表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/25

第九話 許嫁

昨日に続き、連続投稿です。お正月は暇ですからね…

もしかしたら、お正月中にもう一話投稿するかもです。


少し気になってアクセス解析を見てみたら、昨日だけで100人近く、昨日と今日合わせて150人近くの人が見てくれていました。こんな、そんなにうまくもない小説を見ていただき、本当にありがとうございます。今後とも、拙作をよろしくおねがいします。

奴隷商の手先を撃退してから10分ほど経ち、俺と少女は、この町の領主の家…俺の家に着いた。


こいつはここに用事があるそうだが、何の用だろうか…?


「ただいまー」


「えっと…おじゃましま~す」


「あ、アースおかえり〜お父さんが呼んでたから、執務室に行ってきて——って、お客さんも一緒?」


「うん、街を探索してたら、この家を目指して迷ってるこの子に会ったから、連れてきた。」


「ふーん…あ!もしかして、レシム大臣の娘さん?」


「あ、はい。そうです。もうお父さんとお母さんはここに居るんですか?」


「居るよ〜2人が来るのを心待ちにしていると思う。結構重要な話らしいから…」


「どんな話なの?」


「さぁ…?私はアースが帰ってきたら執務室に行かせるようにって伝言もらっただけだから…」


流石に知らないか…まぁ、今知っても後で知っても変わらないんだし、別にいっか。


「それじゃ、行こ。結構待たせちゃってると思うし…」


「うん、わかった」


そして、少女を連れて父親の執務室へ向かう。この屋敷は広いから、玄関から執務室まででもかなり時間がかかる。


大人でも2、3分はかかる距離だし…本当、何でこんなに広くしたのか問いただしたい…


———そんなことを考えていると、いつのまにか執務室の前にいた。考えてると時間が一瞬で過ぎるな…


「父さん、用事があるって聞いたから来たよ〜」


「お、アースか。中に入ってくれ。まあ、まだ1人が来ていないから、少し待ってもらうことになるが…」


「多分だけど…その人を連れてきたよ?」


「え?どういう——って、本当に連れてきてるじゃねぇか」


父さんの隣にいる2人は…こっちの少女のご両親…大臣ととその奥さんだろうな。雰囲気が少し似ている気がする。


「それで…?どうしてわざわざ執務室に呼んだの?要件だけなら夕食の席で伝えればいいのに…」


「えっと…お父さん?私も何も聞かされてないんだけど…」


「あぁ、何も言ってないからな」


「それで、要件だが…」


「「お前の許嫁が決まった」」


「「……え?」」


俺の父さんと少女のお父さんの声が重なり、それに返答する俺達の声も重なった。


「えーと、ちょっと待って?もしかして、この子と俺が許嫁?どう言う経緯?」


「ちょっと前に遠征で王都近くまで行ったろ?その時に、ここにいるリュートと酒を飲むことになってな」


「その時に自分の子供をお互いに自慢し合ったんだ。そうしたら、ちょうど同じ年齢の息子と娘がいるという」


「「だったら、いっそのことその二人を結婚させようって話になった!」」


何だよ子供を自慢し合うって…親バカかよこの2人は…


「それじゃ、俺の娘を預けたぞ」


「おう、お前の娘はしっかりと育てるさ。ただ、たまには顔見せろよ?じゃないとこの子も寂しがるだろう?」


「わかってるさ。またな!」


「ノア、少し寂しいかもだけど、頑張ってね〜」


「えっ!?ちょっと2人とも!?」


気づいた時には、2人とも姿を消してしまっている……忙しいんだろうな……それでも他の領主の家に放置してくのは問題だと思うが。……ってか、ちょっと待って?


「——まさか、一緒に暮らすの?」


「そうだ!良かったな。早々に結婚相手が決まって。普通は学園に入ってからなんだぞ?」


「早すぎんのも嫌なんだけど!?」


全く、何でこんなことに…精神年齢20歳超えてるからこの少女に対しては歳の離れた妹みたいな感覚だけどさ…


「あ、そういえば…」


少女が急に何かを思い出したように話し出す。


「ん?どうしたん?」


「——私達って、自己紹介したっけ?」


「——あ、忘れてた」


「何をしているんだ、お前は…」


やべぇ、素で忘れてた。俺の家に用事があるってことに焦りすぎてた…


「あー、じゃ、改めまして———グランツ家次男、アース・グランツです。これからよろしく」


「レシム家次女、ノア・レシムです。こちらこそよろしくおねがいします」


敬語慣れねぇ…めんどくさいんだよな、敬語って。丁寧語だったらいいんだが、謙譲語や尊敬語になった途端一気に面倒くさくなる。国語のテストで何点落としたことか…


っと…危ない、思考がそれてしまった。早くもとに戻さねば。


「えっと…敬語はなしでいいか?一応、許嫁になったことだし…」


「うん、それもそうだね。呼び方は…アースくんでいいかな?」


「大丈夫だ。俺は…普通にノアでいいか?」


「うん」


「いやー、微笑ましいねぇ」


どこがだ。つーか、ニヤニヤすんな。前世の友人を思い出すだろが。主に俺が好きな人の事に関して迷走してるときの…


やべ、俺もテンパってんのかな?色々と変な方向に思考がそれる。


「そだ、父さん。ノアの部屋はどうするの?」


「部屋はあるんだが…いま物置として使っていてな。掃除しないといけない。」


…なんか嫌な予感がしてきたんだが———気の所為だよな?気の所為だっていってくれ!


「というわけで、しばらくは同じ部屋で寝てくれ!」


はい、気の所為じゃありませんでした。まあ、両方とも5歳だし、大丈夫だとは思うけどさ…それでも男女が一緒の部屋で寝るってどうなん?ノアも固まってるし…


「おーい、大丈夫か?固まってないで少しは反論しようぜ」


「はっ!さ、流石に5歳とはいえ、だ、男女で同じ部屋って、いいんですか!?」


待って、それは簡単に反論され…


「何いってんだ?5歳なんだから、間違いが起こるはずないだろう?」


はい、そりゃ反論されますよね…打つ手なしです。


「わかったよ。多分これ以上反論しても押し通すだろうし…」


「え?そんなあっさり諦めるの…?」


「いや、どうせ全てが反論されるから…」


「うっ…確かに…」


「それじゃあ、よろしくな!」


…覚えてろよ?


———その日の夜。俺の部屋にはノアがいた。今日だけの話だが、5歳の子供と一緒にいるくらいなら何の問題もない。


…それに、夏葉がくっつきすぎたせいで、こういうことで動じることがなくなった。あいつには感謝しかないな。…また感謝するとは思わなかったけど。


高校になっても相変わらずくっついてくるもんだから、本当に幼馴染としてしか見てねぇなって思ったものだ。


…そんなことはもう関係ないが。


さーって!寝るとするか!明日も訓練があるし、しっかり寝ないと明日も眠くなってしまうしな…


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ