90話 グレイvsシオリ&レイ⑤
シオリの魔法は直撃し、グレイは軽々と吹き飛んでいった。
魔法によって砂埃が巻き起こり、あたり一面をかこう。
ついに倒すことができたのか。
すぐに確認したいところだったが、この砂ぼこりの中で待っているしかなかった。
「さすがに倒れてるよね……」
不安になりながら見守っていると、しばらくして視界が開き始めた。そして、肝心なグレイはというと、大きな盾をもってそこに立っていた。
「まじか……」
「あれをくらって生きてるって……やべぇなあいつ」
「さすがにびっくりですね」
勇者の2人は予想外すぎたのか、黙り込んでしまっている。
だが、グレイもさすがに無傷ではなかったらしい。あの盾では守り切れなかったのか、ところどころボロボロになっている。第一、あの盾はどこから出てきたのか。そう思っていると、
「その盾、どこから持ってきたの?」
シオリも気になっていたのか先に聞いてくれた。
グレイは乱れた呼吸を深呼吸をして整え、
「さっきの剣だよ。魔力を加えると形を変えることができるんだ」
そう言ってグレイは盾に魔力を注ぎ込む。しかし、その盾はすぐにボロボロになってしまった。
「でももう駄目だね。さっきの攻撃で限界だったみたいだ。一番いい魔剣だったのに……」
そういってあからさまに残念そうな表情をする。
魔剣を失ったグレイ。さっき倒せなかったのは残念だが、つぎに間合いに入ることができれば確実に倒すことができる。そう思った俺達だったが、グレイの恐ろしさはここからだった。




