80話 グレイ vs フレイ・ルイ③
「コイツ魔法も使えたのかよ!」
俺達の攻撃にも反応できてしまうほどの身体能力に、魔法も使えてしまうのならグレイはガーラと同じくかなりの化け物である。わかっていたが俺達二人じゃ手打ちできない相手だ。
「なんだこの気持ち悪いの。全然ほどけねぇ!」
脚に絡まった触手をほどこうとするが、その気持ち悪い触手は一向にほどける気配はなく、むしろ俺達のことを拘束していく。そしてすぐに動けなくなるまで縛られてしまった。
「初めての縛りが男かよ……」
「何言ってんだ?それよりルイ!本当にやばいぞ」
フレイが言う通り、グレイはもう近くまで来ており殺されるのも時間の問題だ。
しかし俺達は動けない。こうなったらもう説得するしかなかった。
「グレイ!聞いてくれ!あの聖域を燃やした犯人を教える!だから許してくれ!」
「な!ルイ!卑怯だぞ!お前仲間を売るなんてそれでも男か!」
「……本当かい?」
俺はフレイを無視してきっぱりと答える。
「本当だ!約束する!明日絶対ここに連れてくる!男と男の約束だ」
「うーん……」
グレイは俺の目をじっくりと見る。多分これは俺が嘘をついているか見極めているのだろいう。
だがそれなら大丈夫だ。俺はあの二人を明日本当に連れて行こうと考えているからだ。
「うん。わかった。君は解放しよう」
「よっし!」
「あ!ズル!」
グレイはしばらく考えた後、俺の拘束を解いた。
こうして俺は自由になったのだが、問題はフレイだ。
「じゃあフレイ、君は殺すね」
「いやだぁぁああ!!」
現に今殺されそうで泣きわめいている友達を見捨てるほど俺は酷いやつではない。面白いのでもう少し見ていたいのも事実だが、さすがに助けてあげよう。
「グレイ、ちょっといい?」
「なんだい?」
「こいつ導人だろ?だから勇者を連れてこさせればいいんじゃないか?そしたらグレイは勇者も聖域を燃やした犯人も倒せて魔王に褒められるってわけだ」
「君は本当に勇者に仕えている導人なのかい?まぁでも確かに悪くない案だな……」
「だろ!それでいいよなフレイ」
「あぁ!絶対に連れてくる!」
自分で提案しといてだが、さっき仲間を売るのは男らしくないと言っていたフレイの面影はもうない。すごい手のひら返しだ。
「わかった。君たちを信じるよ。そのかわり明日絶対ここに連れてくるんだよ。逃げても無駄だからね……どこまでも追いかけて殺すから」
グレイはそう言ってフレイを解放した。
こうしてひとまずは殺されなくて済んだ俺達だった。




