第十九話 学校閉鎖
区切りが良かったので、今回はいつもより短くなります。m(__)m
学園の授業が始まり、はや一ヶ月が経った。前世のようにいじめられることもなく、平穏で快適な生活を過ごせている。まさか、いじめのない学校生活がこんなにも快適なものだったとは。小学校2年の頃から自殺するまで、ずっといじめられていたから、こんな感覚をしばらく忘れていた。
まぁ、平穏な時間が一切なかったわけではないが…少し長くなるので話すのはやめておく。
話を変えよう。こうして平穏に暮らしている俺だが、世界はどうもそうは行かないらしい。まぁ、普通のことなんだろうけど。
俺も新聞で見ただけだが、三教戦争というものが始まろうとしているとのこと。詳しく言えば、アプトロスト教団、アルナメスド教団、スカンディルビア教団という、国を従えるほどの勢力を持つ三つの宗教が戦争を起こそうとしているらしい。
三教戦争とはいっても、実質三国の戦争のようなものだ。それぞれが従えている国を争わせるわけだからな。そうなると、俺たちの国にまで被害が出る可能性がある。平穏を好む俺としては、それだけは何としてでも避けたい。
…流石に、離れているし、なんの関係もないこの国に被害が来ることは早々ないとは思うが。安心して終結をまとう…と、思っていたときだった。
「お前らにお知らせだ。昨夜、レオが何者かに誘拐された。そのため、学園に入ったばかりのお前らには悪いが、少しの間学校閉鎖を行う。期間は未定だ。だが、最低でも犯人の特定が行われてからになる。少し長くなると思っておけ。
それでは、これから学校閉鎖中のルールを伝える。まず、学校閉鎖中は、寮から出ることは許されない。まぁ当然の措置だな。生徒の一人が誘拐されてんだからよ。2つ目に、まだ弱いお前らは寮の前に教師が護衛として配置される。外に出ようとしたらすぐにバレるから気をつけろよ?最後に、お前らはまだ学生だ。閉鎖中に遊んでばかりでもなく、しっかりと訓練に励むように。」
こう言われたのが、今日のホームルームでのこと。現在は、厳重に警備された学園の寮でゆっくりと休んでいる。…こっちの世界での勉強は面白いし、授業は結構楽しみにしてたのに。何より、やっと手に入れた平穏を邪魔しやがって…誘拐犯め…
…落ち着け。よく考えたら、俺が言っても無意味じゃないか。ただの誘拐犯なんだから、国の衛兵に任せておけばすぐ捕まるだろ。剣王の職業を持つレオがあっさり捕まったことに少し違和感はあるが、あいつはまだレベルも低いし、あの程度なら☆5のレベル3、40くらいでも誘拐くらいできる。
ってか、読む本なくなったな…こっそり買いに行くか。えっと…隠してた金を持って…あとは、『万象創造』で『隠密』と『気配消去』それと…犬とか、嗅覚いい奴らの対策のために『消臭』とか作るか。
…そうだ、外に出るんだったらあの指輪もつけていくか。まぁ、あいつらとの思い出の品みたいなもんだしな。ってか、特殊な効果をつけたとか言ってたけど、どんな効果が付いてるんだ?…ちょっと確認してみるか。
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名称:シトリンの指輪
説明:異世界で死んだ人間が生前つけていた指輪。創造神の加護を受け、強力な魔道具となっている。
効果:『MP自然回復(大)』、『MP増加(大)』、『HP自然回復(大)』、『攻撃力上昇(大)』、『防御力上昇(中)』
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…いくらなんでもつけ過ぎじゃないですかね?神様。なんすか?これ。頭おかしいんじゃないん?いや、ありがたいけど。ありがたいんだけど!いくらなんでもやりすぎ!…これからはちゃんとつけておこっと。
それじゃ、行こう。スキル全部発動してっと。出るのは…窓からでいいか。出入口から堂々と出る勇気は俺にはない。
さてさて、本屋と…ついでに食料も買ってくか。立派なキッチンがついてることだし。あ、お米ねぇかな。あと、味噌とかも…いや、正味全部スキルで出しゃそれで済む話なんだが。出どころを怪しまれても困るしな。
ん〜、明日のメニューはどうしよっかな〜っと。
楽しんでいただけたでしょうか。誤字脱字があった場合は、ご指摘をお願いいたします。極力ないようにしていますが、自分でも気づかない間違いがあったりしますので。