85話 どちらにしろ絶望
「まず聖域ってどこ?」
「迷宮城の隠し部屋のことです……」
「あ、あそこですか。でもルイさんあそこには特に何もなかったって……」
「……まぁいいわ。そんなことどうでも」
シオリはそのまま深くため息をつき
「たしかにおかしいと思ったのよね。魔王幹部に負けてなんで死なずに帰ってこれたのか」
「確かにそうですね。詳しく聞こうとしてもはぐらかしてばかりでしたしね」
そして、シオリとレイはニコッと笑った。
「「後で覚えとけよ」」
「「はい……」」
直接心臓を握られたような気分がした。
俺達は鬼二人を前にただ頷くことしかできなかった。
シオリは昔から怒ると面倒くさくてすごく怖い。とにかく気が済むまで仕返しをされるのがお決まりだ。それを今の強くなったシオリにやられるとなると、考えただけで恐ろしい。
フレイの怯える様子を見たところ、レイも相当怖いのだろう。
互いに未来は絶望しか待っていない。
「それじゃあさっさとこいつを倒しましょ」
「そうですね。早くフレイに罰を与えたいですし」
「それね。リボン、あんたは関係ないから下がってていいわよ」
「はーい」
そう言って、シオリはリボンのことを下げる。
どうやら二人は自分たちで魔王幹部をやっつけたいらしい。
「いいのかい?5人できた方が僕に勝てる確率が上がると思うけど」
「いいよ。だってリボンは関係ないし。それとあんたにルイが殺されたら後でボコボコにできないでしょ?」
「ですね」
わかっていたが俺がボコボコにされるのは確定のようだ。
「ははっ、そうかい」
そう笑い、グレイは剣を構えた。すかさず勇者2人も戦闘態勢に入る。
こうして、グレイと勇者2人の戦いが始まった。




