76話 ジャンプジャンプ
「はい捕まえた」
イケメンはそう言って俺達を両腕に抱え込む。ただ抱えられてるだけなのに力が強すぎて微動だにできない。そしてそのまま屋根の上に飛び乗り走り出した。
「ど、どこ行くんだよ!」
「街の外さ」
「警備を突っ切る気か!?」
二人抱えてるこの状況じゃいくら何でも目立ちすぎる。入るときに突破できたとしても今は絶対に無理だ。
そう安心していたのだが、イケメンは出口とは全く違う方へと向かっていることに気付く。
「え、どこに……」
イケメンが向かっているのは街の外壁。魔物が入ってこないようにかなり高く設置されている。
「まさか」
「そのまさかだね」
イケメンは外壁の下まで行くと勢いジャンプする。その高さはすさまじく軽々壁を越えていく。
「うわぁぁぁあ!!」
「やばいやばいやばい」
何故この警備の中、簡単に街には入れたのかすぐに理解できた。誰もこの壁を越えてくるとは思わないに決まっている。
また、このジャンプ力。ガーラより力を持っているとは思えないが少なくとも俺のステータスアップ状態の力は持っているだろう。
イケメンは壁を越えて少し離れた後、俺達のことをそっと放す。
すぐにイケメンのそばを離れ警戒するが、本当に俺達のことをすぐに殺すつもりはないようだ。自然体でただただ突っ立ている。そして一拍おいてから口を開き、
「それじゃあ聞いていいかい?」
「あぁいいぜ」
「聖域を燃やしたのは君たちかい?」




