84話 噓つき
「遅いよー。すごい待った」
俺達を見つけたグレイは、すごくだるそうな顔をしながら座っていた。
勇者と魔王幹部が対面してるだけあってすごい緊張感が広がっている。
そして、グレイはシオリたちの顔をじっくりと見て立ち上がり、
「ちゃんと連れてきてくれたんだ。正直、直前になって逃げるんじゃないかと思ったよ」
「あはは……」
俺がグレイの言葉に愛想笑いしていると、シオリがグレイの言葉に疑問を感じたのか
「ん?連れてきてくれたってどういうこと?」
キョトンとした顔をしていた。それはそう、俺達はシオリたちを連れてくるときに魔王幹部を倒したいからと嘘をついてきたからだ。自分たちが助かるために連れてきたという本当の理由は言っていない。
「本当だ。ルイさんどういうことですか?」
「私達はこいつを倒すために呼ばれたんじゃないのですか?」
シオリのせいで他の二人も違和感に気付き俺達への追及が始まった。
(やばい!ばれたら先にこいつらに殺されるぞ!)
(どーしよ!ほんとにどーしよ!いつものずるがしこい案はねぇのか!?)
(そんなポンポン思いつかねぇよ!あとずるがしこい言うな!頭のいい案だ!)
小声でフレイと話し合いながら必死で案を考えていると、空気の読めないグレイがいらないことを言い始めた。
「あ、もしかして本当のこと言ってないの?そりゃそうか。自分たちのために死んでくださいって言ってついてきてくれる子なんかいないもんな」
「え?え?どういうこと?」
「えっとね……」
「ちょっ……」
俺はグレイの言葉を遮ろうとしたがもう遅かった。
「この2人が僕に負けて殺されかけたときに持ち掛けてきたんだよ。聖域を燃やした犯人と勇者を連れてくるから許してくれって」
「「「は?」」」
この時点でグレイを倒すことができても俺達の未来は明るくないことが確定した。




