第十三話 ご褒美
どうも、いつもどおり投稿がマイペースすぎる神名剣斗です。そろそろ投稿しないとな〜と思い、なろうを開いたら、なんと初めての感想をもらっていました!
更に、評価ポイントが50ポイント、合計pv数が3600を超えていました!皆さん、本当にありがとうございます!
———ノアの試験は、予想以上にあっさりと終わった。俺たちは現在、試験の結果が出るまで、少し離れたところで待機している。
…そういえば、レンドはノアに本気出したのかな?ちょっと気になるし、ノアに探りを入れてみるか。
「…なぁノア、レンドさん強かったか?」
「え?え~っと…正直、あれで冒険者やってるんだ…って思ったかな。まぁ、最近冒険者になったばかりらしいし、それが普通なのかな…?」
ふむ、ノア相手には本気出してないっぽいな。俺には本気出しといて。まぁ、そんなことを気にするほど器が小さいというわけではないが。とりあえず、同調だけしておこ。
「だよな。というか、子供に負けるくらいで冒険者とかやっていけるのかな…?」
「スライムとかゴブリンはかなり弱いっていうし、そういうのを倒しているんじゃない…?それで強くなっていくとか…」
…確かに。普通のRPGってそうだもんな。妥当に考えたら、そうやって強くなっていくってのが普通か…
「おーい!ふたりとも!こっちに来てくれ!」
ガイアさんの呼ぶ声が聞こえると、考えるのをやめてそちらの方へと近寄る。別に急げというわけでもないし。早歩き程度だ。
…前世での学校でテスト結果受け取るときと同じ感じだな。自信はあるけど、どっか凡ミスしてたらどうしよう…みたいな。
そういう時に限って、点数すげぇ悪いんだよな…んで、自身が最初から全くない時は、なぜかいい点を取る。これがフラグというやつかな?
そんなくだらないことを少し考えながら歩いていると、いつのまにかガイアさんの目の前に来ている。最近、考えに熱中することが増えたな。気のせいか?
「さて、先程レンドと話し合い、お前らの合否を決定した。…なんか怯えた様子で、ダッシュで帰っていったが、お前らなんか知ってるか?」
…絶対俺のせいだな。軽くお願いしておいたし、レンドはガイアさんに言わないでくれたようだ。よかったよかった。とりあえず、知らんぷりしておこう。
「…いや、心当たりは特にないですが…ノア、なんか知ってる?」
「わ、私も特にないです…」
「…そうか、まぁいい。とにかく、お前らは合格ということになった。よく頑張ったな」
ありゃ、ちょっと疑われてるな。まぁ、俺のステータスが異常なのは偽装のお陰でバレないはずだし、あんまり心配する必要はないか。
「合格したということで、前の約束通り、合格祝いを渡さないとな」
そう言いつつ、ガイアさんは二振りの刀を出す。真っ黒な刀と、真っ白な刀という、対極的な二振り。
「約束の珍しいものとは…とある鍛冶師が作った、刀という武器だ。この武器種を世間に広めたのは、勇者様と言われている。もちろん、ただの伝承だが」
初代の勇者…刀を知っていたということは、地球人なのか?いや、別の世界にも刀がある可能性はあるから、地球人とは断言できないか…。
「銘とか号はわからないのですか?刀には銘や号がついているということを何処かで読んだ記憶があるのですが…」
「銘?何だ、それは。ついてないと思うぞ。というか、その知識をどんな本で手に入れたんだ」
「忘れました。5年前くらいに読んだ本なので…」
「何歳から本を読んでるんだ、お前は…?」
どうやら、銘や号の文化は広めていないらしい。まぁ、あるかもしれないし、後で一応確認しておこう。
「…まぁいい。話を戻すぞ。この2つには、何故か鑑定が効かなくてな。詳細が一切わからんのだが…切れ味は保証する。実際に俺は、この刀の切れ味を見たからな。お前ら、2年前から刀を使っているだろう?切れ味の割に安かったし、ちょうどいいと思ってな…」
「…結構綺麗な刀ですけど、怪しい人から買ったというわけでは…ないですよね?」
「…まぁ、黒ずくめで少し怪しかったが…多分変なものではないと思うぞ?」
いや、黒ずくめは少し怪しいどころじゃすまない気が…もういいや。
「…どっちがどっちをもらう?ノア。俺は、なぜかちょうどかぶっている、髪色でいいと思ってるんだが…」
「私もそれでいいかなって思ってた。だったら、わたしはこっちの白い方だね」
「じゃあ、俺は黒い方を」
「それじゃあ、これで俺の指導は終わりだ。今までよく頑張ったな。…正直、そんなに強くなるとは思わなかったがな」
そりゃ、星が11個の職業に『異世界人』と『転生者』の効果がのってるからな。弱いはずがない。
…いや、ガイアさんがみてるのは魔剣士としての実力か。まぁ、どちらにせよ強いのには変わらんか。
「これから、お前らは学園というものに通うことになる。お前らなら余裕で合格できるだろうが…油断はするなよ?」
「「はい」」
俺のノアの声が重なる。学園の試験は今が1月だから、その1ヶ月後の2月。入学はさらに2ヶ月後の4月からだ。からだ。…どんなことを勉強できるのか、少し楽しみだな。
—夜—
さて、さっきもらった刀の確認だ。確か…目釘を抜いて、柄を外す。その後に、鎺というのを外すんだったか?雑学溜め込んでてよかった。
目釘抜きなんて便利なものはないから、適当に風魔法使って抜くか。壊さないように、ゆっくりと…
…よし、外れた。そしたら、無くさないようにわかりやすいところに置いてっと。
次は柄を外す。これは簡単。軽く叩いて、ゆるくしたら外すだけだ。
鎺を外すのはもっと簡単。つまんで下に下げるだけ。そうすると、刀に刻まれた銘が見れるようになる。
—そこに書かれてあった文字は、『蛇蠍晴仁』というもの。おそらく、『蛇蠍』というのは号だろうから、銘は『晴仁』ということになる。ちなみに、銘は作者の名前が刻まれることが多い。
…元日本人か?まだそうとは言い切れないが…神様が言っていた転生者の件もあるし、結構その確率は高いと思うが…
…というか、この漢字どうやって読むの?蛇と蠍?わかんねぇ……まぁいいや。
とにかく、もしその人が日本人なら、一回会ってみるのもいいかもな…
楽しんでいただけたでしょうか。誤字脱字があった場合は、指摘をお願いいたします。極力ないようにしていますが、自分でも気づかない間違いがあったりしますので。
ここからは本文の補足です。調べたところ、号というのは簡単に言うと愛称のようなもので、銘というのは、作者や使用者、試し切りの結果などが刻まれているものだそうです。この話で出てきた刀でいうと、『蛇蠍』が号、『晴仁』が銘になっています。