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第十五話 入学試験

ノリと勢いに任せてやってたら、いつの間にか普段の二倍ぐらい書いてました…まぁ、これが結構普通の文量なのかな…?

あっという間に入学試験の日になり、俺達は今、学園前の行列に並ばされている。もちろん、並んでいるのは、試験を受ける子どもたち。この行列の先頭にある受付で受験票をもらって、試験会場へと向かうらしい。


…遅めに会場に来たやつは不運だろうな。この行列が消化されるまで待たなきゃいけないなんて。どのくらい待たなければいけないか、想像するだけで嫌になってくる。


それにしても、これ何人いるんだ?学園の外周を回るように並んでいるけど…見える範囲でも200人はいないか?


そんな感じで適当なことを考えているうちに、1時間半が経った。行く前に父さんが、「覚悟しといた方がいい」みたいなこと言ってたけど、こういうことだったのか…


「次の方ー、受験票の確認をさせてもらいます」


やっと俺の出番が来た。ちなみに、ノアは俺の前に並んでいたから、もう中に入っている。


「えー、受験番号563番、アース・グランツさんですね。それでは、右の水晶に手を触れてください。職業を調べさせてもらいます」


「わかりました」


言われたとおり、俺は水晶に触れる。すると、いつも見るようなステータスプレートが表示された。…って、これ俺の本来のやつじゃん!?


「職業は魔剣士、レベルは17ですね。では、6番の会場へお願いします」


…よかった。職業欄に戦魔神って見えた時は本当に焦った…これ見えんの俺だけでよかった。


そんな感じで、内心ホッとしつつ会場に向かう。会場の中には、100人近くの生徒がいた。受験者の正確な数はわからないが。俺の受験番号からして、500人以上の受験生がいるはず。


まぁ、この国の中で星4以上の職業を持つ子どもたちが全員入学試験を受けるんだ。それも当たり前か。


…それにしても、周りがものすごいうるさいな。友達同士のやつとかもいるんだろうな。俺は、この世界で唯一の友人であるノアが別の会場にいるっぽいから、誰とも話せないんだよな…


…ここで友人を作れってか?前世でいじめられすぎて、幼い頃からの友人以外とほぼ話さなかった俺にそんな事ができるとでも?…転生して、幸せな家庭に生きることができても、内面は一切変わらないんだよ。


「皆!静粛に!毎年恒例である受験者たちの行列も無事消化されたようだ。これより、入学試験を開始する!」


前世の学校で言う、朝礼台のようなものに立っていた男性が声を張り上げた。どうやら、あの人が試験官らしい。


…ってか、あの行列消化されたのか。結構時間かかったな…いや、あの残り人数で1時間は早いのか。



「最初は実技の試験だ!先に魔術の実技を、その後に武術の実技を行う!それぞれ100点満点で採点し、もしも200点満点を取ることができたら、その時点で入学確定だ!まぁ、筆記の方の点数が悪かったら、一番下のクラスだがな!」


…父さんに聞いたとおりだな。20年前から、試験の形式は変わっていないらしい。


「皆、心の準備はできたか?それでは、早速魔法の実技試験を行うとしよう!俺の前に二列になって並んでくれ!順番はなんでもいい!」


試験官の言葉に従い、受験者が試験官の立っている台の前に並ぶ。それと同時に、的のようなものが運ばれ、列の戦闘から20メートルほど離れたところに設置された。


「前方にある的は見えるか?これから君たちには、あれに魔法を撃ってもらう。もちろん、撃つ魔法は君達の得意なものでいい。その撃った魔法を、この的の昨日で数値化する。その数値によって、魔法の実技の点数を決めさせてもらう。ここまでで質問はあるか?」


…誰も手を挙げない。ほとんどの人が、事前に親から大体の内容を聞いているからな。


「…無いようだな。それじゃあ先頭の奴2人、前へ出て、右の奴から名前と使う属性を言ってくれ」


「え、えっと、ミーナ・フェニングで、使う属性は水です。よろしくお願いします!」


「ブラド・ライネン!使う属性は風だ!」


…言われたとおり、先頭の二人が名前を言い、魔法を撃っていく。その魔法を見ての感想だが…ここに居る受験者達、皆魔法の威力低すぎないか?それに、全員が基礎属性で、長々とした詠唱を行なっている。


俺とノアが規格外っていう可能性もあるけど…いや、十分規格外なんだった。あいつと一緒にいると感性が壊れるな。


…そして、順調に列が消化されていき、俺の番になった。俺は右側の列だから、名前を言うのは俺のほうが先だな。属性は…正直に、一番得意なもので行こう。


「アース・グランツです。使う属性は炎。よろしくお願いします」


「エマ・クロッカス。使う属性は氷結よ」


氷結…水と土の複合属性か。ノアもよく使っていたが、こいつも使えるのか…


「2人とも、その年齢で上位属性を使えるのか…まぁいい、魔法を撃ってくれ。二人同時でも、タイミングをずらしてもいい」


「あなたから先にどうぞ?グランツ家の末っ子さん?」


…こいつ、自分にかなりの自信があるようだな。すっげぇ見下されてる感じがする。それに、俺の素性も知ってるのか。


「…それじゃあ、お言葉に甘えて、先にやらせてもらいますね。………『炎魔法 フレイムジャベリン』」


…ドン!という、少し小さな爆発が起こったあと、表示された数値は600。強いのか弱いのかわからんな…


「…ジャベリンね…まぁまぁ威力高いじゃない。でも、上には上がいるのよ。格の違いを見せてあげる。『アイスランス』」


…エマとかいうやつの上で、パキパキという音がし、氷の槍が5本発生する。その槍は、まっすぐに的へと当たり、1000の数値が表示される。


本来ためが必要な魔法の短縮詠唱に加え、5つの多重起動…一朝一夕で身につくような技術ではない。こいつ、魔法の腕はかなりすごいな。


「あの2人、魔法の威力やばくないか?」


「確か、あの的って今の最上級生でも600出るか出ないかってくらい判定厳しいよな…?」


「まじかよ…入学前でそのレベル以上を撃てるとか、ただの化け物じゃねぇか」


周りの受験生の目が痛い…ま、まぁ、隣にいる奴の方は自慢げだし、いいことを言われていると思おう。うん、そうしよう。


「これで全員の魔法試験が終わったな。次に行くぞ。先刻も言ったとおり、次は武術の試験だ。列は崩していないな?崩していないなら、必ず横に誰かがいるはずだ。そいつとペアを組み、模擬戦をしてもらう。もちろん魔法は無しだ。勝ち負けは気にしなくていい。この試験では、お前らの動きを見て採点するからな。」


「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」


「よし、では先頭のミーナとブラド、前に出ろ!」


「「はい」」


「両者、構えて…始め!」


…そうして、武術の試験が始まる。こちらは、皆が様々な武器を使っているおかげで、それぞれの武器の戦い方や基本の構えが少しだけ勉強できた。まぁ、それでも、俺がいつもやっている模擬戦とは雲泥の差だが。


そうそう、結構珍しい武器を使うやつもいた。刀はいなかったが、ハルバードやクロスボウ、それに糸など。糸に関しては、今回は毛糸を使っていたが、丈夫なものを使えば、いろんなものをあっさりと切断できそうだ。


…魔法試験のときと同じような感じで、順調に列が消化される。そして、あっという間に俺の番が来た。


「…それでは、最後だ。エマ・クロッカスとアース・グランツ、前に出ろ!」


「「はい」」


「お前らは、できる限り周りに被害を与えんようにな。それでは、両者、構えて…始め!」


…相手の武器は剣。対して、俺の武器は刀。どちらも模擬戦用の木でできているものだ。…前回は先を譲ってもらったし、今回は譲ってあげるか。


「先に攻撃してきていいぞ。さっき譲ってくれたお礼だ」


「そう。なら、私も遠慮なく譲ってもらうわ。でも、後悔しないでよ?」


早々に会話は終わり、エマは実直にこちらへと突っ込んでくる。横薙ぎに振りかぶられた木剣を受け止め、弾く。力はあまり強くないし、速度も遅い。元々、魔法系の職業なのだろう。後天的に剣術のスキルを取ったのか。


「先手は譲ったし、これで気兼ねなく攻撃できるな。…すぐには負けてくれるなよ?」


そう言って、俺はエマと同じく、横薙ぎに木刀を振るう。だが、その速度と力はエマのものとは段違いだ。エマはあと少しで当たるところで、俺の振るった木刀を受け止めるが、なんと、俺の振るった木刀は防御に使ったエマの木剣を叩き折り、体には当たらないよう、静止させる。


「う、嘘でしょ…どんだけ馬鹿力なのよ…」


「…いや、俺も完全に予想外だった。まさか、木剣をへし折れるほどの威力とは思ってなかった…すまんな。怪我はしてないか?」


「えぇ、多分。止めてくれたおかげで、体には当たってないしね…


「勝負あり!勝者、アース・グランツ!エマは、一応保健室に行って、怪我がないか確認しろ」


ありゃりゃ…一瞬で決着がついてしまったな…まぁ別にいいか。


「他の者達は、筆記試験の会場となる、第6講堂へ行ってくれ。エマの状態を見て、大きな問題が無いようだったら、筆記試験を開始する。ジグ先生、引率をお願いします」


「わかりました。皆さん、私についてきてください!」


ジグ先生に引率され、俺たちは第6講堂へと向かう。第6講堂で少しだけ待機すると、ドアが開き、エマと一緒に先程のジグという試験官が入ってきた。


「待たせて済まないな。これより、筆記試験を開始する。それぞれ50分ずつで、それぞれの間の休憩は10分これが終われば、君たちの試験は終わりだ。実技のあとで少し疲れているだろうが、最後まで諦めずに頑張ってほしい」


試験官が話している間に、ジグ先生がテストを配る。表紙を見てみると、どうやら最初は数学らしい。


「時間もない。早速始めよう。試験、開始!」


…試験は、前にやった過去問と同じように、かなり簡単な問題ばかりだった。


数学は、前回やったものよりも、少し難しいかなー?という程度。ただ、相変わらず小学生の範囲なため、元高校生の俺にとっては楽勝だ。掛け算割り算?暗算で適当にやりましたけど何か?


二回目にやった歴史も、本をかなり読んでいたおかげもあり、この世界の歴史事項をほぼ把握している俺に取っては簡単だ。まぁ、相変わらず長いし、何個かミスってるかもしれんが。


三回目の魔法学が、個人的に一番難しいと思っている。ただ、それでもこのテストでは、基礎的なことしか出ない。これも結構楽勝にできた。


おそらく、数問程度しか間違えていないだろう。この筆記試験で心配することはない。このレベルの問題で間違えるなど、恥でしか無い。


これで、すべての試験が終わった。一番上のクラスに入れていたらいいのだが…まぁ、最悪入学できればそれでいい。結果がたのしみだな…

楽しんでいただけたでしょうか。誤字脱字があった場合は、指摘をお願いいたします。極力ないようにしていますが、自分でも気づかない間違いがあったりしますので。

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