうな能力だったな」
…『蛇蝎』?俺の刀の号と同じ…
「待て、それ以上は話すな。こんなところでは誰が聞いているかわからん。伝説上の存在とされている『星刀』の能力を言うのはまずい。わたしたちのこの町での拠点…王子を一時的に置いているところへ行こう。王子は地下室へとおいているし、そこなら話を聞かれる心配もない」
「そうだな。『星刀全集』は世に12冊。そんな貴重品の内容を知っていると発覚するのは面倒くさい。そうと決まれば、さっさと行くことにしよう」
「わかった。ならば、ついてこい」
…おっと、見失わないうちに追跡用のスキルでも作って追跡しとかないと。こいつらの情報を兵士へと秘密裏に方法で渡せば、勝手に王子を取り返してくれるだろ。
「『万象創造』発動。スキル、『追跡』を創造。んで、『追跡』を発動して、あいつらにマーキングっと」
それにしても、『星刀』か。伝説上の存在…勇者の伝説にも確か記述があったな…詳しくは一切書かれてなかったが、12星座に関連する12振りの刀だったはずだ。さっき話していた『天馬』は12星座じゃないが…なんか理由でもあるのかね?
…まぁ、考えるのはあとにしよう。まずは、買い物を楽しんで、家に帰って、飯でも作ろう。こいつに関して詳しく考えるのは、その後だ。
武器はこの刀があるし、防具でも買うか。金貨10枚くらいは持ってるし、普通以上の装備を買えるだろう。
この近くにいい店は…お、あそこよさげだな。鍛冶屋『黒鉄』か。…なんでこんな路地裏にあるんだ?客入り悪そうだけど。…とりあえず、入るか。
「すみませーん。お店の方はいらっしゃいますか~?」
「…坊主、ここは子供が来る場所じゃないぞ。早く家に帰れ」
「これでも学園の生徒なんですが…」
「それでも子供のことには変わりない。武器や防具を買いたいなら、親御さんを連れてからくるんだな。…いや、ちょっと待て、なぜ学園の生徒がここにいる?今は王子誘拐の件で生徒は寮にこもりっきりのはずだ」
あ、やべ。町の人にも伝わってんのか。…しゃーない。面倒くさいことになりそうだけど、正直に言うか。
「王都巡りしたかったので、スキル使って、脱出してきました!」
「お前は阿呆か!?」
「知ってますか?ばれなきゃ何の問題もないんですよ」
「…ばれたのが俺でよかったな、お前。ほかの関係者だったら最悪退学だぞ?」
…あんま学園で学べることねぇから別に行かなくても問題はないんだが。
「って、あれ?あなたって学園の関係者なんですか?」
「まぁ、一応な。時々模擬戦用の武器を提供する程度だが」
え?もしや結構腕のいい鍛冶師?確率何分の一よ…
「さぁ、さっさと寮に帰れ。じゃないとさすがに処罰を…」
そこで、店主の顔が変わり、声を止める。そして、俺の腰をじっと見つめている。
「え…えっと…なんで俺の腰をじっと見つめてるんです?」
「…気が変わった。お前が持っている武器を見せてくれたら、今回だけ装備を売ってやろう」
「え!?本当ですか!?」
「あぁ、見せてくれるだけでいい。それ以上は何もしないと誓おうじゃないか」
いや、逆に怪しいんだが…最悪取り返せるしいいか。
「そのくらいでいいんでしたらいくらでも!」
そういって、俺は持っていた武器を鍛冶師に差し出す。
「よし、契約成立だ」
鍛冶師は、受け取った刀を鞘から抜き、まじまじと見つめる。
「…こりゃすごい」
「え?そんなすごいんですか?武器屋で売ってたって話ですけど…」
「武器のことならほぼすべてのことがわかる俺の目でもちょっとしかわからん。こんなことは初めてだ。鍛冶屋で売ってた店主も、何も見えないからと安く売っていたんだろうな」
「分かった情報ってどんなものですか?」
「名前、保有魔力、攻撃力の三つだけだな。スキルもあるんだが、文字化けしてて何も見えない。これは並みの鍛冶師では何も見えんな…数値も全部神剣級だ」
…神剣?まともに数値見てなかったけど、後でしっかり見てみるか…
「見た目もだ。こんな真っ黒な刀身は本当に珍しい。一見黒鋼にも見えるが、そんな安いものじゃない。もっとすごいものだ。」
「そ、そんなにすごいんですか…」
「あぁ、久しぶりにいいものを見させてもらった。約束通り、装備を一個だけ売ってやろう」
そう言って、鍛冶屋の店主は俺に刀を返してくる。良かった…
「では、軽い鎧を1セットお願いします!」
「軽い鎧…どのくらいのものがいい?具体的に言ってくれた方がいいのだが…」
おっと。それもそうだな。そうだな…
「手首から肘まで、足首から膝までの鎧が欲しいですね。手の甲を覆うことができれば理想ですが、その際は手の動きを阻害しないようにして欲しいです。予算は銀貨五枚から金貨一枚を予定しています」
「結構細かい注文だな…そんな軽装で本当にいいのか?防御力にはあまり期待できんが…」
「速度重視のアタッカーに防御力なんか要りませんよ。簡単に言ってしまえば、全部避ければいいんですから」
「それがむずいんだろうが」
それもそうなんだけど、そもそもあんなガチャガチャとしたものが嫌いなんだよな…
「とりあえず、希望に沿うものが一個残っているぞ。あまり高くないものだが…本当にそんなんでいいのか?」
「はい!希望通りに装備がもらえるのならなんでも!」
「よし、持ってくるから少しここで待っていろ。サイズの調整を行わないとだしな」
そう言って、店主は奥の方へと入っていく。戻ってきた時には、見事な手甲と脚甲を持っていた。
「これだ。軽装の装備だからかなり軽いが、ある程度は防御力もある。性能は保証するぜ」
…うん、俺が望んだ通りのものだ。手袋のようなものに鎧がついているような感じなのか。これなら動きを阻害されることもなさそうだ。
「これでいいよな?早速サイズ調整をするぞ。このままじゃお前に装備することはできん」
「そうでしたね…」
そこから、なんと一時間ほどの時間を装備のサイズ調整に使うこととなった…
楽しんでいただけたでしょうか。誤字脱字があった場合は、指摘をお願いいたします。極力ないようにしていますが、自分でも気づかない間違いがあったりしますので…
近々、友人に指摘された矛盾点の見直し、修正を行う予定です。作業開始は早ければすぐに、遅くても6月になりますm(_ _)m