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第一話 日常

「おぎゃー!おぎゃー!」


 赤ん坊の泣き声が聞こえる。自分では声を出している感覚はないが、他に赤ん坊はいないし、俺の鳴き声なのだろう。


ってか、赤ん坊からやり直しかよ…最初に言ってくれよな…


(ん?なんか言ったかの?)


 え!?なんで話しかけれんだよ!?ってかここでも考えてること分かるんかよ!?


(これは念話じゃよ。それに、ワシが作った世界なんじゃから、聞こえるのも話せるのも当然じゃろ?)


 当然じゃない気がするんですが…というか、あなたが作ったってことは、あなたは創造神とか全知全能とかそこらへんですか?


(ご明察、そのとおりじゃ。全知全能の神じゃな。それと、創造神も混ざっておる)


 それじゃ、ハーフみたいなもんですか?


(まあ、そういうことじゃな。それより、お主の名前が決まったようじゃぞ?)


 おっと、まずいですね。名前は聞いとかないと、後で混乱しそうだ…


前世では夕凪秋人という名前だった。前世の親には一ミリも感謝なぞないが、いい名前をつけてくれたことにだけは少し感謝をしている。


さて、今世ではどんな名前になるのか。


「今日、魔法歴2029年、11月26日に生まれたこの子供を、アースと名付け、グランツ家の家族と認める!!」


 アースか…グランツって名字も付いてるし、家も結構豪華だ。貴族かな?


(そうじゃ、ここは代々騎士団長を務めるグランツ家。かなり有名な貴族じゃ。この世界では魔法が使えるし、お主の希望したスキルも準備してある。五歳になったらスキルがもらえるから、それまで待ってくれ。)


 わかりました。心待ちにしています。


(うむ、それじゃあの。)


 …神様の気配が消えた。これから、俺の二度目の人生の始まりだ。楽しみだな…そう考えながら、俺は今までに感じたことのない眠気を感じ、眠りに落ちた。


〜3年後〜

 俺は三歳になった。家族は、父のクレイ、母のレイネ、姉のアリア、兄のセト、最後に俺、アース・グランツの五人だ。それと、使用人たちが大勢いる。


 そして今、何をしているかというと、読書だ。本は生前から好きだったが、こっちに来て、さらに好きになった。計算方法や歴史が違っているから、面白いのだ。…まあ、もちろんあっちの世界の計算方法のほうが楽だが。


 本の読み過ぎで、(よわい)3歳にして変人だと言われているが、関係ない。


 本を楽しめれば、俺はそれで良いのだ。


「アース、また本読んでるの?」


 姉のアリアが部屋に入ってきた。


「だめ?別にいいじゃん。姉さんには何も関係ないんだし」

「関係あるの。変人の姉だってみんなにいじられるんだから。というか、ご飯だからやめろって意味なんだけど」

「あー、わかった。このページ読んでから行く」

「全く…できる限り早くしてよ。後、明日はセトのスキル授与式だから今日は9時以降まで起きるなって、お父さんから伝言」

「了解、覚えておくよ」


 そう返事をして、俺は立ち上がった。1ページを読み終わったのだ。


「相変わらず読むの早いね〜」

「内容は全部覚えてる」

「嘘でしょ、超人じゃん」

「知らないの?子供って記憶能力が大人よりも高いんだよ?」

「知らないでしょ、普通。ってかなんでそんなの知ってんの?」

「本で読んだ」

「本って便利だな〜(棒)」


 そんな会話をしながら、廊下を歩く。食堂につくと、ドアを開けた。


「遅いぞ、アース」

「ごめん、本に夢中になってた」

「読書減らせよー。こっちも迷惑だ」

「姉さんと同じ感じ?変人の親だー、みたいな」

「そうだ。こっちも大変なんだぞ。お前への悪口かなりあるんだからな?領民にも陰口叩いてるやついるって話だしな…」

「わかった、気をつけとく」


…本を読むのをやめるつもりなどさらさらないがな。


「そう言ってどうせ辞めないんだろ?本当に3歳らしくないな…アースは」


そうため息まじりに呟いた父は、目の前にある料理を食べ始める。


どれもこの世界では結構貴重なものだ。高そうな肉やフカヒレらしきものなど、食材だけは一級品だ。


こんな豪華なものを使っても、日本の家庭料理のほうがうまいのだから不思議だ。…いや、本当になんで?


 ちなみに、こんなに食卓が豪華なのは、父の役職のおかげだ。神様も言っていたが、この家は代々騎士団長を輩出してきた家で、もちろん父の給料も位もものすごく高い。位は確か、公爵だったはずだ。


 大公の下だから、国で3番目に高い地位にいることとなる。


 家もでかいし、装飾もかなり凝っている。正直、こんな迷路みたいにする必要があったのか聞きたいくらいには。


 父はこの生活を気に入ってないらしいが、母は結構気に入っている。


 どうやら父の贅沢嫌いは親譲りのようで、父は我慢してこの生活を送っているが、祖父は贅沢を嫌ってさっさと隠居してしまったらしい。今はどこかの山で静かに暮らしているのだとか。


 そんなこんなで、ご飯を食べ終わると、俺は自分の部屋に戻り、また本を開く。今読んでいるのは、遠い昔の勇者の物語だ。


 勇者は異世界から召喚され、この世界にいたと言われる悪魔の王を倒したと言われている。(悪魔はまだ残党がいる)


 まあ、ただの伝説なので、今では誰にも信じられていないが。そもそも、異世界人がこの世界に来れるという認識さえ、この世界にはない。当たり前のことではあるが。


 だが、俺は元異世界人。異世界人がこっちの世界に来れるというのは神様の言動からもほとんど確定だろう。だから、この伝説はいくらか信じることができる。


 色々考えながら数十ページ読み終わると、九時の(かね)(この世界で時間を知る方法は、この(かね)だけだ)がなった。


 そろそろ寝ないといけないな。じゃないとまたあの拳骨と説教を喰らうことになる…


 …一度1時まで起きていた時があるのだが、あの時は酷かった。父に拳骨をされ、その後は母に3時間ほど説教。全く、あの時の拳骨は頭が割れたかと思ったぞ…


もう2度とあんなことにならんよう、注意しないとな…


そう考えながら、俺は眠りにつくのだった。


結局こうなるのか−。

もうプロローグのやつ撤回!マイペースで投稿していきたいと思います。

遅れて誠に申し訳ありませんでした!!


2024年4月17日

文章のおかしなところがなくなるよう、少しだけ書き直しました。

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