70話 再び魔王城にて
場所は変わって再び魔王城。
ある男が魔王に重要な報告をするために帰ってきた。その男とは金髪のイケメン【グレイ】
そう、ルイ達がいる本屋でエロ本を買っていた男だ。グレイは魔王の前で膝をつき、
「魔王様、ただいま戻りました」
「お疲れ。それで犯人はもう見つけたか?」
「いいえ、犯人は見つからなかったのですが……かなりのお宝物を買ってきました」
そう言ってグレイは懐から三冊の本を取り出し魔王に渡す。
「これは……?」
「エロ本でございます。フレイ先生という方が描かれたものなのです。しかも絵も内容も全てのクオリティが聖域にあったものレベル、いやそれ以上です」
「本当か!?」
魔王は露骨にテンションを上げ本を読み始める。しかし初めは嬉しそうに読んでいた魔王だったがすぐに様子が変わった。
「これ聖域にあったぞ?」
「え?いや、私は見たことが……」
グレイは聖域のエロ本の大ファンなので長い年月をかけてすべての本を3回は読んできた。そのグレイが一度読んだ本を忘れるはずが無い。では、なぜ魔王だけは見たことがあったのか。それは
「俺の大のお気に入りだったから机の奥に隠してた。他の人に見せたくなかったからな」
「ひ、卑怯だ……」
「うるさい!だいたい聖域は俺と……いや俺が最初に見つけたところだぞ!」
「ご、ごめんなさい……」
(なんて自分勝手なんだ……)
心の中でそう思ったグレイだったが、相手は仕えてる魔王様なのでスッと気持ちを抑えた。
「はぁ、この本は特に読んだからな……」
「すいません。こちらでその三冊は処分しときます」
グレイは申し訳なさそうに魔王様分のエロ本を回収しようとすると、手をはじかれ
「これは一応もらっとく」
「……」
「とりあえず!そのフレイという愚か者を見つけて懲らしめてこい!聖域を燃やした犯人かもしれないからな」
「か、かしこまりました。行ってきます!」
魔王の態度に不満を持ちながらも、グレイは再び魔王城を出発するのだった。




